律令以前の政治体制を示す用語として、最近「ヤマト政権」、「ヤマト王権」などと一部で呼称されている。これは、充実した政治組織の整備は後年になり、整った政治組織をイメージさせる「朝廷」という用語を当初から一貫して用いることはふさわしくないというものだが、そもそも、新たな政治体制が初めから整った組織を持たないのは当然であり、そのことをもって、朝廷と呼ばないというのには違和感を感じる。
また、「ヤマト」とカタカナで表記する意味は、現在の奈良県地域を示すヤマトの地名表記は、倭・大倭・大養徳・大倭・大和と変化し、多様な文字が用いられ、かつ「倭」は中国で我が国の総称として用いられてきたため、「大和」の用語を用いるのはふさわしくないというものだが、「倭」という呼称は古代の中国人がつけた蔑称であり、自ら選んだ文字が大和であり、教育指導要領においても「大和朝廷」と表記されているため、本サイトにおいても、「大和朝廷」と表記することとする。