■ 略奪愛? ■





「さっき雷覇君に会ってね」

「・・・・・」

「『お菓子が上手く出来たんでどうぞー』って、くれたの」

「・・・・ほお」



水鏡家を訪れた風子が珍しく手土産らしいものを手にしていた。
どうしたのかと尋ねてみれば、返ってきたのはそんな返事。
全く持って有り難くない。
しかも、嬉しそうにしている風子の態度はもっと気に入らなかった。



「雷覇君、なんか料理とか上手そうじゃん?
中身なんだろ。楽しみー!」



嬉々としながら、風子が包みを開ける。
その様子をむすっとしながら水鏡が見つめる。

出てきたのは、美味しそうな一切れのチョコケーキ。
その量、明らかに一人分。



「ちょっと小さいか・・・・。
ま、しゃーないね。今分けるから、ナイフとお皿借りるよ、みーちゃん」



そう言って、風子が立ちあがろうとテーブルに手を掛けた。
風子の視線がケーキから外れた瞬間。

その向かいがわに位置していた水鏡の手が、ケーキに伸びた。




むんずと掴んで。
引き寄せて。
口に運んで。

飲み込む。




もぐもぐ、ごっくん。
そんな音が聞こえてきそうなほど、見事一口で平らげてしまった水鏡の動作を、
ぼんやりと目で眺めていた風子は、数秒経って―――叫んだ。





「あーーーーーーーっっっ!!!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・うるさい」

「何で一人で食べちゃってんのさ!!!
私だって食べたかったのに!めちゃくちゃ美味しそうだったのに!!!!」

「そんなに言うなら、自分で作ればいいだろ」

「雷覇君みたいに上手く作れるとは限らないじゃんか!」

「なら、僕が作ってやる」

「・・・・・・・・・・・・・へ?うそ、ほんとに?」

「・・・これくらい、僕でも出来る」

「みーちゃんが?・・・・ふーん・・・・・・・・・・。
そんじゃ、雷覇君より美味しいの作ってよ?絶対に!」

「当たり前だ。あんな奴に負ける気は無い」

「・・・・・何でそんなに対抗意識燃やしてんの」






FIN?
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微妙にオチてないオチてない(死)
雷覇君も出てきてない出てきてない(大問題)

リク『雷覇と水鏡が風子をめぐって争う』だったのですが。
雷覇君の書けない私は、こうやって逃げました。見事でしょう?(死んでこい)
何で雷覇君がお菓子持参で風子に会いに来んの。という質問にはお答えしません(おい)

いちよー作品解説しますと、
あんまり風子が喜ぶので、水鏡は腹が立って一人で食ってしまったというだけの話(死)
そしてお菓子作りで対抗意識を燃やしている、というバカ話(死)
雷覇が作ったものを、風子に食べさせるのも嫌だったようです。

雷覇vs水鏡という視点からみますと、この勝負は雷覇の一人勝ちですね(何で)
勝負っつーのは、基本的に熱くなったほうが負けって言いますし(謎)

 

モドル