第十六回 新春ババ抜き大会

 今年はぶんぶん王国城内で新春ババ抜き大会が行われましたのでその模様を一部公開します。

 ナレーターは私、アンモが引き受けますわ。今年もよろしくお願いします。メンバーは以下の通りですわ。

 なんでもわしが一番なのじゃよ。

 ババ抜きなら負けたことがありませんよ。うほほ。

 何でボクが・・・。

 よろしくお願いしま〜す。

 さて、栄冠は誰の手に?それでは、1回戦スタート!!

  

カード配り中

  

 ぬうぅぅ…。一組も捨てられんではないか…。

 うほほ〜!2枚になりました!(1枚ババだけどね)

 ああ〜!全部バラバラ…。何でボクっていつもこうなんだ!

 るんるん。あと5枚。

 では!陛下からどうぞ。引くのは宰相のカードですよ。

 (むむっ、こやつもう2枚になっておるではないか!)

 (ババは右になります。)

 モビルスーツ(カード)の差が戦力の差ではないということを、教えてやる〜っ!!これじゃあ〜〜!!(右)

 ぬおぉぉ〜〜!!

 うほほ!悲しいけどこれ戦争なのよね。

 あら、陛下にババが行ったみたいね。次は宰相がテノールから引きます。宰相はあと一枚なので上がりもあるわけですね。

 どきどき

 ちっ。

 違ったみたいですね。

   

そして何周目かが過ぎた。

   

 やったー!いっちばん!

 奇跡だー!ボクが二番なんて!!

 波乱です。波乱が起こっています。一位有力だった宰相がまだ上がれていません!!しかも国王の手にはあとカードは一枚!!ババは宰相に握られています!!誰がこんな事態を予想したでしょう?場はますます緊迫して参りました。

 この勝負、絶対負けんのじゃよ。右か左か、運命の分かれ道…。

 この勝負絶対負けられん。陛下、ババは右にあります。

 これは?宰相がババの位置をばらしました。しかしこれは…。

 宰相は嘘をついているのかもしれんのじゃよ。

 やだなあ。日頃お世話になっているお礼ですよ…。

 なぜそこで目を伏せる?後ろ暗いところがあるのじゃろう!右のカードを貰い!

 国王が臣下の言葉を信頼できない…、寒い時代だとは思わんか…。

 おのれぇ。裏の裏とは…。

 ババは再び国王の手に渡りました。

 宰相、ババは左じゃよ。

 同じ手には引っかかりませんよ。ババは右です。左側もらい!

 にょほほほほ!ばかめ!裏の裏の裏じゃ!

 ならば私は。もう何も言いますまい。右か左か!さあどっち!?(ババは左)

 右じゃあ〜〜!!

 おい、こら!

 な、なんじゃ。はやくよこせ。

貴様なんで自分の任務を果たそうとしないんだ!

 にんむぅ?わしの任務って何じゃ?誰がいつそんなものを決めたんじゃ!わしは右だと思ったから右だと言ったんじゃ!早くよこせ!!

うがぁっ!!

ばちこーん!!

 な、殴ったな、宰相。

 ああ!殴ったさ!!何が悪い!!!貴様はいいさ!そうやってぐだぐだ文句言ってればいいんだからな!!

 わしがそんなに安っぽい人間かぁ!

 ぶちっ。うごああぁあ!

 どかーん!!

に、二度も…。オヤジにだってぶたれたことないのに!!

だから甘ったれだというんだ!殴られずに一人前の芸人になった奴なんているもんか!

 わしはもうやらんからな。誰が二度とババなんか引くものか。ぜぇったい引かないからな。

 ああ、結構だ。だが国王、いまのままじゃあ、貴様は虫けらだ。残念だな。あんた程の才能があればミスター・ボルドー(知る人ぞ知る一流芸人)だって越えられると思っていたんだがな。

 あ、宰相!行ってしまった。宰相、訳のわからないことを呟いて行ってしまいました。こ、これは?

 わしの勝ちじゃよ。元々な。誰がミスターボルドーじゃ。今時一輪車で頭に吸盤もなかろう。

 頭に吸盤?それより陛下、大丈夫なんですか?

 なにがじゃ?

 も、もう治ってる…。たった一コマで。

 それよりアンモ、正月といえば姫初めじゃな。

 この人はそういうことをさらっと…。いやん!ばきっ

 ぐおぉあ・・・。ぽて。


 正月早々から死にかけの国王!果たして大丈夫なのか?次回はたぶん何事もなかったように出てきます。それでは今年も王国をよろしくお願いします。