「ノーバディーズ・フール」 [ あらすじ ] [ 感想 ]
原題「Nobody's Fool」
1994年アメリカ映画 上映時間 1時間50分
日本公開 1995年 日本配給 松竹富士=ケイエスエス
監督 ロバート・ベントン 原作 リチャード・ルッソ
脚色 ロバート・ベントン
製作総指揮 マイケル・ハウスマン
        
製作 スコット・ルーディン
    アーレン・ドノヴァン


出演 ポール・ニューマン → ドナルド(サリー)サリヴァン
離婚経験のある建設作業員。仲間思い
  ジェシカ・タンディ → ミス・ベリル
サリーの家主。問題を抱えつつも気丈に振舞う
  ディラン・ウォルシュ → ピーター・サリヴァン
3年間音信不通だったサリーの息子
  プルット・テイラー・ヴィンス → ロブ・スクィヤーズ
サリーの相棒であり、親友。寂しがりや
  ブルース・ウィリス → カール・ローバック
親から譲り受けたチップ・トップ建設の社長
  メラニー・グリフィス → トビー・ローバック
カールの妻。夫の浮気癖に悩んでいる

[ あらすじ ]

いつまでたっても成熟した大人になりきれないサリーは60歳の建設作業員。
中学時代の恩師ミス・ベリルの家に下宿しながら、一癖ある友人たちに囲まれ、うまくいかない人生に不平を洩らしつつ、静かな暮らしを送っていた。
ある日、サリーは息子のピーターとその家族に遭遇する。
昔、幼いピーターを置いて妻と別れたサリーはピーターに負い目があり、ぎこちない空気が流れる。
その後、ひょんなことからピーターの息子、ウィルと交流を深めたサリーは、それをきっかけに少しずつピーターとも打ち解けていく。
自分も子供を持つ年になって、あの頃のサリーの気持ちが少し分かると理解を示すピーター。
一方、町に大型施設を誘致したいミス・ベリルの息子クライブは、下宿を止めるよう母親の説得を試みるが、「一人でも下宿人がいる限り、下宿はやめない」と彼女が言い張るため、下宿人であるサリーを目の敵にしていた。
静かな暮らしがにわかに賑わい、サリーと周囲の人々を巻き込んでいく…。

[ 感 想 ]

(注)[ 感想 ]にはかなりのネタばれが含まれています。
詳細なストーリーを知りたくない方は読まないで下さい。

市井の人々の静かな暮らしを淡々と描いています。
雪に閉ざされた町の中で起こる悲喜こもごもの出来事。
派手さはありませんが、決して退屈な映画ではありません。
主人公のサリーを中心に、彼を取り巻く人々を描いています。

昔、幼い子供と妻を置いて家を出て以来、彼らとうまくいっていなかったサリーですが、どうやら息子とは関係修復できたようです。良かった(^^)。
孫と除雪機のお陰ですね(笑)。
しかし、除雪機泥棒で絆を深める親子って…(^^;)。
息子には「盗られた物を盗り返す」と言って協力させるわけですが、何かおかしいなぁと思いつつフェンスを越える息子…素直ですね(笑)。

サリーとミス・ベリルは、下宿人と大家になる前からの知り合いっぽいけど、どういう関係かよく分からず、もやもやしていたのですが、あらすじに「中学時代の恩師ミス・ベリル」と書いてあるのを読んで納得しました。

さて。ブルースの役どころはサリーの恋敵(笑)であり、悪友でもあるカール。
最初の印象は無慈悲な雇い主→「サリーの天敵!?」
次の印象は昔なじみ→「サリーはカールの体を心配してる!?」
あるいはポーカー仲間→「除雪機を奪い合ってるけど友達!?」
そして、恋敵→「サリーってばカールの奥さんのこと本気!?」
お互い憎まれ口を叩いているけど、結局“仲間”なんだろうなぁ…みたいな感じの役でした。
気になるといえば、映画の冒頭、主だった役者さんの名前がクレジットされますが、
(ポール・ニューマン、ジェシカ・タンディ等)その中にブルースの名前はありません。
なので、ほんのちょい役かと思いきや、その割には出番があった気がします。
しかも、アクション・シーンまで!(驚)
静かな映画だというのに何故か窓ガラスを突き破って飛び出してきます。
サリーが頭の中で「カールを放り出したい!」と想像するシーンなのですが、そこだけ「ダイ・ハード」で笑ってしまいました(^^;)。
そして、何故かセミ・ヌードも披露してます。ポーカーに負けてすってんてん。
身包みはがれてしまったようです(苦笑)。
1.この前はカールにツキがあったけど、今日はサリーにツキがある。
2.カールと新しい秘書はデキている。
ということを表現するためだろうか?とも思いますが、だとしても脱ぐ必要はなかった気が。サービスショット?(笑)

サリーを見ていると、自由を求め、孤独を愛するような生き方を選んでいるつもりでも、結局、人は誰かと繋がっているからこそ生きていられるのだと思わされます。
小さな孫のいるサリーに共感できる年齢になってから見ると、しみじみと自分の過去、現在、未来の人間関係を思って感慨深くなるような映画です。



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