[[[ 幸せ家族計画 ]]]







「田舎に家買うて、のんびり暮らしたいわー」

「へぇ」

「犬も欲しいでな。柴犬」

「ふーん」

「子供は女の子がええなー」

「そう」

「サッカー教えてなー、一緒にやるねん。理想やわー」

「いい夢ね」

「そやろ!小島ちゃん、一緒に実現させへん?」

「却下」




部の日誌から目を離さず、即答した有希に、
なんでやねん・・・と呟きシゲが部室の机にべったりとはりついた。




「なんでやねんなー。話はずんどったやんかー」

「はずんでないでしょ。しゃべってたの、あんただけじゃない」




そう言ってから、記憶を辿るように頭を抱え、
数秒して、またペンを走らせ始めた。

その様子を見て、全く相手にされていないことを確認して、
はー・・・・とわざとらしくため息をつき、体を起こして、シゲが言う。




「なんでわかってもらわれへんねや。この壮大な夢を・・・」

「あんたの夢に、どーして私が付き合わなきゃいけないのよ」

「この計画に、小島ちゃんは必要不可欠やねんで」




何ふざけたこと言ってんのよ。


そう言おうとして、初めて顔を上げて。






ふと、手が止まる。













「小島ちゃんがおらんかったら。意味無い」














初めて見た表情。笑顔が消え去った、表情。

あぁ、年上だったんだ。と思い知らされたような気がして、



大きく、鼓動を打った。









「な・・・にばかなこと言ってるのよ・・・・」




なとなく目のやり場に困って、まっすぐ目を見れなくて。
小さくとも、声を絞り出して言って、意味無く、また日誌に視線を落とした。






「せやからな、小島ちゃん」

「・・・何よ」





吐き捨てるように言った有希に、ふ、と笑って、シゲが一言。













「一緒に実現させへん?」


「フリダシに戻ってるじゃないのよ!!!」







いつもの表情に戻って、言葉の通りフリダシに戻ったシゲに、
有希が声を荒げて、立ち上がる。




「もう!邪魔するんなら、どっか行っててよね!」

「うわっ、た、タンマタンマ!待ってや小島ちゃん〜っ」

「うるさい!!」






ばったん。



台風一過。

邪魔者を(無理矢理)追い出し、しんと静まった部室で、ふーーー・・と息をつく。












「――・・・どこまで、冗談なのよ」









焦るじゃない。いきなり、そんな顔されたら。





そう小さく呟いて、ドアに頭をつけたまま、
ずるずるとしゃがみこんだ。



FIN.


いつもとは違う感じでしょー。書いた本人が驚きですー(おい)
だって・・・だってだよ?

有希嬢がなんか知らんが弱いよ!(おい)
シゲが押し強いよ。すっげー。有希嬢主義が・・・・(笑)

いつもと違うこんなのも、いかがでしょーか?
・・・タイトルは全然関連性無いよなァ・・・・(撲殺)

関係ないけど、ドアの向こうで、シゲがドアに寄りかかって照れてたりしてんのかなー。
なんて思ったり思わなかったり(はっきりしろ)



モドル