サイバー老人ホーム-青葉台熟年物語

11.老人顔

 毎朝顔を洗うとき、出来るだけ自分の顔を眺めるようにしている。「何を今更」と思われるがそういうものではない。常々思っているのだが、日本人の若者と我々老人はまるで人種が別ように外見も体型も違って見える。
これは食事とか社会環境の変化ということもあるが一概にそれだけではない。
 良く観察してみると顔のつくりが根本的に違うのである。いわゆるわれわれの顔は「老人顔」なのである。そこで毎朝この老人顔の度合いを眺めているのである。しからば、この「老人顔」とはどんなものかその特徴を挙げると次のようになる。

・ 体のバランスから見ても顔が大きい。
・ 口をむんずと結んで一文字で、大きい。
・ 小鼻から口の端、更に顎にかけてにハの字のしわが寄っている(時には二三本、すなわちハハである)。
・ 首と下顎の段差が無く、首と顎が一直線で繋がっている。
・ 首の周りに皺が二三本寄っている。
・ 顎の付け根、即ち耳の下のエラの部分に肉の塊がある。
・ 頬を吊り上げ三日月型の「すが目」でものを見る。
・ 従がって、目尻に皺が寄り、上瞼がはれぼったく、額に皺が寄っている。

 鏡で自分の顔を見てこの特徴が出ていたらだいぶ「老人顔」になったと考えた方が良いかもしれない。
 ところで、何故こうした特徴が出るかと云うと、顔の大きいのは飽食の結果以外何ものでもない。大体年を取ったら自分の消費するエネルギーの範囲のカロリーを摂取すればよい。最後はぺらぺらと燃えて簡単にお骨になるぐらいが丁度よい。

 次に、今迄の人生の風雪に耐えてきた結果、背中が湾曲し、前かがみになってきたため自然に頭全体も前に出る。そのままだと顎が前に突き出る事になるからそこで顎をひくとむんずと口が真一文字になる。さらに顎を引いた分、顎の周りの筋肉が後ろに引っ張られて顎の付け根、すなわち耳の下に肉の塊が出来ることになる。

 この「老人顔」を予防するには、飽食を慎むのは当然として、普段、背筋を伸ばして胸を張って歩く習慣をつけることが第一である。
次に、顎を突き出して「私の鼻の穴を見て下さい」くらいのつもりで顔を上向きにする。
 この時帽子(キャップ)を目深にかぶると自然にこのスタイルになる。何故かといえば前かがみでは前が見えないから自然に顎を上げる事になる。そうすると上から眺める形になるから目尻にも皺が寄らない。
そしてここが肝心、口を窄めていわゆる「おちょぼ口」にする。いわゆる気取った顔である。そうすると口の端の皺は出てこない。
 年を取ったら「老人が老人顔で何が悪い」ともいえるが、顔も体の一部、鍛えて若返るならその方が良いに決まっている。(00.3仏法僧)