「みーちゃんはさ。私の目の前で、いなくなったりしないよね?」








そう尋ねると、貴方は驚いたような顔をして、次に、少し暗い影を落とした。
そして、答えは返らなかった。




私が欲しいのは。Yes.という簡単な言葉で。多分それは貴方も知っている。

でも、その言葉を返すための根拠がないことを、貴方も、もちろん私も知っている。




目の前で、大切なモノを亡くした、同じ苦しみがあるから、
貴方は、Yesとも、Noとも答えられなかったんだ。


気休めのYes.残酷なNo.

どちらを選ぶことも、出来ずに。








「私は今、幸せだから」








ハンパに途切れた言葉に、貴方が首を傾げたのを見て。
にこりと一瞬だけ笑って。一瞬過ぎてから止めて。
そして、続きを口にする。








「だから、多分。失うのが、必要以上に怖いんだ」








言い終えて、意味もなく空を見上げて。
深く息を吸って、そっと目を閉じた。


辛い辛い『もしも』は、考えるだけで苦しくて。
『もしも』何かを失ったら。誰かを失ったらという恐怖は底知れぬ。
生きていれば、いつかは終わりがくるということも。
その終わりが、いつになるのかわからぬということも。
全て全て、承知のことなのに。



それでも、どうして人は。こうも恐れてしまうのだろう。








「もう・・・・嫌だから」








2度と会えないそのことに、涙を流す事も。
そのことに、深く、深く、悲しむ事も。









「だから」








だから。
そう、また区切って。そして、続ける。









「しばらくでいいから。もう少し、強くなるまででいいから」










しばらくでいいから。

もう少しでいいから。

ずっとだなんて、言わないから。










「いなくなったり、しないで」












2度目を受けとめられるほど、私はまだ、強くないから。













fin?


いろんな意味でごめんなさい。
てゆーか風子にごめんなさい。君はこんなに弱くないよね。
弱いのは私ですな。時々思い出したように辛くなる。

よくよく考えて見れば、目の前で大切な人を亡くしたのって、
水鏡と風子。だけのような気がするのですよ。
もちろん紅麗とか、他にもいるけどね?
火影の中でってことで。
陽炎さんも桜火亡くしてるけどさ。目の前じゃないはずだし。
本当の意味で分かり合えるのは、やっぱこいつらだけじゃないかな、と。

目の前からいなくなられても、相手の無事を信じる事は出来るし。
目の前じゃなく、どこかでいなくなってしまったのなら、
少しは現実逃避して、信じない事も出来たかもしんないし(私は一瞬でも逃げた)

でも、目の前ってのは、逃げらんないし。信じるしかないし。

しかもこの人達の場合、病院のベッドで静かに息を引き取る場面での「目の前」のほかに、
それこそ、切られて倒れて腕の中で〜っつーシチュエーションも、十分考えられたわけで。
それはやっぱり辛いだろ。うん。

生きるか、死ぬか。

あの人達は、こんな辛い世界に、例え一時でも生きていたのですな。
怖いね。うん、怖い。


モドル


(意味不明のうちに逃亡)