ある麗らかな日の午後。

平穏無事に平和な1日が送れるものだとばかり思っていた人間達は、
変わり果てた部長の姿を見て確信した。






悪夢はまだ、終わっていない。と。

















[[[ 
ロボット改良政策 ]]]


















「水野くん・・・・」



朝日の降り注ぐ桜上水中学校運動場にて。
風祭は変わり果てた水野の姿を見ながら、涙ながらに呟いた。



先日の恐怖が彼方に葬り去られようとしていた今日この頃。
きっと・・・きっと、あの人達は改心してくれる・・・!!
そう信じて学校生活を送っていたのに、悪夢はまだ、続いていたらしい。








だから・・・、だから言ったんだよ!!
そんな、あからさまに妖しい紫のお茶なんて飲むの止めておいた方がいい、って!!



昨日、水野が彼から受け取った、紙コップに入った一杯のお茶。
それはなんというか・・。

あからさまにだった。

今思えば、奪い取ってでも飲ませるべきではなかったのだ。
隅で密かに笑う、彼女に気付いたあのときに・・・。






















「何ヤッテンダヨ、オマエラ。サッサトらんにんぐシロヨ」









そんな部員達の悲しみも余所に、本日の被害者水野氏モデル式ロボット。
ミズノン3号が、機械音少なに振りかえり、部員達にそう言った。





先日のロボシゲ試作品の発覚で開き直ったのか、
今回のミズノン3号には、しっかり外装にそう名前が刻んであった。
顔は水野そのもので、表情の変化もしっかりある。
何が違うのかというと・・・・・そう、胴体部分が長方形なのだ!
首から下が、見るからにロボット。という形を為していて、そこまで手が回らなかったであろうことを示していた。


もしそれがなければ・・・・。
部員達は少しオリジナルと口調の異なるだけのミズノン3号を、水野と見紛えていたかもしれない。
(ある意味)恐ろしい事である。











「らんにんぐ終ワッタラ、すとれっちナ」




いつものようにテキパキと仕事をこなし、ミズノン3号は完璧に水野の変わりを務めていた。
そんなミズノン3号を見つつ、ランニングを終えた風祭は、
ストレッチをしながらある恐ろしい考えに行きついた。











ずっと気になっていた。彼と彼女の、行動の意味。
そして行きついた考えは。




オリジナルとロボットの交換。




シゲはともかく水野の場合、自分達の思い通りに動くロボットを日常に送り込めば、
実質、サッカー部は彼らの思い通りになる。
ということはつまり、女子部への部費の横流しも可能になるというもの。
いや、それ以上に。彼等に逆らう事がまずできなくなり、
サッカーすらも、いつか自由に出来なくなるのではないだろうか。


有希が首謀者である限り、それはないだろうとも思えたが、
万が一、というのは目をそらさずに考えておいた方がいいだろう。多分。


と、なると。





















「そんな・・・サッカー部の危機だよ・・・・!!」









どうしようどうしようどうしよう。
ストレッチの動きを止めて、風祭が青ざめる。
遠くの方で、ミズノン3号がそれに注意をかける言葉が聞こえたが、とりあえず無視。
今は、それどころじゃない。
そう思い、ストレッチも半ばに、風祭は立ち上がり、そして向かった。
首謀者達の所へ。
























「不破くん!小島さん!!」




部室で2人、何やら怪しげなノートを広げて話し込んでいた彼らに向かい、風祭が叫ぶ。
その声に反応し、不破と小島がくるりと振りかえり、
余裕な・・・ある種、恐怖を覚える笑みを浮かべた。




「何?どうしたのよ、風祭」




ここで怯んじゃ、負けだ。
彼女の笑顔を見て、そう、心で唱えて、彼は続ける。











「小島さん・・不破くん・・・。
僕は・・・僕は、ちゃんとしたサッカーがしたいんだ!!」



「それは私も同じよ、風祭」



「わかってる。でも、でも・・・・・っっ!!」



「風祭。水野も佐藤も。ああしたのには理由がある」



「そうよ、風祭。シゲには少し真面目さが足りなくて、水野には積極性がない。
だから・・・だから、理想的な人格にするために、少し改良を加えただけなのよ」



「わかってるんだ!でも、シゲさんも水野くんも。
あんなロボットじゃ、今まで以上のプレーなんて出来ないよ!
それじゃあ・・僕だって上手くなれないんだよ!?」



「じゃあ・・じゃあ、私達はどうすればいいの!」



「うん、だからっ!」






















「・・・・こんな所に、松下コーチのデータと松下コーチに今から出すお茶があるんだけど」





















・ ・ ・
















「風祭っ!協力してくれるのね!」



「もちろんだよ小島さん!一緒に桜上水を強くしていこう!」



「ありがとう、ありがとう風祭!!・・・さ、不破。さっそく・・」



「うむ。では先日水野に使った手で行こう」



「教えてくれる人が完璧なら、教わる方は今のままでいいんだよね!」



「そうよ風祭!どうして気付かなかったのかしら!」





風祭の言葉に、有希が大げさなリアクションで答え、不破は黙々と作業を続ける。
桜上水最強最恐最悪のトリオが結成された瞬間だった。


ちょうどその頃グラウンドでは。
帰りの遅い、突然飛び出した風祭に、嫌な予感をめぐらしている部員達と
きびきびと練習をこなすミズノン3号の姿が見うけられたそうな。























翌日。

からりと晴れた空の下。やっぱり水野は昨日の記憶もないままに元気に登校していた。








「風祭・・・・俺・・・・昨日の記憶がないのは・・・もしかして・・・・・」


「何言ってるの、水野くん。昨日はちゃんと練習してたよ。ねぇ、不破くん!」


「その通りだ。頭でもぶつけたのか、水野」


「練習してた・・・・?いや、違う。絶対俺は・・・・!!」


「なーにバカなこと言ってるのよ水野。ほら、始業のチャイム鳴るわよ!」







いつも通りの朝。
授業は当然のように進み、すぐに放課後はやってくる。
平穏を取り戻したサッカー部は、きっとこれからも発展を続けて行くのだろう。

松下コーチ型ロボットC式によって。






部活開始直後、水野がとてつもなく何か言いたげな表情をしていたり、
高井や森長が何かを諦めたような表情をしていたり、
シゲが次の身の振り方を考えたりしていたらしかったが。





とりあえず、空は青かった。







FIN.


あ、痛(死)
すっげー進み具合が早いです。そして黒祭になってしまいました(爆死)
あーうー・・・でも、まぁ。
いっか。楽しけりゃ(死んでこい)

とりあえず、桜上水サッカー部の平穏は,コーチの犠牲により護られました。
えー・・はい。これからの発展をお祈りします。
ちなみに苦情は受け付けません。
てゆーか消しても言いですか?(死)



モドル