サイバー老人ホーム−青葉台熟年物語

7.バンダナ

 日本人と言うのは総じて帽子が似合わない人種である。私もその典型である。もっとも最近の帽子と言うのはその原形は殆どは西洋で開発されたもので、その点からも日本人の体形に合っていないのかもしれない。日本人の帽子と言うのは江戸時代までは戦国武将の鎧兜は別としても、烏帽子などはどちらかと言えば身分高貴な方々の装束であり、一般庶民の被り物と言えば菅笠か頬っ被り程度ということになる。

 明治に入って様々な形の帽子が入って来たが、これをハンフリー・ボガード張りとまでも云わないまでも上手に被りこなしている人は少ないような気がする。これは日本人の頭の部分の骨格の形の由来しているのだと思われるが、今の帽子と言うのは余り顔の丸い人には似合わないのではないだろうか。

 大体この帽子と言うもの、どちらかと言えばやや深目に被り、側から見た場合に目が見えるか見えない程度に被るのがよさそうである。典型的なのがアメリカの士官学校生が被るようなかぶり方である。ところが日本人がこういうかぶり方をすると顔が丸いので、帽子の下の露出している部分が短くなり、帽子が歩いているようになる。従ってやや阿弥陀に被るから何となく間が抜けてくるのである。

 股旅物のやくざのよう三度笠を目深に被り俯きかげんに歩く姿などは様になっているが、今の時代にはマッチしない。ところが意外に日本人に合うものがあるのである。それがバンダナである。たった一枚の布切れであるので帽子と言えるかどうかは分からないが、若者だけでなく最近は中年以上の大人でもかなり身に付けている。特に山登りなどする人の中にバンダナを巻いてと言う人は多いようだ。

 これは鉢巻きのように巻き付けても良いし、広げて頭を覆っても良い。良く汗を吸収するし、適当な紫外線除けにもなる。しかも持ち運びが簡単で、しかもかなり思いきった色彩や柄があり、これが年齢に関係なく選べる所が良い。それに何よりもこれを身に付けていると「頑張っているぞ」と言う雰囲気があり、元気が出てくる。

 やっぱり日本人にはねじりはちまきや頬っ被りスタイルが一番体系に合っているのかもしれない。(99.12仏法僧)