TOYNBEE, Arnold
, Lectures on the Industrial Revolution of the Eighteens Century in England Popular Addresses, Notes and other Fragments, Rivingtons, London, 1984, pp.xxvii+256

 トインビー『英国産業革命史論』、初版。
 経済史の分野から一冊。 『歴史の研究』で有名なアーノルド・ジョーゼフ・トインビーは、叔父である著者にちなんで命名された。ロンドンのイースト・エンドにある世界初のセッルメントであるトインビー・ホールも著者にちなんだもの。32歳で夭折した著者のためにオックスフォード大学での「18世紀産業革命講義」の聴講生たちが、講義メモとノートをもとに編集し、論文・講演を加えて編んだのが本書である。
 著者は、およそ産業革命1770年から1830年にわたる英国の産業上の大変動を指摘し、労働問題の発生を見出した。「マルクス及エンゲルスは明かに此変動の重要を認めたのみでなく、「産業革命」といふ語をも屡々用ひて居るのであるが、併し英国の学会に此術語を広めたことはトインビーの力である。」(上田貞次郎『英国産業革命史論』大正11年)
 閑話休題、林直道編『経済学名著106選』の本書紹介の著者写真は甥の方だと思うのだが、どうだろう。

 カナダの書店から購入。あまりに廉かったので初版か問い合わせたが、間違いないとの返答。発行年も、ローマ数字ではあるが、1984年と記されている。


本書及び上田貞次郎『英国産業革命史論』初版


標題紙(拡大可能)




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