どこにいるの?






ロッテ達が消えてしばらく経った噴水前。
いっこうに帰る気配の無い2人・・・もとい1人と1匹の姿を人混みに探しながら、
ルックはのんびりとベンチに座ってまったりしていた。
人の多い噴水を中心としたこの公園一帯だったが、さして騒がしいわけでもなく、
噴水を流れる水音が見事なまでに心地よい。


そんな昼下がりを満喫していたルックが、なんとなく人ごみの中にロッテらの姿を探そうと視線を上げたとき。
ふと、さっきから周りの人間にいろいろと聞きまわっているらしい、とある少年と視線がかち合った。

でもすぐ逸らした。




「って、ちょっと待ってくださいよ!今確かに目合いましたよね!?」

「・・・・・・うるさいよ。あんた誰なわけ?」



あからさまな無視に腹を立てたのか、
それともベンチに座ってふんぞり返って足を組んでいる体勢が気に入らないのか。
ルックにしてみればいつもの調子で言った言葉に、少年はむっとしたような表情をした。
ベンチに座ったルックより、少し高いくらいの身長。

子供か、と内心毒づいて、組んでいた足を解いた。



「・・・・・ウィル、といいます。友達を探してるんですけど、見かけませんでしたか?」

「そんなのわかるわけないだろ」

「えーと、背丈はこれくらいで」



言いながら、ウィルがベンチの足ほどの高さのところへ手を下げた。
背丈がベンチの足くらいの友達。
・・・・なんだか嫌な予感がした。



「・・・・・・・他に特徴は?装飾品とか」

「装飾品?・・・・眼鏡ならかけてますけど」

「眼鏡・・・・・・・」



必死で記憶を掘り起こす。
ああ、そういえば。確かにかけていたような気が・・・・。



「あ、先に言っておきますけど、人間じゃないですから」



慌てて付け加えた少年の言葉に、やっぱり、と心の中で思った。



「オレンジ色の猫?」

「え?」

「尻尾が2本の」

「知ってるんですか!?」

「・・・・・ミャーミャー鳴く」

「やっぱり!テコ!!」

「・・・・・・・・テコ?」

「あの子の名前です!どこに行ったんですか!?」

「あっちだけど・・・・・。
下手に動くよりここで待って帰ってくるのを待ったほうが懸命だと思」

「ありがとうございました!失礼します!!」



言うや早いや。
ルックの言葉を最後まで聞くことなく、少年は風の如く走り去っていった。



「・・・・・・人の話くらい最後まで聞きなよ」



悔しさ半分怒り半分のルックの言葉が、むなしく響いていた。






















「えー、じゃあこの子のお友達、さっきここに来てたの!?」



数分後。
人混みの中を探せど一向に『友達』が見つからなかったため、
噴水まで戻ってきたロッテが、少々疲れ気味にそう言った。



「だから余計なことしないで放っとけばよかったんだよ」

「そ、そんなこと言ったって!まさかここに来るなんて思わないよ・・・・」

「そこが浅はかなんだろ」

「しかもルックに話しかけるなんて・・・・。失礼なこと言って怒らせたりとかしなかった?」

「・・・・・・どういう意味だよ」

「んーまあ冗談は置いといて。・・・・残念だったね、君。せっかくお友達が見つかりそうだったのに」

「ミャー・・・・・・」



力なく返事を返した猫らしきものと二人、ロッテが深々と肩を落とす。
この息の合い様。
どうやら共に人探しをした数分のうちに、またも絆を深めてきたらしい。
本当に彼女の言う人は、猫のことが絡むと本領以上の能力を発揮するというか何というか・・・・。



「ああ、ちなみにこいつ。テコって言うらしいけど」

「てこ?」

「名前」

「ミャー!」

「あ、返事した。・・・・そっか、テコって名前だったんだね」

「ミャーミャミャー!」

「飼い主のほうはウィルとか言ってたけど・・・・。
しばらくすればまたここに戻ってくるんじゃないの」

「違うよルック。飼い主じゃなくてお友達」

「同じだろ」

「違うってば!」

「・・・・・・・ちなみにそいつ子供みたいだったから、他にも保護者とかいるかもね」

「そっか・・・・。早く見つけてくれるといいね・・・・・」



膝に乗せた猫らしきもの、もといテコに向かってロッテが声をかける。
すると、上を向いてテコがミャーと答える。
ロッテの顔が、かつてないほどまでに緩んでいくのが、手に取るようにわかった。
これだから猫好きという奴は・・・・!



「それにしてもこの子、ネルに見せてあげたいなー・・・・・。ネルも確か猫好きだったよね?」

「知らないね」

「お友達がいるから一緒に帰れないのはわかってるけど・・・・」

「だったらさっさと」

「・・・・・・・・一緒に帰りたいなー・・・・・・・」

「・・・・・・いつも思ってたけど、猫が絡むと本当見境なくなるよね、君」

「あーん、離れるなんて寂しいよー!」

「勝手に言ってれば・・・・」





いい加減付き合いきれない、とばかりに、ルックが腕を組んで寝る体勢に入った。
ベンチは硬くて寝づらいことこの上ないが、隣の猫好きは動く気配が無いので文句も言ってられない。


早く見つけてとっとと連れて帰れよ。
走り去った少年の後姿を思い浮かべながら、ルックは浅い眠りへと落ちていった。




FIN.
・・・・・・・・・・・・・・・・・
まるで続くような終わり方ですが、続きますよ(どないやねん)
ルックとウィルの出会い。第一印象は最悪でした。
いや、だってルックとか子供の相手するの嫌いそうじゃん。
そのうち苦労人同士ということで意気投合とかすると思いますが(笑)
念のため言っておきますが、『そんばか』はギャグ路線一直線で爆走しますよ。
皆さんがんばって並走してくださいねv

ちなみにこれ、すでに発案者公認になってるからこれからバンバン調子乗って書きますよ(笑)
本当に暖かいお言葉ありがとうです、ころもさん!
そちらのロテコも密かに期待してますから!
ウィルとかルックとかがオプションとしてくっついてくるの期待してますから!
いつでも自分に正直でほんとごめんなさい。

(2004.5.5)

ぶらうざばっく