「薔薇の素顔」 [ あらすじ ] [ 感想 ]

原題「Color of Night

1994年アメリカ映画 上映時間 2時間 1分
日本公開 1994年 日本配給 東宝東和
監督 リチャード・ラッシュ 原案 ビリー・レイ
          脚本 ビリー・レイ、マシュー・チャップマン
 
出演 ブルース・ウィリス → ビル・キャパ
  ジェーン・マーチ → ローズ
  ルーベン・ブレーズ → マルティネス(刑事)

[ あらすじ ]

精神分析医のビル・キャパは、自殺願望のある女性のカウンセリング中に、その女性が飛び降り自殺をしたショックから、赤い色が見えなくなってしまう。
心身の疲れを感じ取ったキャパは、療養のために友人で同じく精神分析医のボブを訪ねる。
そのボブから、毎週月曜日に集団セラピーを行っている5人の患者の誰かに命を狙われていると告白され、驚くキャパ。
後日、本当にボブが殺害されてしまい、キャパは激しい衝撃を受ける。
しかし、悲しみに浸る間もなく、ボブの後任として、彼が怪しいと言っていた5人の治療を担当することになる。
5人の中で唯一の女性ソンドラ、うまく話すことの出来ない少年リッチー、心に深い傷を負っているパック、芸術家気取りのケイシー、極度の潔癖症のクラーク…。
そんな折、キャパは街でローズという美少女と出会い、彼女の奔放な魅力に引き込まれていく。しかし、ローズは決して連絡先を明かさない。
果たして、ボブを殺した犯人は誰なのか?
そして、ローズの正体は…?

[ 感 想 ]

(注)[ 感想 ] にはかなりのネタばれが含まれています。
詳細なストーリー(特に結末)を知りたくない方は読まないで下さい。

集団セラピーで自分が今付合ってる恋人の話になるのですが、その席で、ソンドラにはGF、ケイシーやパック、クラークには年下の彼女がいることが判明します。
それが実は全部同じ人なんですね。ボニーという。
最後にそれが分かって大騒ぎになるんですけど…。それまで誰も自分の相手が「ボニー」だとは言わないんですよね(苦笑)

何か結構…考えれば考えるほど分からない点が出てくるストーリーなんですけど、もしかしたらそれって私の理解不足なのかなぁ?(^^;)
実はボニーとローズとリッチーは同一人物(つまり彼女は多重人格者)で、本当の人格「ローズ」は兄のデイルに「リッチー」になることを強要され、何年もそのように振る舞ってきたのですが、リッチーがある事件を起こしたために裁判所の命令でセラピーを受けることを義務付けられてしまいます。その内、閉じ込められていた女性としての人格が表に出ようとするのですが、ローズはデイルに脅えていて、代わりに「ボニー」が出てきた…。
と、まぁこんな感じなんですけど、でも、だったらキャパに会ったローズが最初からローズなのは何故?
そもそも、どうしてデイルはローズをリッチーに仕立てたのでしょう?
6年前に児童心理学者のニーデルマイヤー氏に保護されたデイルとリッチー(ここで保護されたのが3人でなく2人っていうのもちょっと疑問なんですが)は、そのニーデルマイヤー氏に悪戯されたことを苦にしてリッチーが自殺してしまった後、突然、デイルがローズをリッチーと呼ぶようになり、リッチーでいることを強制したというのですが、両親のいないデイルにとって、リッチーもローズも大切な家族なんじゃないの? どうしてローズを否定してまでリッチーを存在させなきゃいけないの?
もうこれがとってもとっても疑問です。
結局、ボブ殺し(と後に出てくるケイシー殺しやキャパに対する殺人未遂)はデイルの犯行なのですが、ボニー=リッチーだとバレそうになったので口封じのために犯行に及んだということなのですが、そうまでしてリッチーの正体を隠してデイルは何をしたかったんでしょう?
本当にこの映画は疑問の嵐(^^;)

1番印象的だったのは、キャパがケイシー殺害現場を訪れるシーンです。
床に灰色の液体が広がっているのですが、それがみるみる内に赤い血の色に変わるシーンはかなりショッキングでした。
キャパの目には赤がグレーに見えるということを逆手に取った演出なのですが、「何だろう?」と思ったグレーの液体が「血だ!」と気付いたときは背筋がぞくっとしました。
この映画ではキャパとローズの全裸での大胆な抱擁シーンが話題になっていましたが、そんなシーンがあるから、そこばかり取り上げられがちで、肝心の役作りの方があまり評価されなかったのかなぁ、とも思いました。

ラストはキャパの目に「赤」が映り、一応(あくまで一応)ハッピーエンド。
マルティネス刑事がいい味出してて笑えます(^^;)



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