「マーシャル・ロー」 [ あらすじ ] [ 感想 ]

原題「THE SIEGE」

1998年アメリカ映画 上映時間 1時間 57分
日本公開 2000年 日本配給 20世紀フォックス映画

監督

エドワード・ズウィック

脚本

ローレンス・ライト
メノウ・メイエス
エドワード・ズウィック
 
出演 デンゼル・ワシントン → アンソニー・ハバート
FBI特別捜査官。テロリズム対策本部長。
  アネット・ベニング → エリース・クラフト
CIA局員。
  ブルース・ウィリス → ウィリアム・ダヴロー将軍
  トニー・シャルホウブ → フランク・ハダッド
ハバートの右腕のFBI捜査官。アラブ系アメリカ人。
  サミ・ボージラ → サミール・ナジデ
アラブ系アメリカ人の情報提供者。エリースと関係が。

[ あらすじ ]

ニューヨークのブルックリンでテロリストにバスが爆破され、多数の犠牲者を出した事件を皮切りに、テロリストによる連続爆破事件が発生する。
FBIとNY警察が共同で組織したテロリズム対策本部の本部長であるFBI特別捜査官アンソニー・ハバートは、パートナーである腕利きのFBI捜査官フランクと共に、テロリスト犯の捜査に乗り出す。
犯人は中近東のテロ・グループらしいとあって、アラブ系アメリカ人であるフランクは深く心を痛める。
そんな折、ハバートは事件現場でエリースと名乗るCIA局員と出会う。
テロ犯の目的さえ分からないハバートと違い、一連の爆破事件の裏について情報を掴んでいるエリースに警戒心を抱きつつも、彼女と共同でテロ犯を追うハバート。
しかし、今回の事件の容疑者であるアラブ人・サミールを捕えて取り調べようとするハバートに対し、エリースはサミールを泳がせて情報を集める方が得策だと主張。
彼女にとって、サミールはアラブ系アメリカ人社会の貴重な情報源だったのである。
度々サミールを弁護するような発言を行うエリースにハバートの不信感が募る。
果たしてエリースは敵か? 味方か?
また、度重なるテロに動揺する国民から安全を求める強い声を聞き、大統領はテロ犯壊滅のためにニューヨークに戒厳令を敷き、軍隊を派遣しようとする。
が、上空をヘリコプターが旋回し、街中を戦車が走るものものしい光景は、人々の不安や緊張感を増幅させてしまう。
果たして、このように追いつめられた状況の中、ハバートは問題を解決し、人々の安全を取り戻す事ができるのか…?

[ 感 想 ]

(注)[ 感想 ]にはかなりのネタばれが含まれています。
詳細なストーリー(特に結末)を知りたくない方は読まないで下さい。

ブルース・ウィリスの出演作としては「ストーリー・オブ・ラブ」よりも先に全米公開されたにも関わらず、なかなか日本で公開される気配がなく、ひょっとしてこのまま日本未公開作品となってしまうのか!?と思ってました(^^;)
見られて良かった…。

テロ、多民族国家、軍事・警察…。
重いテーマを扱ったシリアスな社会派映画です。
が、派手な爆破シーンあり、ジョークの応酬あり、謎の人物あり、また登場人物が敵か味方か分からないスリリングな関係やスピーディーな展開とハリウッド映画的な味付けがされたエンタテインメント性溢れる映画です。

でも、重厚な映画なので見終わると結構ぐったりしてしまいました(苦笑)
FBIとかCIAとかNSCとか聞くと血沸き肉踊るという方はかなり楽しめるのでは?
私にはよく分かりませんが、それらの内幕というか関係が忠実に描かれている、とのことですから。

「戒厳令(マーシャル・ロー)」というのは映画のパンフによると、「戦時や事変において、軍隊が特定の地域を守り、その期間、行政や司法の権力を行使すること」だそうです。

その「戒厳令」が発動され、作戦の全権を握ったのが、ブルース・ウィリス演じるウィリアム・ダヴロー将軍です。
出番はそこそこですが、各シーンで強烈な印象を残しています。
ダヴロー将軍は軍隊を街中に派遣することに対して反対でした。
常識人に見えました。
しかし、戒厳令の発動と共に人が変わります。
強大な権力を持った人間というのはああも傲慢になるものなのでしょうか。
最後は「ここでは私が法律だ」発言まで飛び出します。
結局、命懸けで乗り込んできたハバートに負けて去って行くのですが…あの後、ダヴロー将軍はどうなるのでしょう…。

ブルースの演じる役柄はぼそぼそ喋るかわぁわぁ怒鳴るのが多いように思いますが、今回は堂々と演説を行ったりして、彼の役柄としてはちょっと珍しいパターンです。
珍しいといえばあの髪型。あれも珍しい。
珍しいというか…変?(^^;) 変な髪型なのですよー。
もうあれが気になって気になって…。

私のイチオシは最後のシーン。作戦本部に現れたハバートが任務遂行の妨げになると判断したダヴロー将軍が「キャプテン!」と叫ぶと同時に周囲にいた兵士達が一斉にハバートに銃を向けるシーンです。
倫理的な問題はさておき、「キャプテン!」と言ったときのブルースのカッコ良いことといったら格別でした。
やはりブルースはカッコ良い!(^^)

デンゼル・ワシントンやアネット・ベニングがカッコ良かったことは言うに及ばず。
(特にアネット・ベニング!)
ハバートの右腕・フランク役のトニー・シャルホウブが存在感ありました。



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