「ダイ・ハード4.0」 [ あらすじ ] [ 感想 ]
原題「LIVE FREE or DIE HARD」
2007年アメリカ映画 上映時間
日本公開 2007年 日本配給 20世紀フォックス映画
監督 レン・ワイズマン 脚本 マーク・ボンバック
製作総指揮 アーノルド・リフキン
        ウィリアム・ウィッシャー
製作 マイケル・フォトレル


出演 ブルース・ウィリス → ジョン・マクレーン
ニューヨーク市警統合テロ対策班所属。警部補。
  ジャスティン・ロング → マット・ファレル
ガブリエルに命を狙われるハッカー。
  クリフ・カーティス → ボウマン
FBI本部サイバー犯罪部部長。
  ティモシー・オリファント → ガブリエル
サイバー・テロを企てる天才プログラマー。
  マギー・Q → マイ
ガブリエルの部下であり恋人。腕に覚えあり。
  メアリー・E・ウィンステッド → ルーシー・マクレーン
ジョン・マクレーンの娘。大学生。
  ケヴィン・スミス → ワーロック
ハッカー界のジェダイ・マスター。

[ あらすじ ]

世界で最もツイてない男。ジョン・マクレーン。
別居していた妻のホリーとも遂に離婚。娘との関係も崩壊寸前。
その夜、娘を心配してニュージャージー州の大学を訪れていたマクレーン刑事は、けんもほろろに追い返されてしまう。車の中で人知れず落ち込んでいると、「同州内に住むマットというハッカーの身柄を確保し、ワシントンDCのFBI本部へ連行せよ」と無線連絡が入る。「こんな真夜中に全くツイてない…」。
そのハッカーの連行はFBIのサイバー犯罪部部長ボウマンの指示だった。
実は、FBI本部に設置されたサイバー犯罪部の交通、通信などあらゆる全米のインフラを監視するシステムに、誰かがハッキングを仕掛けてきたのだ。事態を重く見たボウマンは、犯人特定のためにFBIのブラックリストに載っているハッカーたちを一斉に連行せよ、と指示を出したのだった。

若いながらも実力を買われて開発を任されていたあるプログラムを完成させ、依頼主の女性にデータを送信したマットの元に、ある刑事が訪ねて来た。今からFBIの本部に連行すると言う。身に覚えのあるマットは渋々刑事についていくふりをしながら隙を見て逃げ出そうと試みるが、突然窓の外から狙撃されてしまう。マットにプログラムの開発を依頼した女性が、口封じのために刺客を差し向けたのだ。
しかし、マットはツイていた。
彼を迎えに来た刑事とは世界で最もタフな男。ジョン・マクレーンだったのだ。

女性からプログラムの開発を依頼されたハッカーたちが次々と殺される中、無事にFBI本部に辿り着くマクレーンとマット。途中、信号機の異状によって引き起こされた交通渋滞を見ていたマットは、「これは“ファイアーセール”だ」と呟く。
ファイアーセール(投げ売り)とは、国のインフラに対する組織的なサイバー攻撃を意味するハッカーのスラングで、第1ステージは交通、第2ステージは通信、第3ステージはガスや電気と段階があり、第1ステージだけなら修復が可能だが、これらが同時に起こると修復は不可能となり、この国は大混乱に陥るという。
やがて、何者かに通信機能を乗っ取られ、事態はマットの危惧した通りになってしまう。実はマットの開発したプログラムはこのサイバー・テロに関わるものだった。そうとは知らずに加担していたとはいえ、己の行為を後悔するマット。もしマクレーンに会っていなければ、彼はいつまでも頭を抱えたままだったに違いない。
しかし、彼は次第に変わっていく。
執拗に迫り来る敵を撃退し、何とかこのサイバー・テロを回避できないかと必死に奔走する不屈の男、ジョン・マクレーンの姿に感化されていったのだ。
果たして二人はアメリカを救うことができるのか?

[ 感 想 ]

(注)[ 感想 ]にはかなりのネタばれが含まれています。
詳細なストーリーを知りたくない方は読まないで下さい。

シリーズ第4作目にしてますますパワー・アップ。
何と派手な。何と破天荒な。そして何と楽しい映画でしょう!
鑑賞後は咄嗟に言葉が出てきませんでした。
凄いのは早い段階から見せ場が出てくること。そしてその後更に大きな見せ場がやってくることです。
これ以上凄い見せ場はないだろうと思うほど派手で斬新なのに、更にその上をいく見せ場が出てくるのです。本当に言葉を失います。
でも、ラストはそれほど斬新な展開ではありません。ベタな感じです。でもグッときます(笑)。
最初にびっくりしたのはやはりコレ↓
「凄い…。車でヘリコプターを撃ち落とした…」
呆然と呟くマットの言葉はそのまま私の心の声でした。
映画のパンフレットによると、あのシーンはニトロを使って本当に車を空中に飛び上がらせ、ヘリコプターにぶつけたそうです。凄い…(^^;)。
その後も巨大なガス爆発に巻き込まれたり、今にも崩壊しそうな道路をトレーラーで爆走したり、果ては戦闘機と闘ったり…。
戦闘機ですよ!? 一体どこの世界に戦闘機とガチンコ勝負しようとする人間がいるでしょうか。
見事なまでのダイ・ハードっぷりです。

そしてこのダイ・ハード体質は今回も共演者に伝染します。
「3」のときにサミュエル・L・ジャクソン演じるゼウスが「あんたと一緒にいるとなかなか死ななくなってきた」みたいな台詞を言っていたように思うのですが、今回の相棒マットも、最初はマクレーン刑事に守られるばかりだったのが、次第に自分から彼を助けるようになり、高い所から落ちても運良く助かり、最後は敵を倒すまでに至ります。このマットの成長ぶりを見るのがまた楽しかったです(^^)。
そのマットの見せ場といえば、車のエンジンを掛けるために一芝居打つシーン。
本当は「そんなことやっちゃいけないでしょ!」と突っ込まねばならないシーンなのですが、笑わせてもらいました。また、このときのマットを見るマクレーンのニヤけた表情が何とも…(笑)。

今回のラスボス・ガブリエルについて。
若くてハンサムなお兄さんです。色気もあります。
悪役としての強烈なパンチはありませんが、「何だかコイツ、すっごく気に食わない!」という嫌味な感じは出ていました(笑)。
そしてガブリエルの恋人・マイ。とにかく足が長い! きびきびしていてカッコ良かったです。マクレーン刑事との一騎打ちも手に汗握りました。しかしあのシーン。私はちょっと引いてしまったのですが…(^^;)。悪いヤツは男だろうと女だろうと容赦しない、ということですか。

出演シーンは少ないものの、非常に印象的だったのがワーロックです。イイ味出してました(笑)。
面白かったのが、全く接点のなさそうなワーロックとガブリエルが、名前を聞いて「ああ、あいつか!」という反応を示していたこと。二人ともその手の世界では超有名人という設定ですから。天才は天才を知るってやつですか。でも、互いに相手を毛嫌いしているようでした。確かに気が合うようにはとても…(苦笑)。

もう一人、印象的だったのがマクレーン刑事の娘・ルーシーです。こちらも出番はそれほどありませんが、鼻っ柱の強いところはさすがにあの父と母の娘だなぁという感じ(笑)。彼女の毅然とした態度には胸のすく思いがしました。

更に出番が少ない中でもう一人、気になる人物が。
「スタートレック・ヴォイジャー」でトゥボック役だった俳優さん(ティム・ラス)が、NSCからFBIに派遣されてきた人物を演じていて、「おおっ」と思いました(笑)。

さて。そして我らがジョン・マクレーンについて。
正直、最初にブルースのアップが映し出されたときは、しわだらけで年を取ったなぁと思いましたが(^^;)、その内全く気にならなくなりました。とにかくアクティブ! そして相変わらずの機転の良さ。会話の妙。

(例1)
部屋の中でパソコンが爆発した直後の会話。
マット:「今の、あんたが?」
マクレーン:「俺じゃない」
その後、追いかけてくる敵を撃退。
マット:「今の、見た!?」
マクレーン:「ああ。俺がやった」

(例2)
マット:「凄い…。車でヘリコプターを撃ち落とした…」
マクレーン:「弾切れでね」

相変わらずブツブツ文句も言っていますが、血まみれになっても、大ケガをしても決して最後まで諦めない彼の姿は正しくヒーロー!
変わったといえば、一睨みで相手を黙らせる威圧感が漂っている点でしょうか。スキンヘッドなので余計に。迫力十分(^^;)。

でも、実はこの映画。アクション・シーンは荒唐無稽なのですが、ストーリーは結構現実的だと思いました。このコンピューター社会においてサイバー・テロが大きな脅威であること。予めリスクを知っていながら対策を取らないこと。決定的な事件が起きるまで情報を開示しないこと。
どうやらこれは全世界共通なのかも。

観終わった直後はスカッと爽快、ストレス発散!
でも、現代社会の問題を突いていて、よくよく考えさせられる内容だなんて、何とよく出来た映画なのでしょうか(笑)。
本当に何度も観たくなる、何度観ても楽しめる映画です(^^)



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