グッド・ウイル・ハンティング

 見る価値 ★★★

 今回は本当に泣けるお話です。見てよかった。

 天才的な頭脳を持ちながら、恵まれない環境で育ったウイル。彼はある日人生の転機を迎えます。マサチューセッツ工科大学のランボー教授にその才能を見いだされたのです。

 しかし、養父に虐待を受けて育った彼は性格に少し問題がありました。他の事情もあって、ランボーはウイルにカウンセリングを受けさせることになります。

 そこで出会ったのがランボーの大学時代の友人であるショーンでした。この物語はウイルとショーンの心の交流を描いた物語です。

 ショーン役をやっているのはロビン・ウィリアムスなのですが、彼は本当に優しい顔をしますね。彼のほほえみを見るだけで救われます。

 そして胸を打たれたのがウイルの親友の言葉です。チャッキーという名の男性ですが、彼もウイルと同じスラム育ちの、はっきり言ってしまえば不良です。彼はウイルと建設現場のバイトをしていました。

 「50歳になったとき、俺がまだここにいるのはいい、それは納得できる。だけどおまえがその時まだここにいたら俺が絶対ぶっ殺してやる。」彼はウイルにそう言ったのでした。成功への入り口に立ちながら踏み切れないでいるウイルの背中を押す言葉でした。

 こういうのが本当の友情をいうのでしょう。その友人は親友を失うことより、その親友が成功することの方が喜ばしいことだと言ったのです。これはすごく勇気の要ることだと思います。

 とにかく今回はすごく感動しました。それではまた。


K−19

 見る価値 ★★☆

 潜水艦モノの映画です。今から30年前くらい、アメリカとソ連の冷戦がまだ華やかなりし頃、ソ連は核ミサイル発射可能な原子力潜水艦「K−19」を開発します。

 その目的は二つ、一つは世界中どこからでも核ミサイルを発射できるという脅威をアメリカに与える。二つ目は原子力機関という新しい技術を世界に見せつけることでソ連の技術力の高さを知らしめる。

 この潜水艦の艦長は名誉ある仕事のはずでした。ですが複雑な政治の駆け引きのせいで極端に急がれた建造工程は工事をいい加減なモノにし、部品は粗悪な物でも使うというかなり不安を含んだものとなりました。

 しばらくは順調に航海していたK−19でしたが、やがて事故が起こります。それも原子力機関のトラブルです。何とかしなければ艦内に放射能が漏れるだけでなく、下手をすれば核融合を起こして潜水艦自体が核爆弾になりかねません。そうなれば国際問題に発展してしまいます。

 この物語はそのトラブルを乗り切る過程での人間模様を描いた物です。最後ちょっと感動でした。

 やはり潜水艦モノの魅力はなんと言っても緊張感でしょうね。あの密閉された空間、何が起こっても逃げることは出来ません。深海に潜れば、水圧が艦をきしませます。どこからか聞こえてくるミシ、とかパキとかいう音、今にも圧壊するのではないかという恐怖感、たまりませんね。

 今回の主人公はハリソン・フォードです。渋いです、かっこいいです。是非見てください。


ラストUボート

 見る価値 ★★★

 また潜水艦モノです。今回はマジで良かった。こんな作品があったなんて!という感じです。内容は前回のK−19のような派手さはないものの、潜水艦の緊張感をよく表せています。

 時は1945年、ドイツから日本へ向けて最後のUボートが発進します。このUボートはウラニウムとジェット機の設計図、そしてそれを運ぶ二人の日本軍人を乗せていました。

 ウラニウムと言えば原子爆弾です。日本はドイツからウラニウムを取り寄せて、原子爆弾の開発に取り組むつもりだったのです。

 しかし不幸にもそのことがイギリス連合軍に漏洩してしまいます。イギリス駆逐艦は躍起になって潜水艦を沈めようと追ってきます。

 いいですねぇ、頭上で爆雷が爆発し、艦が揺れるあの緊張感がたまりません。僕は知らなかったのですが爆雷というものは直撃でなくても十分に潜水艦を沈めることが出来るそうです。なんと80メートル離れた場所でもその爆風に煽られた水圧で艦を機能停止にすることが出来るそうです。

 さて、この物語では航海中にヒトラーが自殺して、戦争が終わったことが彼らに告げられます。しかしまだ日本は降伏しておらず、また、ドイツ人の士官の中でも徹底抗争派と降伏派に分かれてしまいます。さて、このUボートは結果的にどういう運命をたどるのでしょうか?

 この物語は一部斬新な、と言うよりも非常に現実的な場面が一部出てきます。これは人間の心理に関わるものでとても難しいテーマだと思います。そのテーマが何かをここで言ってしまうとストーリーを語ってしまうことになるので言えませんが、皆さんもその場面を見たら、あ、と思うはずです。非常に珍しいケースだと僕は思いました。

 この映画は未公開ですが、アメリカ、ドイツ、日本の合作です。しかも国営放送が作ったものです。日本はNHKが制作に入っています。日本人役者も豪華で小林薫、児玉清、夏八木勲といったメンバーです。一度是非見てみることをお勧めします。