*うちの坊さんはネルといいます(あんま関係ないけど)













人生とは、何事をも為さぬには余りに長くて。
そして、何事かを為すには余りに短い



















[[[ たまゆら ]]]
















「何それ」




ほんの独り言程度の小さな声で呟やかれた、
改めて読み直したその一文に、
すぐそばにいた彼―ルックだけが気づいて、
そう、本を覗き込みながら言った。




「ああ、これね」




ルックの興味深げな(というより、何だそれは、というような疑問の)表情に気付いて、ロッテが、手にしていた本の読んでいたページをしおりに挟んで、彼に本のタイトルを見えるようにと、軽く閉じた。
タイトルにはさしたる興味がなかったのか、軽くそれを眺めてから、
ふーん、とどうでもよさそうにルックが呟いた。




「ヒマならどうぞ、って。この前ユーゴさんが貸してくれたの」

「君でも本なんか読むんだね」

「――どういう意味、それ」




そのままの意味。
怒るロッテに、そうしれっと返して、ルックが黙る。
まともに相手をするだけ無駄なのだ、と。半ば諦めたように。
怒りのまだ収まらぬ腹のうちを何とか押さえ――切れなかったのか、
しらじらしくため息をついて、またロッテが、本を開く。




「――あと少しで読み終わるんだから、邪魔しないでよね」

「邪魔してほしくないんなら、人の質問には答えたら」




そう言って、ロッテの手にする本を前に引いて彼女の手から離した。
一瞬のうちに手のうちから消えた本に、
ロッテがきっと鋭い視線をルックに投げかける。
しかし、そんなことで怯む相手ではないことも、
素直に答えたほうが利口なことも知っているので、
はあ、と諦めたようにため息をついて、
その場に―壁にもたれて座り込んで、言った。





「『何事をも為さぬには余りに長くて、何事かを為すには余りに短い』
・・ってところ?」

「そう」

「主人公――っていうか、まあそんな感じの人のセリフだけど」

「主人公?」

「うん。虎になっちゃった男の人の話」

「虎・・・?」




突拍子も無い言葉に、怪訝な表情を示したルックに、
ロッテが、彼女に出来るだけのあらすじ説明を始めた。

主人公とも言える、その男の話。
虎へと変異を遂げたその過程。
そして、今読んでいた場面を。




「虎になったおかげで、今まで出来たことが1つも出来なくなって。
それで、始めて今までの事を振りかえって、気づいた事なんだって」

「・・・ふーん・・・・・・」




説明が不充分だったのか、
はたまた言葉足らずで真意が伝わらなかったのか。
どちらにしても、大した反応が返せる程度の話ではなかったため、
また、気の無い返事をして、ルックが黙り込んだ。














「でもこれってさ。
人生、っていうのに限りがあるから言えることだよね」




しばらくして、全てを読み終わったのか、ぱたん、と静かに本を閉じながら、
ロッテが、そんなことを言い出した。




「どういう意味だよ」

「そのまんま」




さっきのし返しだと言う風に即答したロッテが、
少し眉間に皺を寄せたルックの表情を見て、少し笑って。
ひざに抱え込んだ本を床に下ろして、
ひざにひじを置いた体勢で頬杖をついて、続けて言った。




「ネルとか・・・ルックとかは、真の紋章持ってるから、死なないじゃない」




確かめるようにルックの目を見てそう言って、
ルックが軽く頷いたのを見て、また続ける。




「例えば10年経って、私がおばさんになっても、ルックはそのまんま」




私が、と言いながら自分を指差して、次にルックを指差してそう言って。
また、続く。




「50年経って私が死んでも、やっぱりルックは変わらない」




ね。と途中で相槌を求めて、
ルックの方へ向けていた体を真っ直ぐに直して、そして少し俯いて、言う。




「何もしない、とか出来るわけないから。
多分、10年も50年も―――すぐに過ぎると思うんだ。
私の人生は――そこで終わっちゃうけど、
ネルとかルックはまだまだ続くでしょ?」




よっぽどのことが無い限りはね。
ロッテの問いかけと呼べるかどうか微妙な言葉に、そう、ルックが返す。
それに対して、あんた達なら絶対大丈夫。と笑いながらロッテも言った。



























「―――どっちがいいのかな」






しばらく笑顔でいたロッテが、ふと上を向いて思い出したように呟いた。






「残す側と、残される側」





聞流すには重すぎる言葉に、一瞬、ルックが言葉を詰まらせて、
下手に言葉を口にするのはやめたのか黙り込んで、
何も聞かなかったように振舞って、置かれていた本を手に取った。































「おかえり、ミナ」




しばらくの間、読みもしない本に目を通していたルックの耳に、
ロッテのそんな言葉が飛び込んで、ふと、現実に引き戻された。

隣に目をやると、
ロッテが自分に擦り寄る猫―ミナを撫でているところだった。
またどこかへ行っていたのか、と頭の片隅でそう思う。

そうこうしていると、ロッテがミナを抱き上げ、
「マリーさんに頼んでお水もらおっか」と言って立ち上がり、
そして最後にルックに向かって、
「読むなら後でユーゴさんに返しといてよ」と告げて、
彼女は、エレベーターへと消えていった。






























何事をも為さぬには余りに長くて


何事かを為すには、余りに短い


















開かれたページの片隅に見えたそんな言葉に、
無表情のままに、ルックがそれを見下ろして。
そして、そのページにかかる栞代わりの細い紐をわざわざ退けて、閉じた。




























例えば10年経って、50年経って・・・・・。






FIN.

 






ごめんなさい。ごめんなさい。
何がってわけじゃないけどえらいごめんなさい(死)
まとまりもなければヤマもオチもわからない。
でもとりあえず、夢を活字におこしたものよかナンボかマシなので。
とりあえずこれを小説を呼ぶ事にして、ゴミ箱に放り込んでみました(死)

初ルクロテ(のまともな)小説(は?)
てゆーか、私は少年少女になんつー暗い話させてんのさ(死)
(つか、この2人の小説のネタを考えると、どーしても暗くなる。
得意であるはずのほのぼのも浮かばない。何でだろう?)
でもね、私自身これが辛くて辛くてたまらんのです;
どこの誰のものでもいい!
ロッテ!どっかから真の紋章奪って来い!(死)

ところで、今更なんですが、ルックは真の風の紋章使いっすよね?
不老だよね?死なんよね?
そこが違えば、この作品大変なまでに困ったもんになるんだけど(謎)

最後になりましたが。
ルックもロッテも口調が違う、という苦情は受け付けません。
私には無理だ。あの数少ないセリフで、彼女らのセリフをマスターするなんて・・・!



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