本当にご無沙汰して申し訳有りませんm(__)m
色々忙しかったのと、少し(大きな)壁に当たり玉砕してました
出来ない事は出来ないと、諦めて出来る事を始めます
(出来る事は限られてますが汗;)
今回から少し圧造の技術的(基本的?)な、お話をしたいと思います
パンチでブランクを金型(ダイス)に押し込んで、圧力を掛けて圧造しますが
通常パイプを製造する場合は、
No,1工程は、端面矯正
No,2工程は、端面矯正とNo,3工程の矢の案内及び穴面付け
No,3工程は、一回目の矢入れ(全長を伸ばす)
No,4工程は、二回目の矢入れ(全長を伸ばす)と抜きのヘソ入れ
No,5工程は、穴抜き
下レイアウト図参照
今回はこのレイアウトで実際に圧造した場合を想定して
色々注意事項などと一緒に説明をしたいと思います
No,1工程
この工程はNo,1工程(端面矯正)でもお話しましたが
この様に切断ブランクの端面を叩いてフラットにします
この時の注意事項は、叩きすぎない事(^_^;)
当然の事ながら物には限界が有ります
金型(ダイス)・工具(パンチ・KOピン)にも限界は有ります
今回の製品(パイプ)を製造するなら、φ100の金型(ダイス外径)が必要だと思います
このダイス径以下でも出来ますが、ダイス径が小さいと言う事は、機械も小さくなるので
圧造トン数が不足して、製造出来たとしても不安定に成る可能性が有ります
φ100ぐらいのダイス径の機械なら大体(機械メーカー・機械仕様で変りますが)
250dぐらいの圧造能力が有ると思います、単純に考えると250d÷5工程=50d
と成りますが、通常φ100の端面矯正ダイスは40d以下で圧造します
(あくまでも私の経験上のお話です(^_^;))
が最近では端面の平行度や平面度などの問題上圧造トン数を
上げて製造せざるをえない場合が有ります、でも限界も有ります、
大体50dぐらいが限界だと思います
(あくまでも私の経験上のお話です(^_^;))しつこいですが(^^ゞ
金型のメーカーや金型の製造方法で差は有ります、でも大体このぐらいだと思います
最近超硬メーカーさん(メーカー指定は出来ませんがm(__)m)から粘くて硬い超硬
が出て来ました、今までの超硬は
硬い=耐摩耗性に優れて、磨耗し難い(絞り工程に最適)
=もろい(腎性に劣るので割れ易い)
柔らかい=耐摩耗性は落ちるが、衝撃には強い(端面矯正の下ニブ等)
=粘い(耐摩耗性に劣るので減り易い)
大体この2種類を基本形にして色々有りましたが
(私が知らないだけかもしれませんが汗;)
最近この両方の特性を生かした超硬が出来て来ました
(各メーカーから出てるとは思いますが)
この超硬を使えば、60d前後まで圧造トン数を上げる事が出来ます
(私が使ってる機械のトン数計で表示されている数値ですが)
このダイスを使用する事によって、平行度や平面度も有利に成ります
その上ライフ(金型寿命)も伸びますから、メリットが有ると思います
(あくまでも私の経験上のお話です(^_^;))
次の注意事項は、微調整です
一口で微調整と言っても、端面矯正の工程の微調整は
パンチ側・ダイス側の調整ですが、圧造トン数は、パンチ側に成ります
パンチ側の調整は後、パンチの芯だしが有ります
パンチの芯だしとは、ダイスの中にパンチが入るのですから
パンチとダイスのセンターが出ていないとパンチとダイスがぶつかってしまいますね(^_^;)
パンチとダイスのクリアランス(隙間)は0.05o〜0.1o(製品や工程で変ります)程度です
調整方法は各オペレーターの遣り方が有ります、基本的には本人の遣りやすい方法
が一番だとは私は思いますが(^^ゞ私の芯だし方法は
ダイスとパンチをセットして、モーターを少し回し、インチング(クラッチを少しづつ繋ぐ)
車の半クラ状態とは少し違いますが(^^ゞそれに近いものはあります
その状態でパンチをダイスに近づけて、ダイスの入り口に紙を当てダイスの入り口にパンチが
少し入ったら(ダイスの入り口には、1Rぐらいの面取りが有ります)そのまま逆転で戻します
(原始的ですね(^^ゞ)
後はその紙にパンチとダイスの型が付いてますので(当たった方は紙が切れてます)
切れていない方にパンチを少し寄せます・・・・・文章では理解できませんね(^_^;)
パンチ側の図を描きますね
パンチ側はこの様に成ってます(機械メーカーや機種に拠っては異なりますが)
スタットボルトはパンチブロックを機械本体(ラム)に取り付ける為のボルトです
上下調整用ボルトは文字通りパンチブロックを上下に調整する為のボルトです
左右調整用ボルトも文字通りパンチブロックを左右に調整する為のボルトです
この時の支店は下側のスタットボルトです、そして上側のスタットボルトを調整用のボルトで
締め付けたり、緩めたりして調整します、調整可能な距離は機械で異なりますが
1o〜2oまでだと思います(実際に測定した事が無いので)(^_^;)
この調整用ボルトを使い、パンチがダイスに当たらない様調整します
この作業は圧造トン数を含め各工程で行います
次にダイス側の調整ですが、端面矯正工程は、KOピンと
ダイスの底を合わせます・・・・(^_^;)これも分かり難いですね
Aは調整が合ってる状態です、BはKOピンがダイスの底から下がった状態で
Cは反対に中に入ってますね、B・C共にAの状態に合わせます
ではKOピンの調整方法をお話します、ダイスの後ろにはダイススペーサーが有り
その中に中間ピンが有りパイプネジで調整します
これも、言葉では難しいですね(^_^;)
上図の様に機械の中に組み込まれます、パイプネジは外径がネジに成っていて
ネジを締めたり、緩めたりしてKOピンの調整をします、KO本ピンは抜けてしまわない様
頭が付いていてパイプネジに当たります
第一工程はこの辺で説明を終わります、第二工程はこの工程と殆ど同じです
ただパンチの先端に第三工程の矢の案内を入れます、詳しくは
次回という事でお願いしますm(__)m
段々とマニアックに成って来たので、この業界の人か若しくは興味のある方しか
もう残っては無いと思いますが、時々更新(出来るだけ)したいと思います(^^ゞ
出来るだけ当たり障りの無い様に書いているつもりですが、もし
ノウハウ等問題が有る場合は「管理者ひげ」までご一報下さい
又、企業の方で社員教育の一環でこのHPをコピーして配布されていると
耳にしましたが、何度も申し上げる様私「ひげ」が経験した事で
100%正解とは限りません、誤記や「ひげ」の思い違い、勉強不足等でいかなる
損害を与えても、私「ひげ」は何の保障も出来ませんので、もし「社員教育」等
で御使用になる場合は「塑性加工学会」等の見解と見合わせた上でお使い下さい
出来ましたら、「社員教育」等で御使用になられる場合は、私「ひげ」までご一報頂けたら
幸いに存じますm(__)m 「こんな話をして欲しい」とかのリクエストも有りましたら
ご一報下さい、私の分かる限りですが(^_^;)お話をしたいと思います