第十四回 「覇王の資格」

 弱者をいたぶるなんて許せません。

 誰だか知らないけど私の邪魔をするきかい?

 ・・・。

 弟のこの姿を見て何とも思わないの?

 これがボイス家の教育方針なんだ。邪魔をすれば誰だか解らなくとも殺すよ。

 あなたが?これは少し痛い目を見ないと解らないようね。

 ほざいたな!受けてみよ!北虎神拳奥義、北虎百烈拳!!

 ふ。

うぉおりやぁぁぁぁああ!!

 うふふ

ぬぅおぅりゃぁぁぁぁぁ!!

 見ていられないわね。ほら!シュパンッ

 ぐぅぉおお!攻撃が全く見えなかった。

 ほら、もう一回。シュパン!

ぬぅぅ・・。うぉぉお!いかん!覇王は地に膝などついてはならないのだあ!

 あはは、覇王?あなた程度の人が覇王を名乗るなんて片腹痛いわ。とんだ井の中の蛙ね。もういいわ。沈めてあ・げ・る。

 わあああ!まってぇぇぇ!

 テノール!気が付いたのね。

 お願いです!団長!もうお姉ちゃんを許してあげてください。

テノール、情けは受けないよ。おまえ!世界にはおまえのような人間がいくらでもいるのか?

 いくらでも、と言うわけでもないけど知っているだけでも数十人。

解った。テノール!お姉ちゃんは旅に出るよ!そいつ等を全員倒す日までここには帰ってこない!

ええええぇぇぇっ!

 さらばだ。私の後釜にはメゾを頼んでおく。

 メゾ!まってぇぇぇ!メゾは駄目!メゾはだめだぁぁぁあ!

 さらば

 行ってしまったわね。ところでメゾって?

 今年12歳の妹です。

 あら、可愛い頃じゃない。

 僕今から旅に出ます。

 こんにちわー。ソプラノお姉ちゃんの代理できました、メゾです。

 ビクッ!!

 や、やあ。早かったね。メゾ。

 だって…、お兄ちゃんに早く会いたかったんだもん。

 あらぁ。可愛いじゃないのぉ。お兄ちゃんに会いたかったんだもんって、仲がいいのね。

 ええ、まあ。

 私はこの国の騎士団長のアンモよ。よろしくね。

 すごーい。女性なのにお強いんですね。

 え?まあいいわ。

 私、このお城でお姉ちゃんに変わって新しいコーナーを始めます。見に来てくださいね。