FISHER, I.
, Appreciation and Interest -- A Study of the influence of monetary Appreciation and Depreciation on the Rate of Interest, with Applications to the bimetallic Controversy and the Theory of Interest.
, New York, Macmillan for the American Economic Society, 1896, pp 100

 フィッシャー『増価と利子』。初版。
 シュンペーターは、『十大経済学者』のなかで、フィッシャーの名前は、アメリカ最大の科学的経済学者として残るだろうと予言し、彼の偉大な業績は、事実上次の六冊の中に含まれているとする。 
 すなわち、『数学的的研究』(Mathematical Investigation)『資本と所得』(Capital and Income)『利子の理論』(The Theory of interest)『貨幣の購買力』(The purchasing Power of Money)『好況と不況』(Booms and Depression)そして本書『増価と利子』(Appreciation and Interest)である。(中山伊知郎・東畑精一監訳 同書P314.)
 『価格上昇と利子』と訳される事もある本書は、フィッシャーが1895年にアメリカ経済学会で発表した研究報告をもとにして翌年モノグラムの形で公刊した。主たるテーマは、金銀の複本位制である。現代フィッシャ-の方程式と呼ばれる、実質利子率と名目利子率、インフレ率の関係を表す式の原型が、本書にはツールとして用いられている。(中路敬『アーヴィング・フィシャーの経済学』による)

 ドイツの古書店よりの購入。シュンペーターの称揚にもかかわらず、この本の名は経済学史の本の中にも見かけることが少ない。そのせいかどうか、Webcatで見ても図書館の所蔵はないようである。ネット上では、わりあい見かける本ではあるのだが。
 




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(H17.6.記)




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