「 枯葉 」
          Autumn Leaves


       秋から冬・・・。ボルドー色の季節の訪れ。
      夜、暖房の入った部屋で、静かにJAZZを聴く・・・・・いいですね。
      こんなシーンで、皆さんは、誰の、どんな曲をかけますか?
      僕なら、この季節、定番だけど「枯葉」でしょうね。

▼「枯葉」・・・・原曲は、1946年、フランス映画「夜の門」の主題歌として、イブ・モンタンが
         歌った、シャンソンの最高傑作。


多くのプレイヤーが演奏している中で、ジャズメンも同様に「枯葉」をジャズ化しました。
名演揃い、枚挙にいとまなしですが、これから紹介する3つの「枯葉」は、いかがでしょうか?



 ▼ マイルス・デイヴィス

 一番は、マイルス・デイヴィス。
 これは、僕だけじゃなく、ジャズの好きな方だったら、「枯葉」と言えば
 やっぱりこれでしょう。
 ミュートをつけたマイルスのトランペットが、枯葉の「陰影」を 静かに、
 そして、“かさこそと囁くように” うたっています。

 
〜ミステリアスな夜・・・・。

 

 ジャズと言えば、プレイヤーのアドリブを楽しむもの。
 テーマ(メロディー)は、コード(和音)の為に存在しています。
 枯葉の「コード進行」にそって、何コーラスも繰り返されるアドリブ。ジャズの醍醐味はまさにこれです。
 同じ題名の曲を、いろいろなジャズメンで、聴き比べてみると・・・・
 プレイヤーの顔が違う様に、どれも全く違う魅惑。
 ある意味「枯葉」というテーマも必要ないのでは?と感じることさえあります。
 ジャズは、曲目じゃなく、「プレイヤー」なのです。
 マイルスのアドリブからも、ゆっくり味わってみて下さい。




 ▼ エロール・ガーナ

 次は、名曲「ミスティー」を作った、エロール・ガーナ。
 この枯葉で、ジャズ風なメロディー・フェイク(=メロディーを残して、変化させる)
 が、十分、楽しめるでしょう。
 アドリブの部分がないので、厳密にはジャズとは言えないかもしれませんが。
 ジャズ・バラッドの枯葉・・・・。
 ピアノ・トリオの演奏が、甘く切ない過去の恋物語を、あなたに思い出させてくれるかもしれませんね。




 ▼ フランク・シナトラ

 3つ目は、ジャズじゃなく、ヴォーカル・・・・。
 フランク・シナトラの枯葉。
 僕は、なぜかこの曲、女性ヴォーカルより、男性のものの方が好きなんです。
 
 人生を重ねた彼の歌声が、深まりゆく秋に・・・・・一着のコートの様なあたたかさで、
 私達を、優しく、つつんでくれるでしょう。