ぴーんぽーん。
ぴぽぴぽぴぽぴぽぴーー・・・んぽー・・・・・・ん。
和やかで麗らかな日曜の朝。
そんな静かであるはずの朝は、とある少女のインターホンを鳴らすベルの音で、
これでもかというくらいにぶち壊されていた。
[[[ be called ]]]
あれだけ盛大に鳴らしたチャイムが、小さな余韻を残して、止んだ。
それからしばらく・・・ほんの数秒待ってみても、中からの反応はない。
いないはずはない。絶対いる。
こんな朝早くから、どこかに出かけるような人間じゃないはずだ。
と、なれば。中の人間は居留守を使っているというわけで・・・・。
ぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴーーーんぽーーーーーーーん。
怒りにまかせて、彼女は更に盛大なチャイム音をあたりに響かせた。
これを何度も続ければ、そのうち痺れを切らして出てくるに違いない。
これはもう、どちらの根気が勝っているか。
はっきり言って根競べである。
この風子ちゃんを無視しようなんて100年早い!
2度目のチャイム乱れ打ちの音も止んだのち、
イライラと怒りにそう心内で静か呟いて、もう一度、乱れ打ちを決行しようと手を伸ばしたとき。
がちゃ、という。扉を開く音が聞こえた。
「あっれー、珍しー。ミカちゃんにお客さんだー」
扉の開く音と同時に聞こえてきたのは、どう考えても女の人の声。
はっとしてそちらを向くと、そこにいたのは見たことのない女の人。
―――そっか、これやってると水鏡も迷惑だけど、近所の人にも迷惑なんだ・・。
そんな当たり前の事を、今更のように思い知る。
おそらくこの女性は、チャイム音がうるさいと文句を言おうと外に出て。
・・・そして、相手が予想外・・・以外な人間を訪れていたのに驚いて、
そして、文句をいうのを忘れているのだ。
あー・・しまったなあ・・・・・。
「あー・・・えーっと・・・・・ごめんなさい。
ここの奴が出てきたらすぐに・・・・」
そう、その女性に申し訳なさそうに言って。
ぺこりと頭を下げたとき。
ふと、この女性が先程言った言葉が、頭を過った。
『あっれー、珍しー。ミカちゃんにお客さんだー』
・・・・・・・・・・・・・・・・ミカ?
「・・・・・・・ミカ・・・・・・ちゃん?」
「へ?そうよー。水鏡のミカちゃん」
動揺しまくりの風子が、なんとか呟いたその言葉に、
彼女は、あっさりとそう答えた。
ミカちゃん。
あの可愛げのカケラもなさそうな(失礼)人間に、ミカちゃん。
この可愛すぎるあだ名が、あの水鏡凍季也のニックネーム。
――――あ、だめだ。面白すぎ。
あっさりと言いきったその女性の言動と、あまりのギャップに、
風子が、耐え切れなくなって小さく笑った。
すると、その女性・・・・水鏡の隣人が首を傾げて、不思議そうな顔をして。
それに対して、何でもないと言いながら、やっぱり笑いは止まらなかった。
しばらくして、二言三言話したのち、隣人さんは部屋へ戻り、
風子はまた、依然として出てこない水鏡を引きずり出すべく、
チャイムを鳴らさんとして、人差し指をすっと伸ばす。
最初は、来なけりゃそれでいいや、と考えていたけれど。
今はどうしても連れていきたくなった。
―――と、ゆーより。言ってやりたい事が出来た。
だから、意地でも。引っ張り出してやる。
ぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴーーーーーんぽーーーーーーーーーーんっっ
何度目かの乱れ打ち攻撃。
そろそろあいつも限界のはず。
怒って出て来い。そしたら、意表をつくような言葉でノックダウンしてやる!
どこか言葉の使い方が間違っていたような気がしないでもないが、
心の中でそう意気込んで、チャイムの余韻が消え行くのを、静かに聞く。
すると、ようやく観念・・・・というか、我慢を限界を越えたらしく、
がちゃ、という音がして。扉が、開いた。
出てきたのは、あからさまに不機嫌で、面倒くさそうな表情の、水鏡。
その顔を見て、にこっと。いや、正しく形容するならば、にまー、と笑って。
風子が、一言。
「はよっ。みーちゃんっ!」
にやにやと笑いながらそう言った風子に、
水鏡の思考と行動は、一瞬ながらもストップしたとか。
「――――・・・・みー・・・・?」
「そう。水鏡のみーちゃん!」
「・・・やめろ。お前にそんな風に呼ばれる筋合いはない」
「でさ。みーちゃん。今日、烈火が影法師んとこ行くんだって。一緒に行こう」
「聞いてるのか。僕は・・・・」
「土門とも約束してんだよね。あんま時間ないから、用意すんなら急いでね」
「人の話を・・・・・」
「い・そ・い・で・ねっ!」
「・・・・・・・・」
「ほら、あと2分しかない。みーちゃん、急げ急げっ」
「―――――行く、だけだからな。それと、その呼び方は止め・・・」
「ん。素直でよろしい。じゃ、本当に早くしてよ。みーちゃん」
「・・・・・・・・・・・もう、いい」
霧沢風子、圧勝。
その後、早々と用意を済ませ、しぶしぶ出てきた水鏡を引き攣れて、
彼らは、影法師――陽炎の元へと足を運ぶ事となる。
後に隣人は言う。「本当に出てくるなんて思わなかった」と。
次いで、まわりの人間は言う。「なんであいつが『みーちゃん』って言っても水鏡は怒らねえんだよ」と。
それもこれも、全ては彼女の根気が勝ったからこそ。
こうして。彼のかわいらしいニックネームは定着したそうな。
(ほんまかいなとツッコミながら終わる)
こじつけに決まってんじゃないですか(死)
と、ゆーわけで。フィンに贈る15000HITリク。みーふー。
・・・どこがやねん(びしっ)
みっ、みーふー!?これが!?いや、違う違う(死)
んまあ・・・・・・・なんと言いましょうか。
彼女が、とある烈火の100の質問で(とあるってなんだ)
「火影屋敷に連れてったのは風子であってほしい」だとかかんとか言ってたんで。
こじつけてみました(笑)
どうよ、フィン。これで満足か(笑)
あー、それにしても隣人さん使い易い〜(笑)
使い易い・・・というよりは、利用し易い、といった方が妥当かもしれんが(死)
とにもかくにも15000HITありがとう、フィン〜。
もうすでに22222HITすら越えてんじゃねえか、という痛いつっこみは受けつけません(死)
モドル