第十一回 アンモの妹?

 ・・・。すたすた。

 あれ?誰だろう?騎士団訓練場は関係者以外立ち入り禁止のはずだけど。ちょっと待ってくださ〜い!

 あら?何かしら?

 ここは関係者以外立ち入り禁止です。入るなら身分を証明して頂かないといけません。

 何を言っているの?テノール、私は…。

 え?何でボクのことを知っているんですか?

 え?え?あ〜〜〜っ!

 うわぁ!いきなり大声出さないでくださいよ。

 ご、ごめんなさい!あなたのことは兄から聞いたの。私は、・・・。そう!アンナ!アンモの妹なの。

 アンナぁ?初めて聞きますよ。それに今名乗る前に少し間がありましたね。考えてたんでしょう?

 く!成長してるわね、テナー。でも嘘じゃないわ。

 じゃあ今団長に確認を取ってきますから申し訳ありませんがここで少し待っていてください。

 え?そ、それは駄目よ!そう!今は兄は留守なのよ!きっとそう!間違いないわ!

 何で解るんですか?怪しいなあ。とにかく団長室に行ってみます。それまで待っていてください。もしいなくなっていたら指名手配にしますからね。

 ・・・。行ってしまったわ。困ったなあ。どうしよう。もし指名手配なんかされたらもうお忍びで町に出られなくなるわ。何とかしなくちゃ。

 およ?こんなところでどうしたのじゃ?ここは関係者以外立ち入り禁止のはずじゃぞ。

 あ、陛下!私はアンモの妹のアンナです。実はテノール君が信じてくれなくて。

 ほう!アンモにこんな美人な妹がおったのか。解った。余が何とかしてやろう。

 目がやらしいですわ、陛下。

 うぉ!そんなことはないぞよ。まあわしに任せておくのじゃ。

 団長はいませんでした。あれ?陛下じゃないですか?

 うむ、様子を見に来たのだがこのご婦人が大層困っておるらしいので話を聞いていた。

 陛下!この人は不審人物ですよ!団長の妹を騙っているんです。

 いや、このご婦人はアンモの妹君じゃよ。わしが保証する。良いな?

 駄目です。

 !

 ・・・。

 ボクは戦艦の砲撃をさせられたことを忘れていませんから。

 陛下の信用ゼロね。

 !

 いいのじゃ。どうせわしなんかダメダメ国王なんじゃよ。今日からダメダメ王国のダメダメ一世として生きるのじゃよ…。  チラッ。

 ふーん。

 ・・・。

 わしってアレじゃろか?ロバート・デニーロ?あやつって西川のりおに似ておるよな?のりおちゃんっでぇぇっっす!てデニーロがやるんじゃろうか?いかなる状況下ですか?だとしたらわしがおさむちゃんなのじゃろうか?

 現実逃避?

 しばらくすれば帰ってきます。それよりあなた、今日は帰って頂きます。団長には報告しておきますから。改めてお越し下さい。

 あら?あなたにそんな権限があるの?もし私が本当にアンモの妹だったらどうするの?責任取れるの?

 がっ!

 うちの兄は怖いわよ。とくに女性に関することはね。永遠に見習いのままかも。

 ぎっ!

 それで済めばいいけど私が帰りに暴漢にでも遭ってひどい目に遭うなんてことがあったら兄は一生あなたを許さないでしょうね。

 ぐっ!

 ああ、あの時テノールが妹を帰してさえいなければ…。

 げっ!

 兄はあれでも結構激情家だから斬・る・か・も。

 ごぇえええええ!

 ボクってアレなんでしょうか?ぼんちおさむ?はぐれ刑事純情派。派って何なんでしょうね?派閥?はぐれてるくせに?そういうのは無派閥って言うんですよね。ぼんちおさむもやっさんのグループなんでしょうか?おさむっちゃんっっでぇええっす!!

 のりおっちゃんっでぇぇええっす!!ツッタカター、ツッタカター。

 君なんやねんそれ?

 のりおちゃんのテーマやないかい。

 ・・・。 なんだかよく解らないけど今のうちに通ってしまおうっと。

 ええ声〜〜!

 おまえそれは他人のネタやないかい!

 ふう。今日は危ないところだったわ。気を付けないと。ところであの二人どうしたかしら?

 そんな奴おらへんでぇ。

 もう君とはやっとれんわ。

 はっ、わしは何をしておったのじゃろう?あれ?あのご婦人は?

 う〜ん、どうやら帰ったようですね。おかしいな、ボクも記憶がないや。

 自然に戻ったみたいね。


 突然現れた、アンモの妹アンナ、しかし少し様子がおかしい。いったい彼女の正体は?そしてアンモはどこに行ったのか?次回へ続く。