【人狼とは】
1200年程前までテルカリュミレース上に存在した人種。
ヒトは『じんろう』と呼び、クリティアと始祖の隷長は『ひとおおかみ』と呼んだ。
世界中に分布していたが、主な居住地はレレウィーゼ古仙洞のある辺りの山岳地帯。
(今でこそ荒野だが、当時は広大な森を多く有する高原だった)
イヌ科の生物であれば、動物・魔物関係なく意志疎通が可能。
その姿は正しく会話しているように見えたという。
自由にヒトとオオカミの姿に変化(「へんげ」)することができる。
クリティアに次いでエアルの変化に敏感な特性もある。
身体能力はヒトより少し力が強かったり、足が速かったりする程度。
ただし夜間、特に満月の夜にはオオカミとしての能力(嗅覚・聴覚など)が強化され、更に周囲のイヌ科の生物を操ることも可能。
当時は隠密行動や軍の斥候役に重宝されていた。
魔導器の発する特殊な音波(高周波すぎてほかの人種には聞こえない)が苦手。
そのため人間社会から距離を置き始め、徐々にその数を減らしていき、ついに純血の人狼は絶滅してしまった。
【外見】
純血であればヒト形態もオオカミ形態も完全に変化できるが、現時点において純血の人狼は確認されていない。
混血は血統の濃さによって能力が制限されており、ヒト形態においては耳や尾・爪などがオオカミのままであるケースが確認されている。
オオカミ形態は血統の濃さに関わらず、変化能力が覚醒していれば完全に変化が可能なようである。
しかし残念ながら、純血絶滅からあまりに長い時代が過ぎてしまっているため血統は薄まりすぎ、混血の子孫たちも見て分かる特徴を備えていないため、自分がそうであるという自覚がない。
そのため変化能力が覚醒している子孫は、現在ユーリただ一人である。
【ユーリの場合】
母方の祖先が人狼の混血であるため、血統としては薄いものの、隔世遺伝のためか珍しくヒト形態でも耳と尾のみオオカミのままという特徴が表れている。
その一方で特殊な先祖返りでもあるため、能力面では限りなく純血に近い。
といっても基本的には、『ヒトの耳の代りにオオカミの耳と尾がある』『嗅覚と聴覚が鋭い』『オオカミ形態に変化可能』、という点以外は普通のヒトと変わらない。
外見の特徴として、耳は頭の上部にあり、本来ヒトの耳がある場所には何もなく、平らな皮膚があるだけである。
(萌えキャラによくあるネコミミのオオカミver.と思ってもらえれば……)
尾は太めで、典型的なオオカミの尾と同じ。
物心つく前から帝都下町で育ったためか、魔導器の音波にも耐性があり平気。
オオカミ形態はラピードより2回りほど大きい黒狼。
ちなみに毛並みは、ラピードの毛繕いとフレンとエステルのブラッシングにより、動物好きならモフらずにはいられない程のモフモフぶりになっている(笑)。
※ラピードは尾を含めて全長170cmであることから、ワンコインフィギュアを参考に比率計算をすると、体高およそ63〜65cm。
アラスカンマラミュートやジャーマンシェパードに相当する。
対して、一般的なオオカミは体高60cm前後(種類による)、オオカミ犬は体高66〜80cm。
ユーリは混血の人狼であるためオオカミ犬を参考とし、体高を約75cmとする。
ヒト形態とオオカミ形態を自由に変化できるが、満月の夜だけは本人の意志に関わらずオオカミ形態になってしまう。
これは純血の人狼が、満月の夜に能力が強化されていた名残である。
ラピードと普通に会話しているのも、人狼の能力が純血に近いため。
※フレンはラピードと会話しているわけではなく、これまでのユーリとラピードの様子を観察して学習し、「今こんな感じなのかな?」とラピードの感情を推察しているに過ぎない
普段耳はバンダナや帽子などで覆い、尾は服の中で腰に巻き付けるか帯に挟むなどして隠している。
これが物理的にも精神的にも相当苦痛だったらしく、ダングレストでドン・ホワイトホースに逢い感化されてからは、開き直って出しっぱなしにしている。
オオカミの血がそうさせるのか、森のように緑の多い場所ではテンションが上がる。
【周囲の人間の対応】
生まれた時からオオカミの耳と尾があったため、珍しいもの好きの貴族や研究者の目に留まらぬよう、ハンクスを筆頭に下町全体でユーリの存在を隠してきた。
しかし、成長してユーリの向こう見ずな性格が分かると隠すことを諦め、代りに自身で身を守る術を修得させなけらばならないとして、耳と尾を隠すことを徹底させる以外は普通の子供と大差なく育てた。
ユーリもそれをわかっているため、下町にいる間は耳と尾は晒しているが、市民街含め上の階層に近づくときにはフード付きマントをすっぽりと被っていた。
この関係で、よく下町で任務に能たっていたシュヴァーン隊下ルブラン小隊の3人は事情を知っており、協力体制を取っている。
(ユーリが軽犯罪を犯したらルブラン隊がまず出動して、ほかの騎士の目にユーリが入らないようにする、など)
騎士団に入ってからはフレンの協力の下なんとか隠していたが、そのフレンとの喧嘩が原因であっさりナイレン達にバレる。
しかしナイレンが理解と協力を示したおかげで、シゾンタニアでも下町同様、耳と尾を晒すことができた。
退団後はマントではなく、バンダナや帽子などで耳を、服で尾を隠していたが、シゾンタニアで自由にしていたおかげか、稀に隠すことを忘れる。
(テッド「ユーリ、しっぽ!」ユーリ「おっと、いけね」なんていうやり取りもしばしば)
本編中はパーティメンバーが増える度に説明するのが面倒で、全部フレンやエステルに丸投げ状態。
仲間たちも最初こそ驚くものの、以降は普通にヒトと同じように接している。
ジュディスのみ人狼についての知識が僅かながらあり、能力の使い方についてアドバイスすることも。
旅の最中、仲間しかいない時以外は絶えず耳と尾を隠していたが、ドン・ホワイトホースの最期の言葉に感銘を受けて開き直り、耳と尾を隠すことを辞める。
以来、騎士や【魔狩りの剣】からは魔物と間違われて襲われたり、アレクセイからは始祖の隷長と勘違いされて拐われかけたり、生物学や考古学者から貴重な資料として解剖されかけたりと、なかなか忙しい(?)日々を過ごしている。
ED後は落ち着いたものの、やはり関係者外からは腫れ物に触るような扱いをされ、「なんだかな〜」とモヤモヤすることもしばしば。
現在、騎士団内では元ナイレン隊・シュヴァーン隊下ルブラン小隊・フレン隊下ソディア小隊。
ギルド内ではユニオン加盟ギルド全体と【戦士の殿堂】にまで、人狼という人種についての理解が広がっている。
2018.01.20