御 池 岳 (1997.5.1 ) 晴れ

3月の初めに藤原岳へ出かけた時に見た鈴鹿の山々は、魅力的な深々しさを持っていた。 その時は、まだ雪を残していて少し近寄り難い雰囲気でもあった。

「片栗の咲く季節」になって雑誌に「御池岳」「三国岳」の記事が載っていた。
記事を読み進むうちに残雪の山々の姿を思い出して、どうしても行きたくなってしまった。

ゴールデンウイークに行くことにしたが、天気の良い日には、用事があり、天気の悪い日には、用事がない。飛び石の天気でため息が出てしまう。

本日は、5月1日メーデー晴れ。朝早くに目が覚める。6時過ぎに出発した。

京都から車で1時間30分で鞍掛峠に到着した。
朝もやが残るコグルミ谷から登り出した。すばらしい天気である。
この山で最初に出合った花は、「エンレイ草」であった。まだ少し時期が早いのか花が色ずくところまではいっていない。
いつものことだが、最初に出合った花を写真に撮るあさましい癖が出てしまう。後で必ず、いくつもの同じ花に出合うことができる。

次に咲いているのは、「一輪草」である。
道が徐々に登りだしたころ、かたくりの花が目に付きだすようになる。朝が早いせいかかたくりもまだ花を閉じている。
登り始めて1時間、峠に着くと一面みごとなかたくりの花でいっぱいになる。
日の光を受けた「かたくり」は、花びらをそり返して宇宙を飛ぶ人工衛星のようだ。

時間も十分あるので、峠から御池岳とは反対の方向に少し道草することにした。
気持ちの良い尾根道で、いわかがみの葉がたくさんみられる。花はまだのようで10日ほど後には、きっと咲いていてみごとな尾根道になっているだろう。
すこし損をした気分になった時、1輪咲いている「いわかがみ」を見つけた。

それではと、やる気を出して日の当たっている東斜面を探してみると今度は、「いわうちわ」を発見。「ヤッホー」である。
冷静に考えてみると、大の男が山道を落とし物でも探すように歩き、突然喜色満面、斜面を駆け降りて、今度は這いつくばって花の写真を撮る姿は、あまり立派なものではない。
ところがである。這いつくばっているとなにやら目線を感じる。仰ぎ見ると尾根道から一人の男がうらやましそうにこちらを見ている。早々に声をかけて場所を譲ると、これも喜色満面、斜面を駆け下りて礼を言うのもそこそこに、這いつくばって写真を撮り始める。 確かに立派な姿とは言えないが非難すべきことでもない。

気をよくして御池岳へ向かう。小梅尅吹iコバイケイソウ)が規則正しく測ったような間隔で若々しい緑の葉を並べている。
ところどころに「菊咲き一華」も見られた。

「ボタンブチ」へ寄ってみようとしたが、それが見えるところであきらめた。あまりにも藪がきつくて又、「ボタンブチ」には、元気そうな中年女性軍団の先客がいて入り込む勇気がなかった。
丸山は、鈴鹿の最高峰とは思えないほどの小山であった。

鈴北岳を経由して鞍掛峠へ出た。6時間ほどの快適な「ぶらりのんびりした山歩き」であった。


瑯Mがきつくて又、「ボタンブチ」には、元気そうな中年女性軍団の先客がいて入り込む勇気がなかった。
丸山は、鈴鹿の最高峰とは思えないほどの小山であった。

鈴北岳を経由して鞍掛峠へ出た。6時間ほどの快適な「ぶらりのんびりした山歩き」であった。