差し出された贈り物ととびきりの笑顔。

それだけで、最高の記念日。










「どうですか?アスラン」



その場で開けろと催促するラクスに促されるまま、手渡されたばかりの包みに手を掛ける。
まだ開け終えぬ間から待ちきれぬとばかりに感想を問うラクスはとても楽しそうで、
どちらが主役だかわからないと、ふと思って苦笑した。


手渡された贈り物。
包装はほんの少し不恰好で、あからさまに素人がやったそれとわかるもの。
忙しい時間の合間を縫って、自分のためにと用意してくれたもの。

そう思うだけで、胸が一杯になって苦しかった。
心地よい、息苦しさ。


結ばれたリボン一つ解くのももったいないような気がしたけれど、
傍らでこの包みを開く事を待ち望んでいるかのように目を輝かせているラクスの手前そうもいかず。
鈍い手つきで一つ一つ解いていく。


リボンを解いて、包みを開いて、出てきたそれは。



「マフラー・・・・・ですか?」

「これから寒くなりますでしょう?風邪を引かないようにと思って」



そう言って、にこりと微笑んだラクスの笑顔が優しかった。

手に暖かな、ほんの少し長めのマフラー。
柔らかな感触が、手に馴染んで心地よい。
太目の毛糸で編まれたそれは、巷で売っているようなそれよりもこころなし網目が大きくて・・・。



「もしかして、手編み・・・・だったりします?」

「はい!わかりますか?」

「まあ・・・なんとなく、そうじゃないかな、と思いまして」

「アスランに差し上げようと思って、随分前から編み始めたんですよ。
本当は、一緒に手袋もプレゼントしたかったんですけど・・・・・」



そこで語尾を濁し、頬に手を当ててラクスがほうとため息を吐く。
視線が虚ろげにさ迷い、心底残念そうに眉をひそめて、一言。



「難しくて、指の部分が上手く編めなかったんです・・・・」



しょぼんと肩を落とすラクスの表情は、耳を垂れる子犬のようで、
不謹慎ながらもその愛らしさにアスランがくすりと小さく笑みを溢した。
そして貰ったばかりのマフラーを首に巻き始める。



「・・・・とても暖かいです、このマフラー。これがあれば、手袋がなくても十分ですよ」

「でも、残念ですわ。もう少し時間があれば出来たかもしれませんのに・・・」

「仕方ありませんよ、貴女は忙しいんですから。
そんな中わざわざ俺のためにこんな・・・・・本当に、すみません」



そう言って目を伏せるアスランの行動に、肩を落としていたラクスが顔を上げ、
あら、と一言声を上げてひとつ笑い声を上げた。



「違いますわ、アスラン。私が今聞きたい言葉はもっと他のものですよ?」



言いながら、答えを促すようにまた微笑む。
最初、言葉の意味が掴みかねるように眉をひそめていたアスランも、
何かに気付いたように苦笑して、そうですね、と一呼吸おいてもう1度口を開いた。



「ありがとうございます、ラクス。大切にします」



その言葉を聞いたラクスの顔が嬉しそうに綻んで、それを見たアスランもつられるように笑んだ。






「18歳のアスランには、今度こそ手袋をプレゼントいたしますわ」

「もう来年の話ですか?」

「19歳のアスランにはセーターを」

「へ?」

「20歳のアスランには・・・・そうですわね、帽子なんていかがですか?」

「あの・・・・ラクス?」



次々と決まっていく誕生日の贈り物に、困惑したようにアスランが声を上げる。
それを楽しそうに笑って、ラクスが言った。



「18歳のアスランにも、19歳のアスランにも、
こうして同じように誕生日の贈り物を渡す為のおまじないですわ。
来年こそ手袋を編み終えられるように。
来年も、その次も。ちゃんと受けとってくださるように」



受け取ってくださいね。
そう言って笑うラクスの笑顔を見ながら、アスランが照れたように苦笑した。









来年も、その次も、いつまでも。

貴方の傍らで、貴方の生まれた日を祝うのが、私であるように。





FIN.
――――――――

約一月ぶりの小説は、勝手が分からなくて四苦八苦しました。しくはく。
アスランの誕生日だから、書け。悲恋は書くな。とのヒノエからの御用達。
私、今悲恋が書きたい気分だったんだけど・・・(ここで言うな)
ネタは置いてあるのでいつか書こう。来年あたり(遠っ!)

アスランの誕生日を祝うラクスの図。
似たようなネタをねこ亭の笛あたりでやったような気もしますが、多分私の気のせいではないかと(死)
いまいち甘くも辛くも無い中途半端なものですが、とりあえずアスランハピバス〜。
ラクスから手編みのマフラー貰うなんてこの果報者ー!!(何)
私は編み物なんてしたことなんで全然わからんのですが、手袋編むのって大変なんですか?(おい)

すっかり29日過ぎてますけど、まだ30日の午前なんで許してください。
ほんの3時間前まで知らなかったんです。知らなかったんです・・・!


ブラウザバック推奨



ちなみに。
懲りずに新生ザラ家(何それ)ネタでも1つかいてたりします。
5分で仕上げたと言うふざけた小説未満です。
いえ、決してふざけたわけでなく。時間がないんです。眠いんです。

そんな、イザママとザラパパがくっついてイザアスが義兄弟になっちゃった新生ザラ家版ギャグ。
見たい人だけ
こちらへどうぞ。
苦情一切お断り。イザアスは義兄弟ですがカプじゃないので厳重注意(笑)