子育て

 最近、親が過保護すぎるといった話をよく耳にします。でもそれに対する具体案は何も出されていません。どうすればいいのでしょう?
 10年くらい前からだったでしょうか、次第に子供に対する体罰をやめようという声がささやかれてきました。背景には体罰が行き過ぎて怪我をさせてしまうケースが増えたことや、親の虐待が表面化してきたことなどが挙げられるでしょう。しかし、それにより過敏になりすぎた親は必要なモノまで禁止してしまい、今や体罰の「た」の字も認められない世の中になりました。
 では必要なモノとは何でしょう?それは体罰です。勘違いしたい人はどうぞ勝手にしてください。ここで意味がわからない奴を相手にするつもりはありません。
 子供のしつけは犬のしつけに通じるところがあると思います。「子供と犬は一緒ではない」はい、解ってます。バカの相手はできないのでこのまま話を進めます。
 犬のしつけの仕方を知っているでしょうか?犬というのは悪いことをしたらその場で怒らなければなりません。たとえば庭を掘り返したりしたらすぐさまその場へ連れて行き、激しく叱責したり、叩いたりしなければならないのです。そうしなければ犬はあっという間に自分のやったことと、怒られていることが結びつけられなくなってしまうのです。犬だから怒られていることの内容までは理解していないと思われます。ですがそれをしたから今怒られている、叩かれている、ということは解ります。そうやって犬はそれをしなくなります。なぜしてはいけないのか、などは解っていません。ただ、それをやったら怒られる、という経験を覚えているだけです。
 子供にも同じことが言えると思います。子供の未熟な思考力でなぜやってはいけないのか、まで理解させるのは無理です。「うん、解った。」などと言ってもそれは言っているだけです。しかし、子供は犬ではないので成長するに連れ、どうしてそれをやってはいけなかったのかということをいつか理解することができます。だったらそれまで待っていればいいじゃないか、という声が聞こえそうですがそうではないんです。子供の頃に注意されていなければ大人になったってそれが悪いことだときちんと理解できないんです。子供にとって注意されないことは悪いことではない、とインプットされてしまうからです。その為にも本当に悪いことはその時子供が理解できていなくても叩いてでもやめさせるべきなのです。
 人間はインプットされていないことはいつまで経っても本当に理解できない動物だと思います。
 さて、その為に大人がすることは大人として子供と接しよう、ということです。どこまで叱るのか、いつ叩かなければならないのか、それらを見極めるのは大人の役目です。それを間違えると子供の存亡を危うくします。すでに危うくなっていますが。
 怒られなくなった子供達がそろそろ大人として社会に出始めてきています。最近は高校生や20代前半の若者などが人間として信じられないような残酷な犯罪を犯していますね。かつてはそれは一般社会に受け入れがたい異常心理を持った人や、虐待などで精神的に破綻をきたしている人たちの物でした。しかし、今は普通の人が突然そういう犯罪を犯しています。そろそろ気付いてもいいんではないでしょうか?昔の教育方法の方が今よりもずっと正しかったということを。
 また犬の話をしますが犬は密かに自分を含めた家族全員をランク付けしていると言います。これは犬が群れで暮らす習性を持っているかららしいのですが怒られずにただ甘やかされて育った犬は自分が家族の主人であると誤認するそうです。そういった犬は自分が気に入らない家族に危害を加えたりするそうです。
 もちろん子供も見ていると思いますよ。子供達も家族をランク付けしているはずです。はっきりそう意識していなくても親の言うことは聞かなければならない、弟は自分より下の存在だ、という具合です。そこで親が威厳を失ってしまったらどうなりますか?犬と同じです。親の言うことなんか聞くわけがありません。正しい人間に育てるためにはこの家族のランクが正常に理解されていなければならないはずです。親と子供が同等なんてとんでもない!教師と子供が同等?片腹痛いです。子供にとって同等は同じ子供だけです。親は子供を育てていますし、教師は子供に勉強や社会の仕組みを教えています。子供は養われる立場であり、教えを請う立場なのです。絶対に同等ではありません。大人が老人を労らなくなったことに原因があるのかも知れませんね。
 人間は目上の人間を敬わなくなった時点で成長が終わります。大人となった我々もまた老人を敬い、教えを請うべきです。年寄りは新しいことはできないかも知れませんが人間として大切なことは我々よりよく知っています。社会が発展し、いろいろな物が開発されて便利になった世の中でも人間としての生き方はきっと昔からあまり変わっていないはずです。結婚もしていない独身男が偉そうに子育てなどと吠えてきましたがまずは我々が先人達から学ぶべきなのかも知れませんね。そしてそれを子供に伝えることが子供達にとっての幸せなのかも知れません。
 以上、国王の独白でした。