映画の園

インソムニア

 見る価値 ★☆☆

 よく解らなかったというのが本音です。舞台はアラスカ州。そこでケイという少女の変死体が見つかります。彼女は殴り殺されて全裸でゴミ捨て場に遺棄されていたのです。

 不思議なことに少女の死体は髪がきちんと洗われ、爪も切られていました。つまり身なりがきちんと整えられていたのです。

 そこでロス市警より腕利きのドマー警部補と相棒のパッチが呼ばれてきます。しかしこの二人、実は問題を抱えているんです。

 近々、ロス市警に監査が入る予定でした。そこで内務省の何とか(爆)という人が点数稼ぎのためにドマーの不正を暴く算段を立てていました。

 ドマーは決して悪徳刑事というわけではなく、むしろ正義感の強い信念を持った刑事でしたが、昔一度だけどうしても証拠のでない事件で証拠をねつ造してしまったことがあったのです。

 しかし、ドマーの過ちはその一件のみでしかもそれは誰も知らないことです。そこで内務省の何とかさんは相棒のパッチが麻薬の売人から金をもらって見逃してやったことがあるという件に目をつけ、ドマーが証拠をねつ造していたことを証言すれば、軽くすませてやると持ちかけていたのです。

 パッチは家族もいて、汚職の件がばれると、非常にまずい立場にいました。だから悩んだ末にドマーのことを証言すると言い出しました。それがこの物語のはじめの方のストーリーです。

 ところで事件の捜査も進んでいて、彼らは犯人を追いつめるところまで行きます。ですが周囲が霧に包まれていて視界が悪く、犯人に逃げられてしまいます。それを追う二人、そこでドマーはパッチを射殺してしまいます。もちろんわざとではありません。

 ですが彼はそのことを犯人に撃たれたのだと嘘を付きました。今パッチを撃ったとなれば彼がパッチの口を封じるために撃ったように見えるからです。彼は自分の不正が暴かれることよりも裁判をやり直して、証拠をねつ造して逮捕した犯人が釈放されてしまうことのほうが許せなかったのです。

 次の日、彼の元に少女殺しの犯人と思われる男から電話がかかってきました。彼はドマーがパッチを撃ったところを見たというのです。犯人は自分も少女を殺したのはわざとやったことではなかったので協力してほしいとドマーに持ちかけます。

 ドマーは葛藤します。とまあ、内容はこんな所です。あとはドマーが精神的に追いつめられていくところとかが見所だとは思うんですが僕はこの作品の伝えたいところがよく解りませんでした。そんなわけで今回は1点です。

パイレーツ・オブ・カリビアン

 見る価値 ☆☆☆

 今回はレンタルビデオじゃないんだけど見に行ったので評価しておきます。

 なんと0点!CMとかすごくて期待値が異常に高かったために落胆によるマイナス点が大きかったのでした。

 なんか有名な役者さんが出ていると話題だったようですが僕は役者さんが誰とかはどうでもいい人間です。もちろん役者の演技力は評価しますけど。

 何というか、この作品は山がないんですね。はっきり言って盛り上がりに欠けるわけです。いや、盛り上がるべき場面はあるんですけどなんか使い道間違ったというか、盛り上がったまま終われないんですね。

 この映画の見せ場はCMとかでも解るように、海賊達が月明かりを浴びた瞬間にゾンビへと変貌していく場面だと思うわけですね。なのにそれが前半で出てきてしまって、しかもそれを超える盛り上がりが以降出てこない。だから全体的にだらだらした雰囲気を感じてしまうというわけです。

 実際、後半は、いつ終わるの?なんて考え始めていました。

 題材も良く、お金もかかっていそうなのに、それを生かし切れていないのは非常に残念です。やっぱり映画は見終わったあと興奮が冷めないようにしなくちゃいけませんね。


REM

 見る価値 ★★☆

 今回のストーリーは何というかよくわかりません。一言で言うと「何だか解らないけど奇妙」という感じです。

 エディという大学教師が朝目覚めると、妻がいません。彼女は昨日仕事に行ってから帰ってきていないのです。エディは警察を呼びます。

 最初に言っておきますがこの映画は妻を捜すとかそういう類の推理物ではありません。あくまでもこれは重度の不眠症であるエディが妻の失踪を期に幻聴や幻覚を見始めて精神的に追いつめられていく過程を楽しむ物です。

 結局、妻はどこへ行ったか、生きているのか死んでいるのかさえこの映画は語ってはいません。

 ところでこの映画は現実と妄想の世界が複雑に交差して見ている者に何が現実で何が妄想なのか解らないように作られています。精神病院に勤めている僕としては、患者さんが幻聴を聞いていたり妄想体験をしているときはこんな感じなのかもしれないな、と思ったりしました。

 今回は結果を見せないので不満は募りますが視点を変えて過程を見ると思えば納得できる内容だったので2点とします。


プロフェシー

 見る価値 ★☆☆

 英語名は「THE MOTHMAN PROPHECIES」です。直訳すると「予言する蛾男」というところでしょうか。つまり日本名プロフェシーは予言だけを抜いたものです。

 この話、タイトルの通り、”予言”が一つのキーワードとなっています。だけど、はっきり言ってお話自体は何がなにやら、ってかんじです。

 蛾男というのはアメリカでは有名らしく、不吉な予言を残していく、日本で言うところの妖怪みたいな存在のようです。この話は蛾男の不吉な予言に振り回されることになった人々と実際に起こった大事故を結びつけて物語を構築したような感じです。

 だからなのかもしれませんが、蛾男という観念のない私が見ても今ひとつ理解しづらく、また怖さもよく解りませんでした。この映画はある程度、蛾男に対して知識がないとちゃんとした怖さは伝わってこないな、と思いました。

 でも、この映画を見終わったらきっとあなたの中に一つの疑問が残るでしょう。今回は1点です。

完全犯罪クラブ

 見る価値 ★★☆

 英語名は「MURDER BY NUMBERS」です。しかし「数字による殺人」という意味は全くわかりません。

 この物語はリチャード・ヘイウッドとジャスティン・ベンデルトンという非常に頭の良い二人の高校生が完全犯罪をやってのけようと、全く関係のない女性を殺害します。

 彼らは非常に狡猾で、犯罪プロファイリングにまで留意して反抗を犯しています。そのため警察の捜査は惑わされ、事件は二転三転します。

 この作品非常におもしろいです。犯人は最初から解っているんですがその手口が明かされていない。それを主人公である女刑事キャシー・メイウェザーが解き明かしていく。それが明快でとても良いです。

 キャシー・メイウェザー役はサンドラ・ブロックです。きれいな人ですよね。今回は監督も務めていました。なかなか筋道の立ったいい作品でした。2点です。

踊る大捜査線 THE MOVIE

 見る価値 ★☆☆

 僕は「踊る大捜査線」をテレビで見たことがありません。だから今回の評価は純粋に先入観なしの映画の評価です。

 今回の映画は正直「ありきたりの寄せ集め」としか見れませんでした。しかも無理に伏線を詰め込んだ結果、話がちゃちくなっているのが一目瞭然です。

 まず、小泉今日子の役どころ、あれは羊たちの沈黙のレクター博士を狙っていたのでしょうが全く生かし切れていません。だいたい、羊たち〜のクラリスと同じように事件について意見を聞きに行ったのに、テープだけ聴かせてこれは子供だ!って・・・。意味なさ過ぎ。

 しかも小泉今日子なんか全くの性格破綻者じゃないですか。猟奇事件を犯しているということでそれらしく見せようとしたのでしょうが、開腹して胃の中にクマのぬいぐるみを入れてあとで刺繍用の糸で閉じたとか・・・。

 はっきり言ってそれほどの天才なら胃袋にクマのぬいぐるみ入れるくらいのことはしても後始末はもっと完璧のはずです。レクター博士みたいにできるはずです。しかもふらりと警察署に現れて訳も解らず逮捕されるなんて全くスマートではありません。ここが無理矢理伏線を詰め込んだというのです。

 しかも小泉今日子というカードを手に入れたのならもっと事件は複雑でなければなりません。あんなただの危ないインターネットマニアみたいなのがゲーム感覚でやっている犯罪で、超エリートの集まる警察庁の捜査を攪乱できるか?はっきり言って超大甘な設定だと思います。この企画立てた奴はストーリーなんか適当で良いと思っている。先週、完全犯罪クラブを見たばかりなので、余計そう思います。

 犯人像もあり来たりで外ではおとなしい子が家では主人面して母親に対しても権力を持っている。そして母親も親馬鹿でどうしようもない。すごくよくある話です。何度も言いますがポストレクター博士を持ち出したのなら犯人はもっと頭のいいところを見せるべきなのです。計画性もなくただの馬鹿な子供なら、小泉今日子は要りません。

 今回は怒りばっかりです。テレビではどうだったか知りませんがよくもまあこんな陳腐な内容で映画化したモノだと思います。テレビ人気だけで売れた映画なのでしょうか?今回一点がついたのは所々で見られるギャグが結構おもしろかったからです。パート2はちゃんとやっているのでしょうか?