第四回 古代の騎士

 こんにちわ。テノールです。今日は陛下が船に乗せてくれるというのでついてきました。それにしてもすごい船だな。さすが陛下だなあ。でも見ての通り天気は大荒れです。

  テノール、そろそろ宰相が潜水艦で海上に姿を現すのじゃよ。出てきたらそこにある赤いボタンを押すんじゃ。(フフフ…)

 え?このボタンは何ですか?

 うむ。そのボタンは歓迎ボタンじゃよ。仄暗い水の底から這い上がってくる宰相を歓迎するんじゃよ。

 仄暗いって…、お化けじゃないんですから。ところで何で宰相様は潜水艦なんですか?

 うん、いい質問じゃな(様は余計じゃ)。宰相は海の底が好きでな(嘘じゃ)。ほら、上がってきたぞ。



 こちら宰相、こちら宰相、聞こえますか?いやあ、陛下、海の底は気持ちがいいですなあ。貴重な体験をさせていただきました。

 ほう、宰相の奴、本当に海の底が好きだったのか。それは都合がいい。それ、テノール!ボタンを押すのじゃ。

 ようこそ、宰相様!感度良好です。本艦は宰相様を歓迎します。歓迎の印としてこれをどうぞ。(歓迎ボタン)ポチ。



 ・・・。

 よくやった、テノール少尉、いや今から君は大尉だよ。君の功績は長く歴史に残ることになるじゃろう(宰相は歴史から消えたがの)。

・・・。(ショックで固まっている)

 うむ、感動しているらしいな(たぶん違う)。

う、うう…。せっかく海まで来たのに…。陛下のこと尊敬してたのに…。

 ふむ、これで君も人間的に大きくなれたな。戦争とはこういうものじゃよ。

 さ、宰相様をボクが、ボクが〜!

うらぁあ!ばきぃ!

うあっ!痛いよう。あう!お姉ちゃん!

 テナー!エテ公一匹殺ったくらいでおたおたするんじゃないよ!

 でも、でも、ボクが宰相様を…。

 しっかりおし。おまえは北虎神拳の伝承者になるんだからね。

 え?ボクが?お姉ちゃんは?

 伝承者は長男に決まってるだろ?

 でもボクが伝承者になったらお姉ちゃんは…。

 あたしなら大丈夫。いざとなったらあのハゲ親父殺すから。

 そうなんだ。良かった。あれ?

 あたしには伝承者なんて似合わないのさ。私には世紀末覇者という肩書きが待ってるんだからね。テノール、もし姉ちゃんが道を誤ったらおまえの拳で姉ちゃんを正してね。それが姉ちゃんを殺すことになっても…。

 お姉ちゃん!

 う〜む、すばらしきかな。姉弟。美しい姉は弟を慈しむあまりその未発達なピーに手を伸ばすのであった。あ、お姉ちゃん、そんなとこ汚いよ。いいえ、あなたに汚いところなんかないわ。お姉ちゃんがあなたを大人にしてあげる。ああ!おねえちゃ〜ん!

 うぉ!貴様生きておったのか!しかも信じられんこと口走りおって。それならわしも負けん!お姉ちゃん、ボクなんだか変だよ。あそこがジンジンしておしっこ出そう。いいのよ!お姉ちゃんの中で!ああ〜〜!

 北虎柔波斬!!

 ウホ!南斗五里星山のりょう、参る!

 なぜ、わしだけ…?

 奥義!!南斗十字拳!!

 北虎無想転生!!

 お待ちなさい!ドッパ〜ン!!

 うほぅ!何かが海から飛び込んできたあ!

 ふん!邪魔が入ったね。

 私は古代の騎士アンモ!今日から陛下のロイヤルナイツを任せられることになった。いきなり団長とは恐縮だが、以後よろしくお見知りおきを。

 陛下、騙しすぎは人間関係に悪い影響を及ぼします。

 騙しではないぞ。実はロイヤルナイツは以前からあったのだよ。おめでとうアンモ、君が団員第一号だ。

 な!私一人ですか?

 ショックでしょう。ひどい犬だ。

 な、なんと光栄なことか!

 こいつまじか…。(世の中は広い、しかしこいつ、わしとソプラノの間に割って入った。かなりできる。逆らわないでおこうっと。←現実主義)

 この人だ…。