君はいつか翼を手に入れて。
そしてあの空へ、飛び立っていくのだろうか。
[[[ あの宙へ ]]]
「見て見てみーちゃん!空がすっごい青い!」
休日。
部屋にこもっているだけではつまらない、と言って、
(勝手に押しかけてきたくせに)彼女は僕の手を引いて、玄関の扉を開けた。
そして、扉を開けた途端、飛び込んできた青い空に抱きつかんとするように、
大きく手を広げて、輝く笑顔で僕を振り返った。
彼女の言った通り、空は青かった。
どこまでも広がるそれは、雲1つない晴天。
ありのままの姿の太陽が眩しくて、少し、目を細めた。
「あー、いい天気ー!」
「・・・そうだな」
一言簡潔にそう返すと、彼女はそれに返事を返すわけでもなく、
気持ち良さそうに腕を伸ばして、ゆっくりと歩き出した。
多分、その行き先は限定などされていなくて、足の向くまま思うまま、
のんびりと、散歩をするつもりなのだろう。
そんなことは、別に珍しいことでもないので、
僕はいつでも、ただ黙ってそれに付き合うだけだった。
断れるわけもなく、ほぼ強引に連れ出されるという理由もあったけれど。
むしろその行為は、迷惑でもなんでもなくて、楽しみの1つとも言えるものでもあった。
「鳥っていいなー。ずっと向こうまで飛んでいけるじゃん」
「羨ましいか?」
「まあね」
そう言うと彼女は、眩しそうに太陽を、青い空を見上げて、
手で目の部分に影を作って、目を細めて、呟くように言った。
「あの空の向こうにさ。飛んで行けたらいいな」
私も知らない。あの向こうへ。
そう、呟いて。下を向いて。僕の方を向いて、少し笑った。
「おまえは本当に飛んでいきそうで怖いな・・・」
怖いな。
精一杯。冗談めかしてそう言う。
それがまさか本心だとは、悟られないように。
いつも思っていた。
きっと君はいつか翼を手に入れて。
むしろ、今でも持っていて。
いつの日かそのときがきたら、その翼でどこまでも飛んでいくのだろう。
躊躇うことも無く。ただ未来(さき)を目指して。
あの空へ。
「もし私がさ、本当に飛んでったら、どうする?」
笑いながらそう言って、また歩き出した彼女に、僕は簡単にこう答えた。
「さあな」
すると彼女は不満気に、それでも笑顔は浮かべながら、
僕に一言文句を言って、また上を向いて、空を見ていた。
『 もし、本当に、飛んでいったなら 』
きっと。どこまでも追いかけて。またその腕を掴むだろう。
『 例えば空高く舞いあがっていたら 』
追いつづければ。見失う事はない。
諦めなければ、終わりは無い。
求めつづければ、それはなくなることはない。
多分、空はそう高くない。
FIN.
わけわからん(爆死)
久しぶりに困りましたね、こりゃ。あっはっは(笑うな)
「多分、空はそう高くない。」
求めて、届かないほどの距離じゃない。そういう意味。
説明しなきゃわからないような文章てゆーのは、はっきり言って「下手」だってことなのでしょうが。
この言葉は個人的に好きなのです。
届きそうで届かない。「夢」は「空」みたいなので。
ごめんねごめんね。わけわからんで(死)
ジャンル投票一位だったから、頑張ったのよ。努力したのよ。
えー・・まぁ、誰か気に入ってくれた人。
stmimiに勇気を下さい(笑)
ちなみに「あの宙へ」で「あのそらへ」と読みます。わかってた?(笑)
モドル