サイバー老人ホーム−青葉台熟年物語

64.また参った!

 また参ったのである。新庄のことで愚にもつかないこといっている場合ではない。自分がこともあろう事か脳梗塞という病気になったのである。この脳梗塞という病気が脳の病気であることを知っていたがどういう状態で発症するか知らなかったのである。

 6月に入り新しいアルバイトも決まり、仕事も職場環境も気に入り1日から勢い込んで出勤し、大満足で帰ってきたのである。帰宅し、家内が入れてくれたお茶をいっぱい飲んだところで右手右足の異常を感じたのである。すぐに居間の床に横になろうと椅子から立ち上がったが右足が送れないのである。そのまますぐに救急車を呼んでもらい、生まれて始めて救急車のお世話人になり病院に直行したのである。

 ところが幸か不幸か病院に着いてCTSCANをとったところで状況は回復したのである。結局再び自宅に帰ることになりタクシーで帰宅したのである。夕食をとり、早めに床に着いたときは平常どおり就寝できたのであるが、夜中の12時ころトイレにおきたときは別に異常は感じなかったものが次に午前3時におきたときはやや右足に異常を感じ、次に5時ころに起きたときにはトイレで自分の体を支えられないほどになっていたのである。

 結局夜の明けるのを待って娘婿たちにきてもらい、再度入院する羽目になったのである。入院後すぐにMRIという工事現場のような音のする検査を行った結果脳の微細な血管が詰まっているということで脳梗塞と診断されたのである。発症以来約半日、まったく意識が途切れることが無く、頭痛やめまいなどの自覚症状も無く右半身の感覚のなくなっていく絶望感はなんとも表現しようの無いものである。

 今までこのサイトを通じ、健康や老齢化について口幅ったい御託を並べてきたが、お恥ずかしながらすべて反故になってしまったのである。そもそもこの病気にかかる前兆というものをまったく感じなかったのである。確かに4月は少々はしゃぎすぎて多少は疲れもあったが、5月にはいると足慣らしに近くの山を歩き、下旬には再度六甲山を登り絶好調のはずであったのである。

 その間血圧にはいつも注意し、過食を避け、飲酒もそこそこに抑えてきたのである。ただ高脂血症やコレステロール値に対する配慮が欠けているといえばいえないことは無い。ただこれらの値は最近の健康診断では40パーセント以上の人が異常値を示しており、私もその中の一人ぐらいに考えていたのである。

 それと脳梗塞という病気も高血圧が影響すると考えていたがこれがまったくの考え違いであったのである。血液の状態が悪条件が重なった場合、すなわちさらさら血液で無い場合は一時的な血圧の低下が引き金となることもあるらしいのである。簡単にいえばあまりほっとしてはいけないということである。

 考えてみると自分の人生のなんとなく見切りがついたなどという悟った風のことを言うことがそもそも間違いの元であった。家康ではないが人生は重い荷物を担いで長い道のりを歩むようなものであり、60やそこらで悟ったようなことは言うものではないということである。

 人生といえば高い頂きを目指すようなことばかりを考えたり、さらにその頂きの向こうのことばかり考えていたが、今現実に自動車を前提とした生活は当面考えられず、生き方を根本から考え直さなければならない立場になってはじめて麓の、しかも身の回りにもっとしなければならないことがあることに気がついたような気がする。

 今は多少摂生をしているような気がしているが、だからと言って若い頃の不摂生が帳消しになるというものでもない。

 人生には生きてる限り折り返しはあっても、終着はこの世からおさらばするときだけである。その折り返しの中で今までの生き方の誤りを正すよう神様は仕向けているのであって、生きる上で目標を見失った怠惰な人間に対し、五体満足な体を維持することが如何に難しいことか、体の機能を再構築するという事が如何に大変なことか神様は寿命の尽きる前に思い知らせてくれたのかもしれないとつくづく思うのである。(01.06.25仏法僧)