どれくらい時間が経っただろう。
起こされることがなかったということは、さっきのあの飼い主がここに来ることはなかったんだろう。
だとすればもう少し寝ていても問題はないのだろうけれど、この硬いベンチではいい加減首が痛い。
そんなこんなで目を覚ましたルックが、うっすらとまぶたを開けた。
とたん飛び込んだ太陽の光。
高さから見ても、まだまだ早い時間のようだ。
人通りも多く、はしゃぐ声も間近に聞こえて人の気配も・・・・
・・・・・・・・
・・・・・間近?
嫌な予感。
どれだけ覚えただろうその第六感の告げるまま、恐る恐る声のするほうへ目をやる。
赤毛が、2人に増えていた。
「あ、おはよルック。もう起きたの?」
「ああ。おはようございます。起こしちゃいましたか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰?」
ふと見れば同じベンチで隣に座っていたはずのロッテは噴水の塀に腰掛けているし。
しかもその隣には見覚えの無い人間が座っている。
さっきの猫はちゃっかりさっきまでロッテが座っていたスペースですやすや眠ってるし・・・・。
起きたばかりの寝ぼけた思考は、完全にショートした。
「さすがルックだよね、予想大当たりだったよ!」
「・・・・・・・何が」
「ほら、さっき保護者がいるかもって言ってたでしょ?」
「ああ・・・・・・・で、それがその保護者ってわけ?」
「うん、そう。アティさん!」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・もしかしてルック、まだ寝てる?」
「・・・・・・・・・なんでその保護者とやらがここにいるんだよ」
だんだんと覚醒し始めた頭で、現実を徐々に理解する。
さっきのウィルとか言う子供はここにまだたどり着けていなくて。
それなのに、アティとかいう保護者はここでロッテと戯れている。
つまりそういうことなんだろう。
・・・・いいのか、子供ほっといて。
「普通・・・・探しにいくとかするもんじゃないの?」
「最初はそうしようかと思ったんだけどね」
「その口調から察するに、寝てる僕を置いて二人で行く気満々だっただろ」
「違うよ、テコもいるから3人」
「そういう話をしてるんじゃない」
「でも、さっきみたいにまたすれ違ったらやだなって思って、やめたの」
ね、アティさん。と、ロッテが振り返ってアティに笑みを送る。
つられるようにアティが笑って、さらにそれにつられてロッテが笑う。
ついでにいつの間にか起きていたらしいテコもご機嫌だ。
もしかしなくても僕は、この天然組を今から相手しなくちゃいけないのか・・・・?
早く来い飼い主。
それは、ルックの心の底からの願いだった。
「そもそもなんではぐれちゃったりしたんですか?」
「ああ、それはテコが・・・・・」
「テコが?」
「広い街に感激しちゃったらしくて、私たちを置いて飛び出して行っちゃったんですよね」
あはははは、と乾いた笑いをアティが浮かべる。
表情から察するに、もしや日常茶飯事なのだろうか。そんな風に思った。
「ウィルと2人、分かれて探し始めたのは良かったんでけど、初めて来た街は全然道がわからなくて・・・。
結局、私も道に迷ってしまいました」
「それで、気がついたらここに辿り着いてたんだ?」
「ずいぶん都合のいい話だね」
「はい、本当に助かりました。偶然ってすごいですね」
「本当だよね。道に迷って着いたところに探してたテコがいたんだもん。すごい偶然!」
「・・・・まともな会話を望んだ僕がバカだったよ・・・・」
微妙に噛み合わない会話に、脱力してうなだれる。
テコに、ぽんぽん、と慰めるように肩を叩かれた。
本当に人間みたいなことするんだな・・・・。
「そういえば、アティさんはウィルって子の保護者なんだよね?」
「そうですよ」
「親子なの?それとも兄弟かな・・・・」
「ふふ・・・どちらも外れです」
「えー?じゃあ・・・・・従兄弟とかかな?」
「それも違いますよ」
「えー・・・・・?」
「そろそろ答え合わせをしましょうか。私はウィルの・・・・・・」
「〜〜〜〜先生っ!!」
答えは、アティとは別の人間により合わせられた。
FIN.
・・・・・・・・・・・・・・・・
ついにアティ先生登場です。
脈略も何もあったものじゃありませんが(自覚はある)
くどいようですが、そんばかはギャグ一直線ですからね。
だからあまり細かい描写とか文章構成とか期待したら負けですからね(どうよ)
そろそろ主要4人が集まりそうな予感。
ぶっちゃけ集まった後のこと全然考えてないんですが、まあ・・・・なんとかなる、よね?
(2004.5.5)
ぶらうざばっく