永遠の僕たち 珠玉の青春映画 / ★★★★☆
『ハロルドとモード/少年は虹を渡る』(1971)にインスパイアされたと思しき作品。ひきこもり少年とヒッピー婆ちゃんの恋を描いた『ハロルドとモード』はちょっとブラックコメディ風味の、しかし愛らしい佳品でしたが、主人公が十代の少年少女で生と死を主題に据えた本作は、ちょっと奇妙な、しかし心に染み入る珠玉の青春映画になっています。
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CUT 映画愛宣言 / ★★★★
西島秀俊演じる主人公が多額の借金を返済するために殴られる話です。何回も何回も何回も・・・・。同じようなシーンが続くので、ちょっと眠気を催したりもしたのですが、そんな私を救ってくれたのが常盤貴子。登場シーンの顔のアップから魅惑的で、今まで見たことのない常盤貴子。髪も短い、化粧気もない、まるで少年のような顔にたたえられた表情に魅せられました。
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アジアの純真 問題作 / ★★★☆
デビュー当時から気になっている韓英恵の主演作ということで、前情報なしで観たのですが、双子の姉を殺された在日朝鮮人の妹が無差別テロを実行するという内容にビックリ。しかし、姉が殺される現場で「見て見ぬふり」をしていた高校生が、その後ろめたさを抱えながら妹と関わって行くうちに、ふたりの心が通い始めるというストーリーは、美しいモノクロの映像もあいまってなかなかに魅惑的でした。
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ハードロマンチッカー ワルのヒエラルキー / ★★★★
ちょっとR-15の気分じゃないかもと思いながらも、昼の上映は今週までなので観に行きました。暴力描写はストレートで過激、痛くて怖かったのですが(特にいも屋での乱闘の鉄パイプが怖かった)、それほどグロくはなく、わたくし的には楽しめる作品でした。
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新少林寺/SHAOLIN 主題歌に心の中で合掌しました。 / ★★★★
『香港国際警察/NEW POLICE STORY』や『コネクテッド』といった水準以上の娯楽作品を放ってきたベニー・チャンですが、わたくし的には明快すぎるというか、ちょっとハリウッド的なところが気になっていた監督。カンフー映画は大好きなのですが、そのへんで期待値を低めて鑑賞。しかし本作では、その明快さがプラスに働いた気がします。自己の誤りに気づいた男の覚醒と成長という重厚な物語を、見せ場たっぷりのアクションを絡めて描き、見応えのある娯楽映画に仕上げていました。
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る 70年代気分 / ★★★☆
「ZIGGY FILMS '70s」と銘打たれて上映された本作と『パード★シット』は、どちらも青春の思い出です。そして私のかってのアイドル、バッド・コートの主演作でもあり、ロードショーされている時にも観たいとは思ったのですが、昔夢中になった作品を再見するとガッカリすることも多く、上映館が遠いことを理由にパスしました。ところが近くの映画館で上映されることになって・・・・。
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カイジ2〜人生奪回ゲーム〜 ちょっと単純 / ★★★☆
前作と同じく、藤原竜也がお目当てだったので、これぐらい面白ければ文句はありません。ただ、比較すれば前作の方が面白かったと思います。格差社会を漫画的にデフォルメして強調した世界観が新鮮でもあり、また共感するところもあったのですが、本作ではそれが背景に退いている分、面白みも共感度も薄れた感じでした。ハラハラドキドキ度も前作のほうが上、「沼」をめぐる攻防戦がかなり物理的要因で左右されるところが、わたくし的には減点でした。
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ハラがコレなんで ヘタウマ映画 / ★★★★☆
何が可笑しいかというのは個人差が大きいようで、いつも賛否両論の石井作品。図書館で古いキネ旬を拾い読みしていたら、石井監督もその辺のことは承知の上というインタビューがあってちょっと安心。本作もわたくし的にはクスクスの連続。そしてクライマックス、一堂に会したキャストの呼吸が絶妙で笑い転げてしまいました。
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木洩れ日の家で チャーミングなふたり(?) / ★★★★☆
年を取るということは喜劇なのかもしれない、とふと思ったりしました。チャーミングな老婦人の静かな日々、そこに生まれる巧まざるユーモアに何度も微笑んでしまったのです。ひとりの女性の最晩年を描いたポーランド映画、コントラストのはっきりしたモノクロ映像が美しく、それだけでも高得点でした。
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ステキな金縛り メガネコレクション / ★★★☆
十分面白かったのですが、やはりちょっと長い気はしました。私なら(笑)、タクシーの運ちゃんと陰陽師さんのところは削って130分ぐらいにします。
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ウォーリアー&ウルフ 不思議な顔合わせ / ★★★☆
監督は中国第五世代の田壮壮、主演はオダギリジョーとマギー・Qという何とも不思議な(変な)顔合わせ。さらに原作は井上靖の「狼災記」。田壮壮の作品は『青い凧』や『春の惑い』の頃が好きで、近年の『呉清源〜極みの棋譜』は美しい映像に魅せられたものの、いまひとつ不得要領なところがありました。
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密告・者 香港ノワールの傑作(大推薦!) / ★★★★☆
初めて観るダンテ・ラム作品でしたが、見応えたっぷりの香港ノワールで、ヴァイオレンスやカーチェイスなど見せ場がテンコ盛り(ロマンスもあり)。見せ場たっぷりの香港映画としては、ここでも評価の高かった『コネクテッド』を思い出しますが、『コネクテッド』は見せ場のための見せ場という感じがして、わたくし的にはあまりノレなかったのですが、本作ではそれがストーリーと有機的に絡まっていて、すっかり引き込まれてしまいました。
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東京オアシス 俳優さんの無駄使い / ★★★
冒頭のコンビニでの思わせぶりな長回しにちょっと悪い予感が・・・・。市川実日子が一瞬だけ出てきたあと、その予感がさらに強まり・・・・。もしかして「それだけの映画?」と思ったら、「それだけの映画!」でした。このシリーズが好きだったので、好きだからこその苦言です。これじゃ、あまりにもミニマム過ぎる。
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一命 三池監督のシリアス時代劇 / ★★★★
小林正樹の旧作は未見ですが、ストーリーを知っているので、あまり鑑賞意欲が湧かなかった作品。しかし賛否両論に興味津々で観に行きました。三池作品としては『忍たま乱太郎』のようなおちゃらけた作品の方が好みの私ですが、本作もなかなか見応えがありました。
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スマグラー おまえの未来を運べ 「プロフェッショナル・仕事の流儀」裏社会編 / ★★★★
終盤の痛い描写に貧血気味になり、ちょっとフラつきながら帰りましたが、「痛いけれど、面白い」。PG12というよりはR-15の感じ、あまり他人には薦められませんが、わたくし的には楽しめました。
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アクシデント 疑惑の影 / ★★★★
言葉の通じない三人の男女が追いつ追われつの逃亡劇を展開する『ドッグ・バイト・ドッグ』、日本のコミックを実写化した『軍鶏 Shamo』など、これまで異色のバイオレンス・アクションが紹介されてきた香港の鬼才ソイ・チェンの新作。製作をジョニー・トーが担当しているということで、今回もアクションを楽しむつもりだったのですが、ちょっと予想がはずれました。
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レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳 全てが過剰 / ★★★☆
抗日映画とヒーロー物を合体させたような作品ですが、日本軍の非道ぶり、派手な爆破シーン、男性コーラスを使った荘厳な音楽など、何もかも過剰の感ありでした。しかし、黒マスクのヒーローの活躍、娯楽映画と割り切れば楽しめます(全裸の拷問シーンもサービス過剰かな。見事な肉体でした!)。
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中国娘 三大映画祭週間2011−2 / ★★★★
二本目はロカルノ映画祭で金豹賞を獲得した『中国娘』。中国の小さな村で育った娘が、村から重慶へ、重慶から英国(!)へと移動するロードムービー、同時に男性遍歴記(!)にもなっています。
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我らが愛にゆれる時 三大映画祭週間2011−1 / ★★★☆
ミニシアターの減少で上映機会の失われた秀作を一挙公開というありがたい企画。映画祭で賞を獲得した作品が必ずしも面白いとは限らないのですが、この企画が来年以降も継続されるようにアジア系の二作品を鑑賞しました。
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女と銃と荒野の麺屋 色&欲 in 中国大景観 / ★★★★
コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』をチャン・イーモウがリメイクした作品。『ブラッド・シンプル(血迷宮)』は未見なので比較はできないのですが、そういえばコーエン兄弟風味のブラックコメディ、なかなか楽しめました。
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アジョシ アクションスター・ウォンビン! / ★★★☆
美しすぎる、カッコよすぎる、裸体も見事なウォンビンのスター映画。意外と深みのないアクション映画でしたが、それなりに満足しました。しかし不満点もいくつか。
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ハウスメイド 韓流傾向映画 / ★★★☆
官能サスペンスという触れ込みでしたが、官能の方はちょっと期待はずれでしょうか(笑)。チョン・ドヨンの個性のせいか、セックスシーンもそんなにエロくなくて、むしろバスタブにつかるドヨンを真上から撮っているシーンやパンチラにドキドキしたりしました。
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レイン・オブ・アサシン 愛に舞い、宿命を斬る。 / ★★★★☆
武侠映画は大好きなジャンル、久々に堪能しました。アクションはもちろん見応えありですが、武術の奥義に関わる達磨大師の遺体をめぐって、謎の刺客たちが死闘を繰り広げるという荒唐無稽なストーリーが、東洋思想をからめて展開されるところが好みのド真ん中でした。
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エッセンシャル・キリング わたくし的には微妙 / ★★★
『アンナと過ごした4日間』のスコリモフスキの新作。前作がとても好きだったので観に行ったのですが、オープニングがアフガニスタンでの戦闘シーン。「あれ、こういう映画だったら、別に観たくなかったなあ」と思ってしまい、ちょっとノリ損ねました。
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サンザシの樹の下で 究極の初恋映画 / ★★★★
『LOVERS』あたりからそれほど好みでなくなったチャン・イーモウの新作、上映館が遠いこともあり敬遠していたのですが、近場で上映が始まったのを機に観たところ、『初恋のきた道』を思わせるような作品でとても心に染みました。
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シャンハイ 見ものはセットとコン・リー / ★★★☆
上海を舞台にしたサスペンスものでタイトルもそのものずばり。魔都・上海と聞いただけで、何だかワクワクしますよね。さらにコン・リーとチョウ・ユンファの出演も、わたくし的には鑑賞動機のひとつでした。
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一枚のハガキ 麦秋 / ★★★★☆
描きたいことがある人の作った作品であることにまず感銘を受けますが、さらに映画を観る歓びも感じさせてくれる一作でした。戦争に翻弄される庶民を描いて、これは正しく反戦映画なのですが、そのジャンルに収まりきらず、時に人間喜劇の様相さえ見せる、悠然として自由自在な語り口に魅せられます。
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忍たま乱太郎 100パーセント元気! / ★★★★☆
「忍たま」とは「忍者のたまご」のことだったのか。それも知らずに、久々の加藤清史郎クン目当てに観に行きました。
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海洋天堂 幸せの記憶 / ★★★★☆
末期ガンで余命を悟った父親と自閉症の息子を描いた、その真摯さに思わず背筋が伸びるような作品。しかし、ただ真面目なだけではありません。クリストファー・ドイルの撮影と久石譲の音楽で映像詩のような作品になっています。舞台となっている緑と坂の多い青島の街の風情も見ものです。
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コクリコ坂から 夕暮れ胸キュン / ★★★★
ファンタジー色のないジブリ作品。ふたりの高校生と彼らを取り巻く人々の群像劇が日常生活の中で展開されます。アニメにする必要がない題材という意見にも頷けるところはあるのですが、主人公たちのひとつ下の世代である私は、懐かしさもあいまってすっかり引き込まれました。そして、終盤に触れられる社会背景にはちょっと胸を突かれたりしました。
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大鹿村騒動記 追悼・原田芳雄さん / ★★★★
19日の夕方、原田芳雄さんの訃報に接して大ショックでした。映画ファンになった頃はアメリカ映画一辺倒だった私が、洋画並みに邦画も観るようになったのが1974年で、その年のベストワンは『竜馬暗殺』。それ以前に製作された『八月の濡れた砂』や『赤い鳥逃げた?』もその頃に観て、松田優作、桃井かおり、そして原田芳雄が、私の中ではワンセットで「同時代を生きる人」という感覚だったのです。同じ時代を生きてきた人も死んじゃうのかと、ちょっと呆然としました。71歳は早すぎます。
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小川の辺(ほとり) 程のよさに味わいが / ★★★★
予告編で大まかなストーリーは分かっている作品、それほど期待せずに観たせいか、予想以上に楽しめました。
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127時間 観なくてもよかった / ★★☆
前作『スラムドッグ$ミリオネア』にもあまり感心しなかったダニー・ボイル作品。他の映画を観に行った時に、ちょうど時間が都合よかったので観ました。世評は高いですが、わたくし的には、前作同様、あまりノレませんでした。 |
あぜ道のダンディ 父の気持ち、子の気持ち / ★★★★
石井監督の前作『川の底からこんにちは』も笑って泣ける作品でしたが、本作は笑いと涙の同時攻撃です。
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東京公園 リップスティックと瞼の母 / ★★★★★
予告編の透明感のある映像に期待がふくらんだ本作、その期待を裏切らない作品でした。ただ、その魅力を言葉にするのは難しい。一言でいうなら、わたくし的には「映画を観る歓びに満ちた作品」。
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あなたの初恋探します 見栄晴と相田翔子 / ★★★☆
恋に臆病なヒロインのラブコメディ、こっち系の韓流映画は普通ならパスするのですが、イム・スジョンが出ているので、『東京公園』のついでに観ました。
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奇跡 子供の世界に魅せられる / ★★★★☆
序盤、「意味、分からん」を連発する前田兄の鬱屈や、何気ない日常の淡々とした描写に、正直、ちょっと退屈していたのですが、前田弟の夢の場面で一気に引き込まれました。両親のケンカの仲裁をする兄を背景に、ちょっと目を泳がせつつもたこ焼きを食べ続ける弟の表情・・・・。
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軽蔑 評価に困る / ★★★
新宿歌舞伎町のチンピラとダンサーが手に手をとっての逃避行、その序盤にはワクワクしたのですが、チンピラの実家についたところで小さな疑問符が。そしてラストで疑問符はさらに大きく・・・・。何がいいたいのか、よく分かりませんでした。
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昼間から呑む オフ・ロード・ムービー / ★★★★
鑑賞後に製作費が100万円に満たないと知ってビックリ。そういわれれば、確かに手作り感が満載の作品でした。
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マイ・バック・ページ 極めて特殊な、しかし普遍的でもある青春の蹉跌 / ★★★★☆
ファン雑誌を卒業してキネマ旬報を読み始めたのが1973年、そのキネ旬もとっくに卒業しましたが、あの頃好きだったのが川本三郎の映画批評でした。アメリカ映画の、土臭い田舎のプアホワイトの若者や、都会のうらぶれた私立探偵など、負け犬に心を寄せるその文章にひそかに共感を覚えていたのです。そんな川本さんの原点ともいえる出来事を描く本作、興味も感慨もひとしおでした。
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ブラック・スワン 少女ホラー / ★★★★
『レスラー』がダメだったので、観る予定はなかったのですが、「妄想女が主人公のホラータッチの映画」という噂に、「それなら面白そう」と映画館へ。ほぼ噂通りの作品でしたが、主人公は、正確にいえば妄想女ではなく妄想少女、それも清純で繊細な少女でなかなかに魅惑的。
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GANTZ PERFECT ANSWER 満足できる続編 / ★★★★
GANTZスーツのニノとマツケンに「残酷な対峙」というコピー。ミスリードを誘うポスターに、何がどうなってそういうことにと、複雑な話を予想していたのですが、前編と同じくいたってシンプルな、しかし期待を裏切らない続編でした。
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生き残るための3つの取引 全員灰色 / ★★★★
再起を賭けた中年ボクサーと、少年院でボクシングに目覚めた非行少年の、壮絶で爽快な勝負を描いた『クライング・フィスト』が印象に残るリュ・スンワンの新作。同じような「男の世界」を期待したのですが、全然予想と異なる作品で、警察と検察、その組織で生き残ろうともがく人間ドラマでした。しかし、これが拾い物と呼びたいような面白さ。
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素晴らしい一日 一日の終わりに / ★★★☆
一年ぶりに現れて借金の返済を迫る不機嫌女と、金も職もなく、おまけにいい加減そうなテキトー男の一日。借金を返すために友達に借金をするという男に、逃がすものかと側を離れない女。女の車でふたりは街を漂い流れ・・・・。
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阪急電車 片道15分の奇跡 ご当地映画は大盛況 / ★★★★
関西の私鉄、阪急電車を舞台にした群像劇。実は地元なので、原作も出版されてすぐに読みました。サクッと読める軽めの、しかし共感するところが多々ある小説で、映画化も楽しみにしていました。平日の朝の回で観たのですが、さすが地元。七割ほど埋まった客席からはワクワクしている感じが伝わってきて、こんな雰囲気は初めての経験かも(微笑)。
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まほろ駅前多田便利軒 再生途上の男たち / ★★★★☆
端的にいえば、ふたりの男の「再生」の物語ですが、その再生はいまだ途上、その変化は決してドラマチックには描かれません。そしてテーマは「人はひとりでは生きられない」ということだと思うのですが、それも声高に主張されるわけではなく、小声でささやかれているような感じです。そんな含羞に満ちた作品、わたくし的にはとても好感が持てました。
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わたしを離さないで 静謐な映画 / ★★★☆
SF的設定の純文学、カズオ・イシグロの原作の映画化。悪くなかったのですが、原作を読んだ時の圧倒的な衝撃と比べると・・・・。ちょっと綺麗にまとめ過ぎたような気がします。キャストは好演だったと思いますが、成人してからのトミーはちょっと私のイメージとは違っていました。 |
トゥルー・グリット 期待はずれ / ★★★
コーエン兄弟の作品で、もっとエキセントリックな味わいを期待したのですが、きわめてオーソドックスな語り口の西部劇。正直、前半は眠たかった。終盤の映像はちょっと面白かったのですが・・・・。それと、私はどうも西部劇は合わないみたいです。 |
英国王のスピーチ 演技が楽しめる / ★★★★
地震前に観ましたが、感想が書けないまま今になってしまいました。それほど好きなタイプの映画ではなかったということですが、端正な演出、上品なユーモア、キャストの好演と楽しめる作品ではありました。主役のふたりの演技はもちろん素晴らしかったのですが、そこに時々アクセントを添えるようなヘレナ・ボナム・カーターが、わたくし的には評価が高かったです。
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トスカーナの贋作 男と女のラブゲーム / ★★★★
キアロスタミが初めて描くラブストーリーは、いろいろな解釈が可能な興味深い作品でした。主人公はイギリス人の作家とギャラリーを経営するフランス人女性、そして舞台はイタリアで、複数の言語が飛び交います。序盤のうちは話が見えないのですが、芸術におけるオリジナルとコピーについての議論(作家の見解にはちょっと異議あり)や、女性の妹の「マ、マ、マ、マリー」の話(微笑)など、面白い会話に引き込まれます。
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台北の朝、僕は恋をする みんな誰かに恋してる / ★★★★☆
食堂の息子と本屋でバイトする女の子が主人公の台湾のラブストーリー。若い監督らしい瑞々しい青春映画ですが、ロマンチックなラブコメディやドタバタ喜劇といった、古き良き昔の映画の香りもします。全編クスクス、ニコニコの連続、ちょっと沈んだ気持ちで観たせいか、その温かみがとても心に染みました。
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4枚目の似顔絵 大阪アジアン映画祭−2 / ★★★★☆
一昨年の大阪アジアン映画祭で『停車』が上映された台湾のチョン・モンホンの作品。『停車』と同じく、本作も秀作でした。
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ドリーム・ホーム 大阪アジアン映画祭−1 / ★★★☆
香港のパン・ホーチョンのブラックコメディ風味のスプラッターホラー。海の見える高級マンションを手に入れるというオブセッションに憑かれた女が取るある行動。前情報なしで観たので、ちょっと唖然の一作でした。
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MAD探偵 7人の容疑者 サイコ探偵 vs 多重人格殺人者 / ★★★★☆
あいかわらず技ありのジョニー・トー作品ですが、今回は「男の世界」シリーズとは一味ちがう犯罪映画。人間の内面を透視できる(!)元刑事が主人公で、容疑者は7つの人格を持つ(!)刑事という、キワモノ映画のようなアイディアを見応えのある作品に仕上げています。主人公に見えているものが、何の説明もなくスクリーンに映し出されるという展開に、何度も「エーッ、何これ?」と驚かされながらも楽しめました。
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悪魔を見た 黒サイコ vs 白サイコ / ★★★★
18禁の韓国映画ですが、主演がイ・ビョンホンとチェ・ミンシク、そして監督がキム・ジウンときては、わたくし的には見逃せない作品。
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GANTZ 漫画週間−2 / ★★★★
『あしたのジョー』と違い、本作の原作については何も知りません。ニノとマツケンに召喚されて映画館へ(笑)。
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あしたのジョー 漫画週間−1 / ★★★☆
少年マガジン連載時に原作をリアルタイムで読んだ世代で、本作のクライマックスとなっている力石の・・・・は「生涯の三大ショック」のひとつに数えられるぐらいの衝撃でした。で、登場人物のイメージも固まっているので、実は鑑賞するつもりがなかったのですが、伊勢谷友介の減量の記事を読んで、「これは観なあかん」と映画館へ。
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ハーブ&ドロシー 最強のオタク夫婦 / ★★★★☆
『ソーシャル・ネットワーク』はITオタクの実話に基づいた劇映画ですが、本作は1000点を越える作品を美術館に寄贈した美術オタク夫婦を捉えたドキュメンタリーです。夫は郵便局員、妻は図書館職員という庶民的な夫婦がいかにしてそれだけの作品を収集できたのか。87分という小品ながら、おもしろエピソード満載の驚きの一作でした。
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ソーシャル・ネットワーク オタクの逆襲 / ★★★★
リアルの生活でつながるのも億劫なのに、ネットでつながるなんて、さらに気の進まない私ですが、ITの世界を描いた本作はとても面白く観ました。
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イップ・マン 久々のカンフー映画 / ★★★☆
ブルース・リーの師匠であったという武道家イップ・マンを描いた作品。冒頭に日中戦争時のエピソードが唐突に挿入されるのでヘンだなと思って調べたら、『イップ・マン序章』という作品の続編にあたるみたいです。というわけで、唐突に思える部分は他にもあったのですが、わたくし的にはカンフー映画が観たかったわけで、まあモーマンタイですかね。
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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 不思議可愛い青春映画 / ★★★★
公開前日に新聞広告でその存在を知った作品。女性新人監督による染谷将太主演の青春映画というだけでもそそられたのですが、たまたまとなりのページに掲載されていた監督のインタビューに、私の好きなホウ・シャオシェンやジャ・ジャンクーの名前が引用されていたので、思わず観に行ってしまいました。
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海炭市叙景 悪くないけれど / ★★★☆
ちょっと感想の書きづらい作品。北海道の地方都市を舞台にした人間ドラマ、季節は冬、暗くて重くて寒いです。そのうえ152分という長尺。しかし、途中で退屈することもなく、その淡々と描き出される人間の営みに見入ってしまいます。ただ、共感できる登場人物もなく、わたくし的にはカタルシスのないまま終わってしまった感じでした。
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僕と妻の1778の物語 2011年の映画始め / ★★★★
草なぎクンと竹内結子、主演のおふたりが好きなのでけっこう楽しみにしていました。テレビ局製作の泣かせ系というのは不安材料だったのですが、そのあたりもくどくなく温かい印象が残る作品、予想以上に楽しめました。
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