「頼みがあるのだが・・・」



神様。

真剣な顔してそう言ってきた不破を見て、すっごく逃げたくなった私を許してください・・。










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「な・・・・なに?」


とてつもない嫌な予感に、顔が引きつりそうになるのを必死でおさえつつ、
有希は、平静を装うようにそう言った。

尚も真剣な(ある意味いつもどおりだけれども)不破の表情に、有希の不安は募るばかり。
そこまで気にするようなことでもないかもしれないが、
自はともかく、他はしっかり認めてるクラッシャーが相手ともなると、
やっぱり覚悟は必要なのだ。


そんな、あからさまに動揺している有希を知ってか知らずか、
不破はさも当然のようにこう切り出した。






「料理を作ってほしいのだが・・・」







一瞬、頭が真っ白になったのは・・・・・絶対、気のせいじゃないだろう。





















「ど・・・どーゆーこと?」


「家庭科の授業があったのだが、どうしても腑に落ちない点があった」


「それで、何で料理になるの・・・?」


「授業の内容は『料理』についてだったのだが、
授業終了間際に教師が
『分量に気を使うことも大事だが、特に必要なのは愛情だ』
と言っていたのだ」


「へ、へー・・・・」


「『愛情』というものが、料理にどのような変化をもたらすのか。
それがどうもわからん。
普段母親が作る料理も、俺が作った料理も、特に変わった点は無い。
ということは、母親の料理には『愛情』がこもっていないのかということになる。
しかし、母親に聞いてみたところ、『愛情はちゃんと込めている』と言われた」


「・・・・・・・で?」


「それなら、俺の料理にも『愛情』というものがあるのかということになるのだが、
俺はそんなものをこめた覚えは無い。どうしても、つじつまが合わなくなるのだ」


「それで・・・・なんで私が料理作らなきゃならないわけ?」


「小島に、『愛情をこめた料理』と、『こめなかった料理』を作ってもらい、それを比較したい」


「だから、何で私なのよ!」


「母親や、俺のものでの比較は無理だということはわかっているからだ」


「だから、それで何で・・・」


「佐藤に、『小島に頼め』と言われた」


「(あいつか・・・・)」


「そういうわけだ。よろしく頼む」





それだけ言い終えると、不破はくるりと踵を返し、自分のクラスへと歩みはじめた。




・・・・ちょっと待って。




いつ・私が・作ってあげるって・言った!?








冗談じゃない。


そう思って、呼びとめて、断ろうとする。
『不破』と呼ぼうとして、口を開きかけた途端。
不破がくるりと振りかえり。












「手始めに、明日の弁当から頼む」















先手を打たれてしまいました。











また踵を返してスタスタ帰って行く不破の後姿を見ながら、有希は呆然と立ち尽くしていた。













これってもしかして、有耶無耶の内に承諾したことになってるんでしょうか?












10人に聞けば10人が全員『YES』と言いそうな自分への問いかけに、彼女は数分別世界へ。
そして明日からの朝の自分の姿を想像して、やりようの無い怒りを拳に集める。




とりあえず、怒りの矛先は決定しているので良しとしよう(良くない)





FIN.


私の本命って、本当に不破有希なのかしら(死)
でも、好きなんです。カンベンしてください(笑)
ただ、書きやすさナンバーワンを誇るのが、シゲなだけ・・・・(死んでこい)

策士不破(笑)
そして振りまわされる有希嬢(死)
そして墓穴掘りまくるシゲ(爆)
きっとシゲは、一番最初に頼まれたんだけど、めんどくさいがために、
「うるさいなー。そんなん小島ちゃんに頼んだらええやろ」
とかなんとかぬかしたのでしょうね(笑)

とりあえず、翌日から有希嬢は朝からせっせと弁当作りに励むのねv(笑)
届けに行くのだろうか・・・・それとも取りにくるのか・・・・?
あ、屋上かな?(ほっといたれ)

つーか、台詞多いねv(死)
はい、精進します;;



モドル