フランケンウィニー バートン・ワールド復活 / ★★★★☆
自作をセルフリメイクした本作、初期の不気味可愛いバートン・ワールドが蘇ったようでとてもうれしかった。1984年版は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』と同時上映されたときに観ました。当時はバートンの大ファンだった私(『ビッグ・フィッシュ』以降はそれほどでも・・・・)、「幻の傑作、ついに公開」みたいな感じでワクワクしながら観に行き、大感激したことを記憶しています。けっこう混んでいて、十代の男の子の横の席で大泣きしてしまい、ちょっと恥ずかしかったりしたのでした。
|
恋に至る病 グループ円 / ★★★★
染谷将太が出演している女性新人監督の作品ということで、自分的には必見作だったのですが、予想以上に楽しめる作品でした。他人との関わりを拒絶している生物教師マドカ、彼に一方的に恋する暴走女子高生ツブラ、ツブラのただひとりの友達であるモテすぎて恋愛不感症になってしまったスレッカラシ女子高生エン、そしてエンに恋して彼女を更正させようとする童貞高校生マルが織り成すちょっと風変わりなラブストーリー、大胆で柔軟、いかにも若い女性監督らしい作品でした。
|
悪の教典 学園サスペンスホラー / ★★★★
泣けたから感動作、感動的な話が描かれているから良作といった風潮がはびこる、昨今の邦画界(観客も含めて)に対する鬼才三池監督からの反撃ですかね。稀代のサイコパス教師が生徒や同僚教師を大量殺害という、いかにも世の非難を浴びそうな題材を一大エンタテイメントに仕上げた、主流の作品群とは一線を画す三池作品、やはり面白いです。
|
黄金を抱いて翔べ 大阪、おもろい / ★★★★
豪華キャストの顔ぶれが魅惑的で、前情報入れずに楽しみにしてました。何で東方神起が出てるのかなとは思ったのですが、上映が始まったとたん謎が氷解。Avexが一枚噛んどるんやね。見るたびに思うんですけど、Avexの映像ロゴってダサイですよね。そう思う私の感覚が時代遅れなんですかね。というのは余談ですが、東方神起のチャンミンも好演。トラックの荷台に飛び乗る身のこなしにキレがあったので、もっとアクションも見たいぐらいでした。そのチャンミンと妻夫木聡、「このふたり、デキてんのんか」と思わせるような、友情以上のやり取りに泣けます。
|
北のカナリアたち ちょっと違和感 / ★★★☆
キャストも好演だし、ロケーションや撮影も素晴らしく、鑑賞後の印象は悪くなかったのですが、観ている間は何度か小さな違和感を感じました。
|
桃さんのしあわせ アンディも老眼鏡 / ★★★★☆
端正な演出からにじみ出る情感、香港のベテラン女性監督アン・ホイの心に染み入る一作でした。主人公は映画プロデューサーのロジャーと、その一家に60年間仕えてきたメイドの桃さん。ロジャーの親や兄弟はアメリカへ移住し、今はふたりきりで暮らすその主従関係が、桃さんの老いと病いを契機に家族のような関係に変化して行くさまを、ユーモアを交えながら繊細に綴っています。
|
コンシェンス/裏切りの炎 ハードすぎる香港ノワール / ★★★☆
『密告・者』、『ビースト・ストーカー/証人』という見応えのある香港ノワールを放ってきたダンテ・ラムの新作。妻を殺した犯人を捕らえるために暴力も辞さなくなった野獣刑事と何か裏がありそうなエリート刑事が主人公の本作も、ハードなアクションがテンコ盛りの見応えのある作品でした。しかし、銃撃戦激しすぎ、人殺しすぎ、火燃やしすぎで、ちょっと盛り過ぎの感も。何度身体がビクッとなったことか。
|
強奪のトライアングル ユニークすぎる香港ノワール / ★★★★
「香港映画界の3巨匠が挑んだ、前代未聞のリレーション・シネマ」(チラシより)。ツイ・ハーク、リンゴ・ラム、ジョニー・トーという香港映画を代表する監督たちが、それぞれ独立して製作した30分のパートを、繋ぎ合わせてひとつの作品にするという、飲み会の酔った勢いで思いついたような企画を本当に実現してしまう香港映画って凄い!(笑)。
|
アウトレイジ ビョンド 弱い犬ほどよく吠える / ★★★★☆
エンタメ・サイドの北野ワールドを堪能しました。続編として過不足のない作品、まず脚本が秀逸でした。唐突なシーンから始まるオープニングに、前作は二年前の公開時に観ただけで(ただし二度観た)うろ覚えになっていたので、ついて行けるかなと一瞬危惧したのですが、前作を思い出させつつ多くの登場人物を自在に操る緻密な脚本に引き込まれます。意外な展開なのに腑に落ちるところから鑑みるに、当初から二部作を想定していたのでしょうか。前作の伏線もきっちりと回収されて、北野監督の職人技が楽しめました。
|
ヴァンパイア 現実と非現実のあわいで / ★★★☆
岩井俊二の久々の長編劇映画、製作、脚本、撮影、音楽、編集も自ら手がけた岩井ワールド、儚げなピアノの旋律が寄り添う美しい映像、少女の面影が残る女優陣がとても魅惑的でした。
|
ライク・サムワン・イン・ラブ 共感できなかった。 / ★★★
キアロスタミが日本を舞台に日本人キャストで撮った作品。主人公は元大学教授の独居老人、女子大生、その恋人のDV男で、彼ら三人の奇妙な三角関係が描かれます。といっても、状況説明はほとんどないので、それは鑑賞後にようやく了解されること。ストーリーは唐突に始まり唐突に終わりますが、しかし流れるような語り口に魅了されます。くわしい状況は分からなくても。登場人物の感情は確実に伝わって来るという感じで、哀愁を帯びた人間喜劇と呼べる作品かもしれません。ただ、主人公の老人の行動が、どちらかというと滑稽に思えてしまいました。邦題をつけるなら「年寄りの冷や水」でしょうか。と、あまり共感できずにちょっと意地悪な見方をしてしまいました。他にも違和感を感じる部分はあったので、外国が舞台で外国人が演じていたら、もっと楽しめたのではないかと思います。
|
I'm Flash 宗教界のプリンス / ★★★☆
豊田利晃の作品は初めて、藤原竜也がお目当ての鑑賞でしたが、なかなか刺激的な作品で見応えありでした。新興宗教団体を舞台にした静かな活劇(!?)。主人公はこの教団の教祖吉野ルイ。この名前とか、教団名の「ライフ・イズ・ビューティフル」とか、その宗旨「ラッキーよりハッピー」とか、何かいちいち面白いんですよね。極めつけは、吉野ルイは「宗教界のプリンス」。
|
莫逆家族 バクギャクファミーリア 瞼の父 / ★★★☆
何度か予告編を見かけたのですが、第一印象は「東映がまたヒットしそうもない映画を作ってる」。しかし子細に眺めてみると個性派ぞろいのキャストが豪華、さらに監督が『海炭市叙景』の熊切和嘉。かなり興味をひかれて観に行きました。
|
プンサンケ ギドク風味満載 / ★★★★
キム・ギドク製作のアクション映画と思って観に行ったのですが、脚本もギドクが担当しており、彼一流の奇想やユーモア感に満ちたヘンな映画で見応えたっぷりでした。
|
桐島、部活やめるってよ 黄昏の光の中で / ★★★★☆
「金曜日」という字幕が三度目に出た時、ガス・ヴァン・サントの『エレファント』を思い出しました。ある高校を舞台にひとつの時の流れを複数の視点で描く青春群像劇。『エレファント』はあまりカタルシスを感じられない作品で肩透かしだったのですが、日本の高校生のさまざまな感情を描いた本作は共感度も大きく、終盤には胸が熱くなりました。
|
台北カフェ・ストーリー 物々交換カフェ / ★★★☆
音楽や映像がスタイリッシュでオシャレ度の高い台湾映画。主人公はデザイン会社を退職して念願のカフェを始めた姉と、その店を手伝うことになった妹。姉は大学で美術を専攻し、妹は商業を専攻。ロマンティストでソフトな雰囲気の姉、現実的でボーイッシュな妹と、性格も外見も対照的な美人姉妹が見ていて楽しいです。
|
ヘルタースケルター ヴィジュアル系映画 / ★★★★
全身美容整形で完璧な美しさを獲得し芸能界の頂点に立ったスター・りりこの冒険譚が、強力なライバルの出現と手術の後遺症によって残酷譚へと変化する。「結局、私は赤字だったの、黒字だったの?」。所属する芸能プロの社長に対する、りりこの問いかけが胸にささります。社長にとってはりりこは商品。一度は夢を託した存在であったとしても、その商品価値がなくなれば捨て去られる運命なのか?
|
この空の花 長岡花火物語 大林宣彦的ワンダーランド / ★★★★
大林さんにしかできない映画であり、大林さんにしか許されない映画、まずそんな風に思いました。現在と過去が自在につながるファンタジーでもあり、擬似ドキュメンタリーでもあり、反戦映画でもある。序盤の謎めいた導入部に、いったい何が始まるのかとワクワク。そこから言葉の洪水、字幕の洪水で、ちょっと唖然。
|
愛と誠 愛すべきアナクロ感 / ★★★★
予告編に爆笑した時から楽しみにしていたのですが、本編公開までいろいろと噂が聞こえてきて期待が大きくなりすぎてしまいました。とはいいながらも、真剣に遊びたおす三池作品は基本的に嫌いじゃないのでとても楽しめました。ちょっと悪フザケが過ぎるところもなきにしもあらずですが、何か愛嬌があるので許せちゃうんですよね。ただ、いつも思うのですが上映時間が長過ぎる。
|
ムサン日記〜白い犬 白の悲しみ / ★★★★
エンドロールに「亡き友に捧げる」という献辞が出て、その名前が主人公と同じだったので、どういうことなのかと、終映後すぐに壁に掲示してあった解説を読んだところ、監督の病没した友人がモデルで、その主人公を監督自身が演じているということでした。
|
ミッドナイト・イン・パリ 魅惑のパリ / ★★★★☆
とても評判がよいので、久しぶりにウディ・アレンの映画でもと思い立ったのですが、前情報はゼロ。しかし、パリの一日の表情をスケッチしたオープニングのシークェンスから魅了されてしまいました。そのあともモネの庭や睡蓮の間など(モネ、大好き!)、観光案内のようなシーンにうっとりでした。
|
ダーク・シャドウ ダークじゃなかった。 / ★★★☆
ティム・パートンの吸血鬼映画、これは面白そうと思って観に行ったのですが、ちょっと予想と異なる作品でした。しかし舞台となるのが1972年で、音楽や映画など、懐かしいアイテム満載にニコニコでした。あの頃、黒人映画がブームだったんですよね。『スーパーフライ』は未見ですが、黒人女性麻薬捜査官が活躍するクレオパトラ・シリーズがけっこう好きでした、というのは余談です。
|
レンタネコ ニャンコの力は偉大だあ! / ★★★★☆
さびしい人に猫を貸すレンタネコ屋さん(市川実日子)が主人公という、相変わらず浮世離れした荻上作品。四人のさびしい人たちのエピソードが順に綴られ、その合間に、主人公のまったりした生活ぶりと奇妙な隣人とのやり取りが挿入されます。全編に漂うオフビート風味の自然体のユーモアに和み、また画面のあちこちにたむろっている、これまた自然体のニャンコに癒されます。
|
ル・アーヴルの靴みがき 人生に必要なものは / ★★★★
これも毎度おなじみのカウリスマキ作品。画面の構図や色彩、衣装(少年のセーターも妻のワンピースも可愛すぎる)や音楽など、いつものように好きなテイストが詰まっていてニコニコでした。とてもシンプルな映画ですが、温かみがあふれていました。
|
ポテチ 黒澤先輩と中村親分 / ★★★★
伊坂幸太郎×中村義洋の第4弾。毎度おなじみで新味はありませんが、面白味はたっぷり。伊坂作品は犯罪がらみのところが気になる時もあるのですが(たとえば『重力ピエロ』はちょっと納得できなかった)、中村義洋の手にかかると温かい寓話のような味わいになってとても楽しめます。
|
捜査官X 一味違う武侠映画 / ★★★☆
大阪アジアン映画祭では前売券が即日完売したという人気作品。しかし自分的には、前作も前々作も期待はずれで、ピーター・チャンはもう観るつもりはなかったのですが、原題が『武侠』で、『片腕ドラゴン』のジミー・ウォングも出演していると知って、いそいそと映画館へ。
|
ドライヴ エレベーターの恋 / ★★★★
寡黙で沈着冷静な主人公にシビレました。窮地に陥っても顔色ひとつ変えない超クールガイ、ちょっと息が乱れているのを発見した時には、心の中で、「あっ、怒ってはる」と敬語で呟いてしまいました(笑)。
|
ビースト・ストーカー/証人 傷だらけの男たち / ★★★☆
『密告・者』が面白かったダンテ・ラムの香港ノワール。公開は逆になりましたが、こちらの製作が先で、好評だったので姉妹編として『密告・者』も製作されたようです。
|
僕等がいた 後篇 斗真を堪能 / ★★★
次々と襲いかかる試練に翻弄される生田斗真のさまざまな表情や感情表現にどっぷりつかって涙々。すっかり引き込まれていたのですが、終わりそうでなかなか終わらない終盤の展開、そしてきれいな結末に持って行くためのムリヤリ感に気持ちが冷めてしまいました。その冷めた気持ちで振り返ると、不幸と偶然と意外な展開がテンコ盛りの少女漫画仕様(?)の世界観はやっぱり苦手だと思いました。
|
アーティスト 挫折と復活−2 / ★★★★
時代の波に乗り遅れた大スターと、入れ替わるようにスターへの階段を上って行く新人女優のラブ・ストーリーをクラシックでロマンティックなサイレント映画に仕立てた本作、物語にもいくつかのシーンにも既視感がありましたが、その懐かしさも含めて楽しめました。特に終盤の幸福感と粋なラストが最高。主演男優さんの昔顔も素敵でした。
|
アリラン 挫折と復活−1 / ★★★★☆
キム・ギドクの新作、ずい分久しぶりと思ったら山に籠っていたとのこと。前作『悲夢』撮影時の事故と弟子の裏切りに傷つき、映画を撮れなくなって隠棲していたのだそうです。しかし、そういう生活も長く続くと、やはり創作者としての業は鎮めがたく、ビデオカメラを購入して自分を撮り始め、「All by myself」で完成させたのが本作なのです。
|
父の初七日 台湾版「お葬式」 / ★★★★
父の死から出棺までの七日間を娘の視点から描いた台湾版「お葬式」、テンコ盛りの涙と笑いがツボにはまりました。舞台は台湾の片田舎、旧来のしきたりによって営まれるお葬式のドタバタ劇に笑い、娘や息子の父親への想いに泣かされます。
|
ポエトリー アグネスの詩 ある老女の心の軌跡 / ★★★★
『シークレット・サンシャイン』のイ・チャンドンの新作は、前作と同じく、ひとりの女性の心の軌跡をじっくりと見つめた作品でした。腕の痺れを見てもらうために病院を訪れた主人公は、医師から「腕の痺れ」よりも「言葉が出てこない」ことの方が重大だと告げられます。その帰り道、自殺した女子中学生の母の悲嘆を目撃し、それが深く心に刻まれます。
|
僕等がいた 前篇 青春メロドラマ / ★★★
エンドロールのあとの予告編が終わったとたん場内ザワザワ。みんなが一斉に話し始めたような・・・・。いゃあ、そそられる予告編でした。斗真はさらに苦境に!? 本仮屋はさらにパワーアップ!? 後篇が俄然楽しみになりました。
|
星空 大阪アジアン映画祭−6 / ★★★★☆
大阪アジアン映画祭、最後に観たのは台湾の人気絵本作家ジミー・リャオ(幾米)の原作を映画化した作品。幾米の作品はいくつか映画化されていますが、ジョニー・トーの『ターンレフト・ターンライト』もそのひとつ。中国語学校の同級生が貸してくれたその原作本も見たことがあるのですが、現代の都市生活者の孤独と哀しみを静謐な絵と詩的な文章で綴った絵本で、ロマンティックな雰囲気は残しているものの爆笑コメディに仕上げたトー作品、わたくし的には楽しめましたが、原作者としては忸怩たるものがあったのではと想像いたします。
|
LOVE 大阪アジアン映画祭−5 / ★★★★
大阪アジアン映画祭、五本目は『モンガに散る』のニウ・チェンザー監督の最新作です。実は前作があまり好きじゃなかったので迷っていたのですが、キャストが超豪華。『父の子守歌』のレビューで触れた知人からも推薦されて・・・・。オープニングのワンカットの長回しがすごいと、その人がちょっと解説もしてくれはったんですけど(笑)、私はそういうところわりと鈍感なので、これは聞いておいて正解でした。
|
ラブリー・マン 大阪アジアン映画祭−4 / ★★★★☆
大阪アジアン映画祭、四本目は私にしては珍しいインドネシア映画。この映画祭のプログラミングディレクターさんの一推しらしいので観てみました。ローバジェットの76分の小品ですが、なるほど素晴らしい作品でした。
|
高海抜の恋 大阪アジアン映画祭−3 / ★★★★
大阪アジアン映画祭、三本目は「男の世界」ではないほうのジョニー・トー作品。実はラブコメディも得意なジョニー・トー。私は「男の世界」の方がずっと好きなのですが、本作の主題はずばり映画。主人公は香港の映画スター、ヒロインはそのスターの大ファンというニコニコの設定で共感度大でした。
|
熊ちゃんが愛してる 大阪アジアン映画祭−2 / ★★★☆
大阪アジアン映画祭、二本目は『熊ちゃんが愛してる』という台湾映画。一昨年のアジアン映画祭で観客賞を獲得した『聴説』の監督の新作です。清々しい佳作だった前作は大好きだったのですが、そのために期待が大きすぎたのか、本作はちょっと期待はずれに思いました。
|
父の子守歌 大阪アジアン映画祭−1 / ★★★
今年で7回目を迎える大阪アジアン映画祭、例年になく充実したラインナップに、4日間通って6作品を観ました。当初観る予定だったのに諸般の事情で見送った『セデック・バレ(前後編)』が、人の噂によると傑作だったとのことで、ちょっと後悔も覚えている今日この頃。どこかの配給会社さん、何とか一般上映していただけないでしょうか。
|
ヒューゴの不思議な発明 可愛い、楽しい。 / ★★★★
ミニシアターでセリフがよく聞き取れない作品を観た反動で、シネコンでウェルメイドな映画を観たくなり、テレビのCMで古い映画が出てくるみたいと気になっていた本作を鑑賞。
|
サウダーヂ セリフが・・・・。 / ★★★
いくつかの賞を獲得している作品が再上映されるというので、以前から楽しみにしていたのですが、前日になって上映時間が167分と知ってビックリ。ちょっと迷ったのですが、けっきょく予定通りに出かけました。
|
生きてるものはいないのか シュールなコント集 / ★★★☆
染谷将太目当てで鑑賞。石井監督作は、初期に観た作品(何を観たのかは忘れてしまった)が全然好みじゃなかったので、それ以来です。染谷クンが出てなかったら多分観なかったと思うし、前の週に目にした予告編もチープな感じで、あまり期待はしてなかったのですが・・・・。
|
人生はビギナーズ ゲイの父親と晩熟の息子 / ★★★★
ゲイという題材や監督がデザイナーという断片的な情報で、勝手に『シングルマン』のような作品なのかと思っていましたが、それほど確固としたスタイルのある作品ではなく、もっとラフな、しかしデザイナーらしいセンスが端々に感じられる作品でビジュアルも音楽も楽しめました。さらに、劇中にも何度か登場する手描きのイラストのようなインティメイトな温かさも湛えていて好印象。
|
セイジ−陸の魚− ちょっと残念 / ★★★
鑑賞予定はなかったのですが、予告編が好みの感じだったので観ることにしました。期待通り、映像や空気感は好きだったのですが、不満もなきにしもあらずでした。
|
蜂蜜 子供の心 / ★★★★
ずっと見逃していた作品が近所の映画館に来たので、これを逃してはあとがないと観に行きました。実は見逃していたというよりも、敬遠していたふしもあったのですが、実際に観てみると、とても心に響く作品でした。
|
東京プレイボーイクラブ 東京浮き草群像 / ★★★★
山椒は小粒でピリリと辛い系の映画でした。近頃流行りの感動や泣かせとは無縁の東京ノワール、ちょっと和製タランティーノと呼びたいような個性的な作品だったのです。
|
ロボジー 相性が悪い / ★★★
決してつまらなかったというわけではないのですが、矢口監督との相性の悪さを再認識する結果になりました。『ウォーターボーイズ』は楽しめたのですが、世間の絶賛には疑問を覚え、『スウィングガールズ』は見事に楽しめなかったのです。で、『ハッピーフライト』は何となく見逃したものの、それほど痛痒は覚えずといったところだったのですが、本作にはひいきの濱田岳クンが出ているもので・・・・。けれども、やはり矢口監督とは笑いの感覚が微妙にズレているようで、あまりノレませんでした。残念。
|
ALWAYS 三丁目の夕日'64 ご町内ファンタジー / ★★★★
須賀健太クンが大きくなってビックリ。その淳之介と六ちゃんの「旅立ちの歌」、気持ちよく泣かせていただきました。
|
裸の島 海と空と人間と / ★★★★
新藤兼人の1960年の作品。水を運ぶシーンが『一枚のハガキ』で引用されているということで、機会があれば観たいと思っていたところ、ちょうど近場のホールで上映会があり鑑賞しました。
|
ヒミズ 鬱少年と躁少女の青春物語 / ★★★★☆
ヴェネチア映画祭で新人俳優賞をW受賞というのは去年の夏のニュースでしたね。染谷将太は最近大注目の俳優さんで、そのニュース映像に接した日曜の朝、とても心が躍りました。しかし、二階堂ふみって観たことないし、染谷クンのオマケでもらったんじゃないのなんて、当時は冷たく考えていたのですが、私の認識不足でした。とにかく、主演のこのふたりが素晴らしいのです。
|
月光ノ仮面 勝手に妄想 / ★★★
板尾創路の二作目、雰囲気たっぷりの予告編に魅かれて鑑賞しましたが、前作ほどにはストンと胸に落ちませんでした。落語の素養がないもので「粗忽長屋」といわれても・・・・。ただ絵としての面白さもあり、訳が分からないのでさらに集中するという具合で、けっこう引き込まれました。
|
哀しき獣 THE YELLOW SEA 獣ばかり / ★★★☆
『チェイサー』が面白かったナ・ホンジンの新作は、消息不明の妻を探すため、代理殺人を請け負って中国から韓国へ密入国した朝鮮族の男を描いた社会派アクション。中国の朝鮮族は合法も不法も含めて韓国へ金を稼ぎに行くという題材が興味深く、なかなか見応えがあったのですが、不満もなきにしもあらずでした。
|
|
HOME | INDEX |