「ティアーズ・オブ・ザ・サン」 [ あらすじ ] [ 感想 ]
原題「TEARS OF THE SUN」
2003年アメリカ映画 上映時間 1時間 58分
日本公開 2003年 日本配給 ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
監督 アントワン・フークア 脚本 アレックス・ラスカー、パトリック・シリーロ
製作総指揮 ジョー・ロス  
製作 マイケル・ロベル、アーノルド・リフキン、イアン・ブライス


出演 ブルース・ウィリス → A.K.ウォーターズ大尉
海軍大尉。
任務成功率100%を誇るエリート中のエリート。
  コール・ハウザー → ジェームズ・“レッド”・アトキンス
爆破のスペシャリスト。
  イーモン・ウォーカー → エリス・“ジー”・ペティグルー
通信技術のスペシャリスト。
  ジョニー・メッスナー → ケリー・レイク
兵器のスペシャリスト。
  ニック・チンランド → マイケル・“スロー”・スローエンスキー
偵察任務のスペシャリスト。
  チャールズ・イングラム → デミトリアス・“シルク”・オーウェンズ
アジア・アフリカ言語に精通。
  ポール・フランシス → ダニー・“ドク”・ケリー
外科医顔負けの腕をもつ衛生兵。
  チャド・スミス → ジェイソン・“フリー”・メイブリー
針の穴も通す天才的なスナイパー。
  モニカ・ベルッチ → リーナ・ケンドリックス
奉仕活動のためアフリカ入りした女医。
  マリック・ボーウェン → サディック大佐
ナイジェリアの反乱軍のリーダー。

[ あらすじ ]

過去23年間にわたり米軍の主だった秘密任務を遂行してきた海軍特殊部隊のA.K.ウォーターズ大尉に新たな任務が下った。
「内戦下のナイジェリアからアメリカ国籍の女医リーナ・ケンドリックスを救出せよ」直ちにリーナの救出に向かうウォーターズ大尉と7人の部下たち。
ところが、辺境の教会で内戦の犠牲者の治療にあたるリーナは患者を置いて動く気はないと言う。
ウォーターズは無線で司令官であるロード大佐の指示を仰ぐが、予想通り大佐の答えは「ノー」。
一計を案じたウォーターズは「歩行可能な者だけ」という条件付きでリーナの要求を飲むが、味方ヘリとの合流地点へ到着すると、リーナだけをヘリに押し込める。難民たちを置き去りにして飛び立つヘリ。
騙されたことに激怒するリーナだったが、反乱軍に襲われ無残な姿を晒す教会を眼下に見つけ、嘆きの声を上げる。
その時、ウォーターズが命じる「ヘリを戻せ」と。
それは任務遂行こそが絶対であるはずの彼にとって初めての命令違反だった。
8人の精鋭部隊と1人の女医、そして28人の難民が歩いて国境を目指す。
カメルーンまでおよそ60キロ。
太陽すら涙を流す苛酷なこの地で、ウォーターズたちは任務を遂行することができるのか…。

[ 感 想 ]

(注)[ 感想 ]にはかなりのネタばれが含まれています。
詳細なストーリー(特に結末)を知りたくない方は読まないで下さい。

難しい問題は他の方に任せて(^^;)、私なりの視点で語らせて頂くと、「渋くてカッコ良いブルース・ウィリスが好きだ!」とおっしゃる方には結構楽しめる映画だったのではないかと思います。
もしも今「こんな上司が欲しいベスト10」があったとすれば、ブルース演じるウォーターズ大尉は間違いなくノミネートされることでしょう。
ブルースと7人の部下がガッチリ固まっている様子がスクリーンから伝わってきました。決して「ウォーターズ大尉とその部下たち」という括りではなく、部下一人一人に顔があり、「大尉とジー」「大尉とフリー」という個々の関係があり、その上で一つのチームとしてまとまっている感じでした。
「何の為に仕事をするか?」という問いには色んな答えがあると思いますが、「この上司に褒められたい」、「この上司の役に立ちたい」という思いから一生懸命働くこともあるのではないでしょうか。
「ボス! これを見て下さい」「よし! よくやった」という彼らのやり取りを見て、ふとそんなことを思いました。
過去にこんなことがあって大尉は信頼を勝ち得ました、という描写は特に描かれていないのですが、何と言うか…彼らのウォーターズ大尉を見る目が大尉への絶大な信頼を物語っていました。
しかし、とにかくブルースがカッコ良い! 顔を泥だらけにしてジャングルに潜む姿すらカッコ良くてドキドキしました(笑)。
クールで渋く、任務に忠実で、無駄口なんて一切叩かない生真面目な人物かと思えば、仮眠からハッと目覚めたときに「ここは終点か?」と部下に聞いたりして、意外とジョークの分かることが判明。ポイントが上がりました(^^)。

さて。この任務一筋だったウォーターズ大尉が初めて命令違反を犯すきっかけを作るのがモニカ・ベルッチ演じる女医リーナなわけですが、薄汚れていてもさすがに「運命の女」と思わせる美貌でした。また、今回は母性を感じさせる演技を随所に披露。特にブルースを胸に抱いて戦地を去るラストシーンでは思わず岩崎宏美の「聖母たちのララバイ」が聞こえてくる程でした(笑)。
このモニカ・ベルッチ出演にはブルースの意見が多いに関与したらしいのですが、だからなのでしょうか? リーナが感謝の意を表明するため唐突にウォーターズ大尉に長く長〜く抱き付くシーンがあったのは(笑)。不自然でしたよねぇ?(苦笑)
不自然といえば、最初は大尉に反発していたリーナが徐々に彼に惹かれていくような感じがしたのもちょっと…。但し、大尉とリーナの間の「何とも形容し難い特別な感情」を伝えるブルースの表情はなかなか素敵で、ブルース・ファンとしてはおいしい展開だったと言えなくもないのですが(^^;)。

どう考えてもウォーターズ・チームに明日はないような状況の中、最後は大尉がいつ殺られるかとハラハラしながら見ていて疲れました。ホッとした瞬間に撃たれるような気がして(苦笑)、最後の最後まで気が抜けませんでした。
さすがにチーム全員が助かるとまで都合良くはいきませんでしたが、大尉も含めて4人が助かったのは、これが元々「ダイハード4」のシナリオ候補だったからかもしれません。

正直、純粋な映画ファンには勧め辛い部分もありますが、ブルース・ファンにはオススメの一本です。死なないって素晴らしい(笑)。



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