第23回 強さという名の下に

 今日もいい天気だな。なあ、新入り君?

 はあ、そうですね。ところで僕は何でこんなところに?

 何を言ってるんだい?君はこの間、会社を追い出されて路頭に迷っていたところをうちの団長に拾われたんじゃないか。

 そう言えばそうだったかも。

 なんかぼうっとしてるね。

 朝ですから。

 定温動物なんだね。

 

 ええ、まあ。ところでさっきからあそこで覗いているのは誰なんでしょう?

 覗き?ここには女性はいないぞ。いや、一人女性のようで女性ではない人がいるが。誰だろう?

 来てしまったよ・・・。

 おまえは!?

 その気がなくとも・・・。

 踊りで勝負!

 兄さん!

 バリトン!久しぶりだなあ。

 兄さん、大変なんだ!父さんが来てる。

 えぇぇぇっ!!

 兄さん、変わらないね。

 なんでそんな大事なこと黙ってたんだ。

 ほう、親父が来ているのか。

 姉さん、いつの間に・・・。

 お父様がいらっしゃるのね。



 そのころ町では・・・


 むう、道に迷ってしまった・・・。我としたことが・・・。母さんさえいればこんなことにはならなかったのだが。

 あら?あの顔、右目に大きな傷跡・・・、どこかで。

 大体、バリトンが勝手にどっかへ行ってしまうのがいかんのだ!

 もしやあなたはバス・ボイス殿では?

 ん?うぬは?

 お忘れになりましたの?フドウですわ。

 フドウだと?冗談を言うな。我が強敵(とも)フドウは確かこんな奴だったはずだ。

←こんな奴

 ダイエットしたんですわ。(さらり)

 そんなわけあるかぁっ!

 冗談ですわ。私アンモです。

 古代の騎士アンモか!

 思い出したようですわね。ところでなぜこの国へ?

 ふふ、わが子虎達に会いに来たのよ。

 なるほど、世界最強の異名をとる猛虎バス・ボイスも自分の子供は可愛いのですね。

 ところで我は城へ行く途中だったのだ。だが道に迷ってしまってな。

 なるほど、あなたがこんな所にいるのはおかしいと思いましたわ。

 こんな所?

 ここはオカマ・バーですわ。しかももう店の中です。

 なにぃ〜!!

 周りをご覧なさい。

←まわり其の一

←まわり其の二

 こ、こいつらは・・・。

 勝負をするならやめた方がいいですわ。こういう時の国王と宰相は無敵ですの。

 国王と宰相!?

 そろそろ帰るのじゃよ。

 そうですな。ハァ、ハァ。

 お二人で50万円になります。(身を隠してバイト中)

 なにっ!

 50まんえんですと!

 払っていただけないの?

 そんな金はない!

 困りましたね。ちょっとゴリラさん?

 あぁ〜?ゴリラァ〜?

 うらぁっ!!バキィ!

 うおぉぉ・・・。

 ぬぉっ!宰相が!

 50万円です。

 強いうさぎだな。

 ・・・。

 うぉ!そこのお方!武人と見た。お助けくだされ!あ、アンナ殿。(まだアンモの妹だと信じているらしい)

 助けを呼んでいるようだが。

 知らない人ですわ。

 !?

 国王なのでは・・・?

 さて、城へ行きますわよ。

 う、うむ・・・。

 ま、待つのです!ワシも連れて行ってください。今ならゴリラもついてきます。お得ですよ?

 悪いけど私、ネコが好きですの。

 実はわしは醜いネコの子だったのですよ。ネコに育てられました。

 でも結局イヌだったのでしょう?

 ぐ・・・。そうなるかもしれません。

 じゃあ、ご機嫌よう。

 うぉぉっ!走り出した汽車は止まらないのですか!?

 50万!

 帰っても良いのか?

 私はここの従業員ですもの。

 味方だと思ってたら敵でした・・・。


 さあ!なんだか話の本筋と関係なくピンチに陥っている陛下と宰相。次回どうなるか?(きっと何事もなかったように登場するに違いない)はるかさんの息子はどうなったんだ!いくつもの謎を秘めつつぶんぶんワールドは話を進めていく・・・。これでいいのか?