だって






それはそれは、素敵な猫だったのです。





「君はどこから来たの?」

「ミャー」

「ドワーフの村かなあ・・。それとももっと違うところ?」

「ミャミャミャー」

「とにかくこの辺で見かけないのは確かだよね」

「ミャーミャ」

「うん、そっか。やっぱり遠くから来たんだね」



とある街のとある広場。
噴水脇に設置してあるベンチに座って、彼女は朗らかな会話に勤しんでいた。
見るもの全てを魅了し、かつ和ませるような暖かな風景。
通り過ぎる人間が時折振り返るようなそんな風景の中、一人釈然としない男が一人。



「・・・・なんで会話が成立してるんだよ」

「え、どうかした、ルック?」

「だから、何で会話が成立してるんだよ。さっきからみゃーみゃー言ってるだけだろ、そいつ」

「えー、別に普通だよ?」

「普通じゃない」

「普通だってば。聞いてたらちゃんとわかるもん」

「普通じゃない」

「・・・・・いーもん。私にはわかるんだから!ね?」

「ミャー!」



そう言って、顔を見合わせて笑いあう二人。
正確には一人と一匹。
えらいことになってしまったと、ルックは頭を抱えた。

ことの始まりは、いつぞや彼女がネルと交わしたあの約束だ。
知らぬ間に交換材料として使われ、ロッテに同伴しての個人行動を許されたのは良いとして。
たまに暇を見つければ、やれカクに行こうやれアンテイに行こうと強請る始末。
どれだけあしらっても堪えないのだから性質が悪い。
今日は今日とて2人でどこぞの街にやってきたのだが・・・。

そのままいつものとおり、2人並んで歩くだけかと思いきや。



「そういえばさっきはごめんね。急に走り寄って、びっくりしたでしょ?」

「ミャミャー・・・」

「あんまり君が可愛かったから、つい夢中になっちゃったの。ごめんね」

「ミャーミャミャー」

「許してくれるの?ありがとう!」

「ミャミャ!」



そんな感じで、この猫らしきものを街中でうっかり見つけてしまったロッテの暴走により、
平和な散歩は突如として不思議な談笑へと変貌を遂げた。



「ねえ、君はここまで一人で来たの?それとも誰かと一緒なのかな?」

「ミャミャミャ?」

「遠くから来たって言うから、一人でどうやって来たのか気になったの。一人で来たの?」

「ミャーミャ」

「そっか。やっぱり誰かと一緒だったんだね。お友達?」

「ミャー」

「そうなんだ。・・・・あれ?じゃあ、お友達はどうしたの?」

「ミャー・・・・・」

「あ、もしかしてはぐれちゃった?」

「ミャミャ・・・」

「大変!だったら探さないと!ルック!」

「僕はここに残るからね」

「そんなあ・・・・」

「そんなに広い街じゃないし、君一人でも大丈夫だろ」

「2人だったらもっと早く見つかると思わない?」

「思わない」

「いじわるー・・・」

「何とでも言えば」

「・・・・いいよ、じゃあ。私とこの子だけで行ってくるから」

「せいぜいがんばって探してきなよ」

「言われなくてもそうするよーだ!」



べー、と舌を出して講義するようにロッテが言った。
あまりに子供な彼女の仕草に呆れつつ、ひらひらと手を振る。
くるりとルックに背を向け、おそらく猫だと推測されるものと話しながら探索を開始しようとするロッテに、
ルックが、ふと思いついた疑問を投げかけた。



「聞くけど」

「え?」

「何でそんなに親身になって世話してやってるわけ?」



こんな小さな町なのだから。
放っておいてもすぐその友達とやらは見つかるだろうに。
しかも、相手がどんな人間なのかわからない以上、着いていても余計困難なだけかもしれないのに。

そんな意味を込めてのルックの言葉は、きょとんと一瞬間抜けな顔をしたロッテの一言により一蹴された。



「だって、猫だもん」



妙に、納得した。




FIN.
ーーーーーーー
だって猫なんだもん。
場所がどこなのかというのはすでに真面目に考える気ないです(死
だってどうすりゃいいのかわからんもん。責任放棄。

ロテコと略すらしいですよ。ロテコ(笑)
たぶんこれも続いていくと思うんですが(ぇ)
このままいくとウィルもアティも出てきそうだな、と。
所詮書き手がstmimiですからね。根本は変わらんですよ。
ルクロテでウィルアな方向に進んで行くんだろうなあ・・・。
でもロテコですよ。ロテコ。ロテコ(もういい)

発案者様に無許可のくせに、着実に頭の中で妄想が広がっていきます。
なんて嫌な頭・・・!(今更)

(2004.5.3)

ぶらうざばっく