「プラネット・テラー
 in グラインドハウス」
[ あらすじ ] [ 感想 ]

原題「Grindhouse/Planet Terror」

2007年アメリカ映画 上映時間 1時間 45分
日本公開 2007年 日本配給

 監督

ロバート・ロドリゲス

 製作監督

クエンティン・タランティーノ
ロバート・ロドリゲス他


出演 ローズ・マッゴーワン → チェリー・ダーリン
ゴーゴーダンサー。夢はコメディアンになること
  フレディ・ロドリゲス → エル・レイ
表の顔は解体屋。裏の顔は武器の扱いに長けた戦闘のプロ
  ジョシュ・ブローリン → ウィリアム・ブロック
医師。妻の浮気を疑っている
  マーリー・シェルトン → ダコタ・マックグロウ・ブロック
ウィリアムの妻で医師。息子を連れて夫から逃げようと画策中
  ジェフ・フェイヒー → J.T.ヘイグ
バーベキュー・レストラン「ボーン・シャック」の店主。完璧なソースを研究中
  マイケル・ビーン → ヘイグ保安官
レイを目の敵にしている保安官。J.T.ヘイグの弟
  ナヴィーン・アンドリュース → アビー
科学者で実業家。DC2と深い関わりが…
  ブルース・ウィリス → マルドゥーン中尉
英雄になり損ねた男。部下の命を守るために恐ろしい計画を立てる

[ あらすじ ]

自称「テキサス1上手い」バーベキュー・レストランにやって来たチェリー・ダーリン(またの名をパロミータ)は、元恋人のレイと再会する。人生にちょっぴり疲れていたチェリーは束の間の癒しを求めるようにレイと2人で夜の町へ。

その頃、軍の部隊長マルドゥーンと生化学の科学者アビーは軍事基地で取り引きを行っていた。そのとき、マルドゥーンたちが携帯している小型の酸素ボンベのような物から、残量がゼロになったことを知らせるアラームが鳴る。装着していたマスクを次々に外す兵士たち。その姿は徐々に形を変えていき…。
一方、取り引きの最中にマズいことがバレて殺されそうになったアビーはある装置を破壊。緑色のガス(DC-2)が噴き出す。兵士たちはガスを求めて装置の側へ。彼らにはそのガスが不可欠なのだ。

同じ頃、医師ブロックが勤める病院には「信じられないものに噛まれて怪我をした」と訴える奇妙な男がやって来る。
“信じられないもの”はチェリーの前にも。バーベキュー・レストランにも。気付けば町のいたるところに出現していた。
暗闇の中、目を覆いたくなる惨劇が始まる……。

[ カンタンなあらすじ ]

ゾンビが人間を襲って、襲われた人間もまたゾンビになり、ゾンビだらけの中を戦いながら逃げていく主人公たち。生き残るのは誰だ!?

[ 覚書 ]

「プラネット・テラー in グラインドハウス」は2本立て映画「グラインドハウス」の1編「プラネット・テラー」にアメリカでの2本立て公開時にカットされたシーンを加えて1本の作品としたもの。
ちなみに、2本立てのもう1本は「デス・プルーフ」(監督クエンティン・タランティーノ)という作品。


[ 感 想 ]

(注)[ 感想 ]にはかなりのネタばれが含まれています。
詳細なストーリーを知りたくない方は読まないで下さい。

私がこの映画を見たのはB級映画が好きだからでもなく、ゾンビが好きだからでもなく、 「ブルース・ウィリスが好きだから」という理由なのですが、それなりに楽しめました。
つっこみどころ満載で(^^;)。
ゾンビは気持ち悪いし、殺戮シーンは残酷ですが、かなり作り物めいていて
「ギャー、何ソレ!? そこまでやる!?」
ゾッとしながら笑ってしまう…みたいな感じでした。
そういう意味では「シン・シティ」と同じですね。
「シン・シティ」を見て平気だった方は、この映画を見ても大丈夫だと思います。
麻酔で手首から先の感覚がなくなってしまったダコタが車のドアを開けようとして手首を折ってしまうシーンが1番キツかったかな…。思わず眉を顰めてしまいました(−−;)。
しかし、麻酔が切れた後のダコタは全く痛がる素振りを見せず。あれ?(苦笑)
最後には兄弟の絆とか親子の絆というのもスパイスとして効かせてあります。
気楽にゲラゲラ笑いつつ、最後にちょっと良いもの見たな、みたいな(笑)。
そして、女性は逞しいなぁ…としみじみして終わるという。

映画を見る前はチェリー・ダーリンが主役なのかと思っていましたが、そうでもないようです。
確かに最初と最後は彼女がメインなのですが、ダコタやレイも目立っていました。
レイの殺陣がカッコ良かったです。

途中、いきなり画面が途切れて「あれ?」と思っていると支配人からのメッセージが…。
「MISSING REEL(1巻紛失)」
「Sorry for the Inconvenience(不手際をおわびします)」
これもシャレなんだろうなぁ…こういうことってあるある!みたいな(^^;)
この映画は雰囲気や気分を楽しむ作品らしく、各登場人物については必要最低限の説明に留めてあるのですが、中でもチェリーの元カレ、レイの正体は殆ど謎に包まれています。
レイとヘイグ保安官の間には過去に「何か」があったらしく、保安官はレイに銃を持たせることを必要以上に警戒していたのですが、上記の失われたリールでこれまた『何か』があったらしく、レイにトゲトゲしい態度で接していた保安官が「まさかお前が“エル・レイ”とは…!」みたいな感じですっかり態度を軟化させて協力的になっているという…(笑)。
ねぇねぇ、何があったの!? “エル・レイ”って何者!?
勿論ここは「おいおい!(^^;)」と突っ込みました。
結局最後までエル・レイの正体は明かされず。監督の中でも正体不明なのかも。

シャレといえば、本編の前に架空の作品「マチェーテ(MACHETE)」の予告が入るのですが、音楽やナレーションもバッチリ決まっていて凄くカッコ良かったです。B級っぽいカッコ良さですけど。
いかにも本当にありそうなのだけど、実際あったらマズいだろう(^^;)って感じに仕上がっていて笑えます。

ブルースの出演シーンは3箇所。少ないです(苦笑)。
正直、別にブルースが演じなくても…というような役でした。
とはいえ、マルドゥーン中尉が真面目でクールなのにどこかチャーミングに仕上がっていたのは、ブルースが演じていたからかと(^^)。
ブルース・ファン的には最初の1シーンが特にオススメです。
左手で拳銃を撃つ姿が拝めます。相変わらずカッコ良い…。
そして、去り際にアビーに軽くウインク! そういうキャラではないと思っていただけに、不意打ちくらってドキドキしてしまいました。ス・テ・キ!! 顔はちょっとゾンビだけど(笑)。
「ガス(DC-2)を吸うとゾンビになる」と思っていたのでマルドゥーン中尉たちがガスの中に消えていったときはワケが分からなかったのですが、確かにガスを吸うとゾンビになるのだけど、ずっと吸い続けていれば症状の進行を抑えられると聞いて納得。
でも、最後に大量のガスをばら撒こうとしていてまた疑問。
「感染者を増やして治療法の研究をさせよう」ということだったらしいのですが、そのためにガスを使ったら自分たちが吸い続けるガスがなくなってしまうのでは?
あの基地で新しいガスを生成できるのかな…。どうもよく分かりません。
しかし、そういうことを細々と考えるのはこの映画の正しい楽しみ方ではないのでしょう(笑)。

*「ガス」とは限定地域の人間抹殺用に開発された生化学兵器DC-2(別名プロジェクト・テラー)のこと



ブルース・ウィリス出演映画リストへ



トップページへ