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テノール、今日君を私の部屋に呼んだのは他でもない。団長室の掃除をして欲しいからだ。部屋を美しく保つことは騎士道に適っている。
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え〜!それはなんかこじつけっぽいですよ。
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こじつけ?では君は部屋が汚れていても良いというのだな?
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そうじゃなくて、なんかボクに…
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私が君に掃除をやらせるためにこじつけていると?悲しい。そんな風に思われていたとは…。
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解りました。やります。あ!天井!
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なんだ?
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さ!(アンモの鎧の中をのぞいてみる)
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何もないじゃないか?
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うぇぇぇん。怖いよぉ。
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どうした!アンモ。何があったのだ?
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うう、目が、目が光って…。ぐす。
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いったい何があったんだ。大丈夫か?
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はい。ぐす。いってらっしゃい。
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じゃあ、帰るのは夕方くらいになるのでよろしく。
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さて、団長は行ってしまった。それにしてもさっきは本当に怖かったなあ。興味半分で団長の素顔を見ようと思っただけなのに。あの鎧の下にはどんな姿があるんだろう?
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・・・。
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あれ?これは、団長の日記だ。まめな人だなあ。・・・。ちょっと見てみようかな?団長の正体も判るかも知れないし。
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○月△日 晴れ 町に出てみる。やはり鎧を脱ぐとすがすがしい。
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!!。鎧を脱いで?脱いでいるときがあるの?文章から正体が判るかも・・・?
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いつものカフェに入る。ここのウエイターはかなり好みの顔だ。今度声をかけてみようかな?でも名前もまだ知らない。何かいい方法はない?
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・・・。 ウエイターって確か男の人だったよね。まさか!団長って。そうなの?
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○月□日 曇り 今日はすごく幸せ。思い出すだけで頬がゆるむ(*^^*)。気に入っているウエイターに声をかけた。彼の名はゾディアック。16歳の可愛い少年だった。何で知っているかというと声をかけたら彼が仕事の後、食事につき合ってくれると言ったからだ。すごくいい雰囲気だった。彼はすごく大変な人生を送っていて25人もいる兄を追いかけてその体にタッチしなければ一人前になれないらしい。その為か歩いているときでも突然隠れたり、走り出したり不審な行動が多い。でも理解してあげなくちゃね。
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ゾディアック…、どういう人なんだろう?すごく変わってるけど。それにしても本当に団長はアレなんだろうか?可愛い男の子が好きなのかあ。あれ?もしかしてボクも?
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○月◎日 雨 もう耐えられない!彼は私のことなんか愛してくれていない。悔しくて涙が出る。彼ったら初めてのキスだったのにお互いの唇が触れる瞬間、突然兄らしき人がいたとか叫んで走っていってしまった。なんなの!
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・・・。 終わったのか。とりあえず、キスはまだ?それにしてもますます判らないなあ。団長ってどんな人なんだろう。
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じー。
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総合すると団長は時々鎧を脱いで町へ出かけている。好きなウエイターがいたがふられてしまった。ちなみにその彼は16歳の少年。おそらく美少年だろう。そう言えば中世では少年を愛すると言うことが高貴なことと捉えられていた頃があったような。
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何をしてるんだい?
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え?げぇぇ!!お姉ちゃん!
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せっかく様子を見に来たら、他人の日記を盗み見るとはいい趣味じゃないか、ええ?
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こ、これは、たまたま見えて…。
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言い訳?おまえ自分がボイス家の人間だと言うことを忘れたの?
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ごくり。
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私はおまえをそんな風に育てた覚えはない!喰らえ!愛の拳を!おらあ!ばき!どか!ぼこお!
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ぐぇ!ごめ、うがぁ!おね、やめ、うわぁああ! (白目をむいてしまった。)
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こらあ!三発殴ったぐらいで気絶すんじゃねええええ!百烈拳はあと97発残ってるんだよ!
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おねが、ぐぉお!ゆる、げえぇ!ばた。
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ち、まだ5発目だってのに!仕方ない、今日はこれで許してやるか。二度とこんなまねしたらゆるさないからな。
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そして、夕方。
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(まだ気絶している)
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ただいま、テ、テノール!いったい何があったんだ?
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ん?団長。
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ひどく殴られているじゃないか。いったい誰にやられた?
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うわああ!ボクは普通なんです!女の子が好きなんですぅ!てごめにしないでえ。
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何を言っているんだ?
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いやああ!さわらないでぇえ!
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テノール…。
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うぇええん。団長だけはまともな人だと思っていたのにぃ。ばたばた(逃げていった)
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あ、日記が開いている。まさかテナーはこれを見たのか!参ったなあ。完全に誤解したみたいだ。いつかきちんと話しておかないと。よいしょ(鎧を脱いだ)。
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私が「オカマ」だってことを(OK←何が?)。
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うう…、ボクはいったい誰を信用したらいいんだ。それともここでは普通の人は生きていけないのか。(あたり)
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おお!テノール。目が覚めてみたいだね。残り95発受けてもらおうか!
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うぇぇん、ボクはどこに行ったらいいんだよお!
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オラオラオラオラオラオラオラァ!
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チーン
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あ、あなた!実の弟になんてことを!?弱い者をいたぶるなんて…、思いっきり騎士道に反しますわ。
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あんた誰?あたしとやるの?
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