牛の鈴音 黙々と。 / ★★★★
農業を営む老夫婦と、長年畑を耕してきた老牛を捉えた韓国のドキュメンタリー。
|
パンドラの匣 新しい時代の新しい男(微笑) / ★★★★
観ている間、心地よさに満たされていました。リズミカルな台詞の響きや登場人物の表情に、何だかうっとりしてしまうのです。そしてラスト、作品の基調となっていた、希望へと向かう明るさがはっきりと姿を現し、温かい印象が残ります。
|
イングロリアス・バスターズ 言語、映画、映画館 / ★★★★☆
往年のスパイ映画やレジスタンス映画を、カラーのシネスコで再現したような本作、クラシカルな味わいが意外や大人の映画。『キル・ビル』のようなガキっぽい作品が好みの私は戸惑ったりもしたのですが、映画と映画館がモチーフになっているあたり、やはり愛さずにはいられません。
|
Ennio Morricone - Un Amico |
アンナと過ごした4日間 異常純愛 / ★★★★☆
片思いが嵩じて、世間一般の尺度からは変態や犯罪とみなされる行為に走る主人公。それが女性だったら気持ち悪いけれど、男性だったらロマンチックだと思えるのは、私が女だからでしょうか。それとも、私の中の男性的な部分が共感するのでしょうか。過去にも、『仕立て屋の恋』や『愛に関する短いフィルム』など、同様のテーマを扱った作品に心ひかれるものがありました。内容を知らずに観た本作も、病院で働く男がアンナという看護師に思いを募らせ、夜ごと彼女の部屋に忍び込むというストーリー。
|
SOUL RED 松田優作 素敵なゲームをありがとう / ★★★★
1989年は振り返ってみれば激動の一年。1月の昭和天皇崩御に始まり、6月には天安門事件、11月にはベルリンの壁崩壊。しかしわたくし的には、『ブラック・レイン』公開中に松田優作が急逝した衝撃があまりにも大きく、その後のベルリンの壁崩壊も頭の中を素通りしてしまいました。
|
母なる証明 忘却のダンス / ★★★★☆
ギドク風のオープニングに意表をつかれ、そこから一気に引き込まれました。真相が明かされてからは、一体どんな結末が?、と思っていたら、「なるほど!」と唸るラストで、まずその構成が見事です。
|
カムイ外伝 お目当ては松山ケンイチ / ★★★
あまりの不評に鑑賞意欲をなくしていたのですが、松ケン見るだけでもいいやと、滑り込みで観ました。期待度が低かったせいか、意外と楽しめたのですが、CGの多用にはやはりガッカリ。海の青も空の青もいかにも不自然だし、アニメみたいな鮫には興ザメ。
|
クリーン 麻薬中毒者の再生 / ★★★☆
お酒も飲めない体質の、きわめてクリーンな私としましては、薬物依存の話というのはあまり好みません。それでも例外的に好きだったのがアレックス・コックスの『シド・アンド・ナンシー』(冒頭のワンシーン、川越しに工場地帯を捉えたシーンで思い出したんです。似たシーンがあったので)。ジャンキーの主人公を現実世界に適応できない子供たちという風に、少しファンタジックに撮っているところが好みだったのですが、ミュージシャンの夫を麻薬のオーバードーズで亡くし、自身も麻薬中毒の女が主人公の本作はきわめてリアル、正直、観終わった時には疲労感を覚えました。
|
私は猫ストーカー 味わい深い街、人、猫 / ★★★☆
古本屋でバイトしながらイラストの仕事もしている主人公ハルの日常生活を、ゆったりペースで描いたほっこりシネマ。無類の猫好きのハルは、街猫を写真に撮るのが趣味で、ヒマがあれば街をぶらついているという設定が楽しく(私も猫好き)、その舞台になる東京の下町あたり、とても風情があり和めます(ロケ地めぐりがしたいな)。古本屋の主人夫婦など、登場人物もその街に似合うちょっと昔風の人ばかりと、昭和テイストの感じられる心地よい作品でした。
|
ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ 全てを包みこむ光 / ★★★★☆
「これは泣ける喜劇か、笑える悲劇か」(『なくもんか』の宣伝コピーですが、拝借御免)、悲劇を喜劇に転化するような、何もかもを包み込む佐知の女性性に、ただただ感歎、鑑賞後に頭に浮かんだのがこの言葉です。性格的に男性度が強い私としては、憧れるというよりは、もう降参という感じでした。
|
プール プールサイドは此岸 / ★★★★
ストーリー性は希薄、説明も極力省かれているということで、賛否両論のようですが、言葉では表現しがたいような、かすかな心の動きや感情を、セリフによる説明なしに描こうとした意欲作、わたくし的にはとても面白かったです。すれ違ったり、寄り添ったり、登場人物のそれぞれの想いに何度か涙がにじみました。
|
カイジ〜人生逆転ゲーム〜 お目当ては藤原竜也 / ★★★☆
普通なら観ないタイプの映画。藤原クン目当てで観に行ったのですが、俳優陣の熱演でけっこう楽しめました。漫画そのままのストーリーにマンガチックな演技、これはこれでありかなあ、って感じ(原作は未読です)。
|
空気人形 硬質でリリカルな映像詩 / ★★★★★
可愛らしさや優しさとともに切なさや痛みも詰まった大人のためのお伽話。是枝作品にしては珍しくエロチックなところや残酷なところもありますが、そこも含めて魅了されました。
|
リミッツ・オブ・コントロール 正調オフビート / ★★★☆
思わせぶりな描写が延々と繰り返され、ラストもアンチクライマックス、分るヤツだけついて来いといった感じの超クールなジャームッシュ作品。前作『ブロークン・フラワーズ』は少し成熟した感じで共感できたのですが、また昔に戻ったような正調オフビート、ここまでオフだとちょっとついて行けませんでした。
|
しんぼる 想定の範囲内 / ★★★☆
『大日本人』にはちょっと感動したという少数派。本サイトにもレビューを投稿しましたが、その結びに「次回作、もちろん観に行きますよ」と書いてしまったんですよね。
|
九月に降る風 アイドルは飯島愛 / ★★★★
1996年から1997年まで、同じ高校に通う悪ガキグループの青春の日々を描く台湾映画。青春真っ只中の彼らのアイドルは飯島愛(合掌)、そして台湾野球のスーパースター寥敏雄。寥敏雄は野球賭博との関わりを問われ球界から追放されるのですが、その過程に重ねて、青春の時間を共にした仲間がバラバラになって行くさまが綴られます。
|
コネクテッド サービス精神過剰 / ★★★☆
アメリカ映画『セルラー』のリメイク。オリジナルは未見なので比較はできませんが、オリジナルを越える作品にしなければと気合い入りまくりの作品とお見受けしました。思いつく限りのアイディアやアクションは全て詰め込みましたという感じで、観終わった時にはちょっと疲労感。
|
BALLAD 名もなき恋のうた 上出来のファミリー映画 / ★★★★
笑いあり涙あり、世代や性別によってそのポイントは異なるかもしれませんが心に響くところもあって、上出来のファミリー映画だと思います。
|
女の子ものがたり 故郷喪失者の痛み / ★★★★
人の一生というのは、生まれ育った環境にある程度左右されるものですが、才能に恵まれた主人公は、義父の予言どおり、広い世界へ羽ばたきます。しかし、その過程で捨ててきたたもの、失ったものの大切さが、失意の時に思い出されるのです。
|
グッド・バッド・ウィアード 荒唐無稽という快楽 / ★★★★☆
『箪笥』、『甘い人生』など、異なるジャンルに挑戦しながら常に水準以上の作品を放ち続けてきたキム・ジウンの新作は、何と西部劇。1930年代の満洲を舞台に宝の地図の争奪戦をマカロニウェスタン風味で描く、活劇精神の横溢した荒唐無稽な快作にワクワク。
|
ポー川のひかり ポー川の光と風 / ★★★★
「100本の釘」という原題をもつこの映画、邦題が絶妙です。「ポー川のひかり」、もうこれで全てを言い尽くした感があります。それに付け加えるとすれば、風。柔らかい光に包まれた風の吹き過ぎる光景が、何とも心地よいのです。
|
ノーボーイズ,ノークライ 裏社会の純真 / ★★★★
『チェイサー』の猟奇殺人者が強烈だったハ・ジョンウの新作ということで楽しみにしていました。共演は妻夫木聡、脚本が渡辺あや、では「監督は誰?」と興味津々で観に行きました。
|
3時10分、決断のとき 父の背中 / ★★★☆
久々の西部劇、男性陣でほぼ満員の場内、端っこの席が全てふさがっていて、オヤジとジジイに挟まれて観るはめに。『決断の3時10分』のリメイク。オリジナル版はTVの洋画劇場で見たことがあるような気がします。本作を観た帰り道、頭の中にヴァン・ヘフリンの顔がボーッと浮かんできました。
|
人生に乾杯! シニア版・シュガーランド急行 / ★★★★
老夫婦の強盗行脚を描く本作、銀髪のワンレングスという妻の髪型がフェイ・ダナウェイを彷彿とさせて、確かに「シニア版・ボニー&クライド」という趣き。『バニシング・ポイント』を思い出させるシーンもあったりして、この映画を作った人たちは、あの頃のアメリカ映画が好きなのでしょうか。
|
築城せよ! だんだんよくなる / ★★★☆
上方歌舞伎界のホープ片岡愛之助の主演作ということで、愛之助ファンの母のお供で観に行きました。
|
ディア・ドクター キャストが魅せる人間喜劇 / ★★★★☆
過疎の村を舞台に、善悪を割り切れない人間の本性を描こうとした本作、キャストが素晴らしいですね。八千草薫、余貴美子、井川遥という花(華)も実もある女優陣、そして男優陣には、香川照之、松重豊、瑛太と、個性も演技力もある面子が揃いすっかり魅了されました。鶴瓶師匠は演技というよりは地なのでしょうか。しかし人懐っこい笑顔とはうらはらに、哀しみを宿した目が、時に悲しく、時に胡散くさく(笑)、存在感は抜群だったと思います。
|
ハゲタカ 男の映画−2 / ★★★★
経済とかには興味がなくてTVドラマの方も見てなかったのですが、友達がその全六回を録画したビデオを貸してくれたので、見るはめに(笑)。「(『たそがれ清兵衛』で印象的だった)田中泯も出てるよ」という言葉に釣られて見始めたら、これがとても面白かったのです。
|
劔岳 点の記 男の映画−1 / ★★★★☆
撮影の状況を多少なりとも知っているので白紙では観られない作品。正直、ドラマ部分には気になるところもあったのですが、厳しく美しい自然を捉えた圧倒的な映像に心を奪われます。
|
ガマの油 ヘンな映画−2 / ★★★☆
仏壇とガマの油でつながるあの世とこの世。本作もかなりヘンな映画でしたが、こちらのヘンさはけっこう好みでした。導入部では、光の笑い方やサブチャンのデクノボーぶりや主人公の「どんなもんじゃーい」とかにちょっとイライラしたのですが、途中からはすっかり引き込まれました。
|
ウルトラミラクルラブストーリー ヘンな映画−1 / ★☆
一部で絶賛ですが、正直、どこがいいのか、何が面白いのか、不可解でした。前半ではまだ、無理やりにちょっと面白いかもと思っていたのですが、後半は匙を投げました。
|
アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン 雨を降らす男 / ★★★★
独特の映像美が魅惑的なトラン・アン・ユンの9年ぶりの新作ですが、過去の作品とはかなりテイストの異なる作品。ずい分前に「次回作はフィルムノワール」というニュースを見た覚えがありますが、そういうジャンルでは括れない異色作でした。
|
夏時間の庭 印象派映画 / ★★★★☆
『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』と同じく、オルセー美術館20周年を記念した作品。引き続きジュリエット・ビノシュが出演しています。
|
おと・な・り 風をあつめて / ★★★☆
隣り合わせの部屋に住む男女がなかなか出会えないといえば、思い出すのは香港映画『ターンレフト・ターンライト』。あちらは大爆笑のコメディでこちらはロマンチックなラブストーリーと、雰囲気は全く異なりますが、思い返してみるといくつかの共通点が。谷村美月の演じる茜は『ターンレフト・ターンライト』のがさつな食堂のお姉さんを思わせるし、主人公が外国行きを目前に控えているという設定も同じ、ほかにも・・・・。
|
THE CODE/暗号 ツッコミ所満載のB級活劇 / ★★★☆
これはもう好きか嫌いかの世界でしょうね。魔都上海を舞台にした探偵映画、導入部の快調なテンポに比べると後半はちょっとかったるい感じでしたが、昭和テイストのレトロな雰囲気が悪くなかったです。いかにもB級なところが好みでしたが、上映時間が長すぎる気はしました。終盤はもっとシンプルな方がよかったと思います。
|
甘い生活 堂々巡りの迷路 / ★★★★☆
NHKBSで放送されたものを録画で。 |
グラン・トリノ 21世紀の『アウトロー』 / ★★★★
あの重苦しい後味が苦手で、近年のイーストウッド作品はあまり好みじゃなかったのですが、本作はとても楽しめました。今までいろいろな作品で取り上げられてきた、ポーランド系やイタリア系というアメリカの二級市民への差別ネタや、さらにそれより下級のアジア系との摩擦などを、ひとひねりして軽快なコメディに仕立てた脚本がきわめて今日的で秀逸です。
|
四川のうた 時代の記憶、人生の詩 / ★★★★☆
四川省・成都にある国営工場が50年の歴史に幕を下ろし、跡地にホテルやマンションが建つことになった。そこで働いていた労働者たちがカメラに向かって過去の思い出を語るインタビュー集。彼らの言葉から浮き出してくる中国の現代史や時代の波、あるいは悲喜こもごもの生活の記録。
|
チェイサー 痛い、怖い、面白い! / ★★★★
雨に濡れた坂道、闇を駆ける疾走感・・・・、いゃあ、ゾクゾクしました。
|
新宿インシデント 暗くて重いジャッキー映画 / ★★★☆
正確にいえば、ジャッキー映画ではなくイー・トンシン作品ですね。監督イー・トンシンが入念なリサーチを経て生み出した、90年代の新宿歌舞伎町を舞台にしたヤクザ映画。ラストが衝撃的でボーッとしてしまい、ちゃんと見ていないのですが、エンドクレジットの最初に確か「顧問」という名目で中国人ジャーナリストなどの名前が挙がっていました。
|
バーン・アフター・リーディング Oh my fuck ! / ★★★★
『ノーカントリー』のリハビリを兼ねたようなユルユルのブラックコメディですが、これはこれで楽しめる作品でした。ラストが拍子抜けなんですけど、よくよく考えると意味深でもあり・・・・。この最後を締めるCIAの偉い人(J.K.シモンズ)、余談ですが目元がDAIGOに似ている。なんて思ってるうちに映画が終わってしまって、ズッコけそうになりました(笑)。
|
花の生涯〜梅蘭芳〜 前半が素晴らしい。 / ★★★☆
どんな割引も適用されない2000円という料金設定。何か特別の理由でもあるのかと調べてみたのですが、配給の角川エンタテイメントが「特別興業」と決めただけのようですね。「シネマ歌舞伎」なども特別興業で同様の料金設定ですが、観劇料が1万円以上必要な歌舞伎がお手軽に観られる「シネマ歌舞伎」にはお得感がありますが・・・・。1000円で観ていたら満足度80点にしてかもしれませんが、角川に抗議する意味もこめて70点(笑)。
|
レッドクリフPartU−未来への最終決戦− 面白かったけど / ★★★☆
火攻め、槍攻め、怖くて泣いてしまいました。知っている人が死んでしまうのも悲しかった。で、後半は涙々、観終わった時には戦いの虚しさがずっしりと心に・・・・。その気持ちのままエンドロールを眺めていると、「In the memory of 〜」とあった名前が、スタントマンの一番最初に・・・・。「えっ、もしかして」と、帰宅後に調べたら、やはり撮影中の火災事故で蘆燕青という23才のスタントマンが亡くなったとのことでした(合掌)。映画撮るのも命がけですが、それに見合う作品だったかはちょっと疑問。
|
フィッシュストーリー 魚より鴨が好き。 / ★★★☆
伊坂幸太郎×中村義洋の第2弾、全体としてはチャーミングな法螺話という感じで楽しめましたが、前作『アヒルと鴨のコインロッカー』が大好きで期待値が高すぎたのか、ガッカリ感もなきにしもあらずでした。
|
PLASTIC CITY フィルムノワール in サンパウロ / ★★★★
世評はあまり芳しくないようですが、わたくし的にはとても面白かったです。サンパウロの東洋人街を舞台に中国系の父ユダと日系の息子キリンという、血のつながりのない父子の絆を描くフィルムノワール。アマゾンの密林から都市へと移動する俯瞰撮影に、タイトルがかぶさるオープニングが何ともカッコよくてワクワク。それに続く前半部も、映像や音楽が蠱惑的でドキドキ。ユー・リクウァイの作品はこれが初めてですが、魅惑的な映像が私好みでした。
|
リリィ、はちみつ色の秘密 光り輝くダコタ・ファニング / ★★★☆
原作(リリィ、はちみつ色の夏)を読んだことがあります。図書館へ行った時にちょうど新刊書のコーナーにあったので借りて帰りました。何の予備知識もなかったのですが、公民権法が制定された1964年という時代背景や、アメリカ南部というロケーションが興味深くて引き込まれました。ただ読み終わった時には、ちょっと話が出来すぎかなと思ったりもしました。
|
天使の眼、野獣の街 プロフェッショナル・香港警察編 / ★★★★
『映画は映画だ』のあとに続けて観ました。こちらはジョニー・トー作品の脚本を手がけてきたヤウ・ナイホイの監督第一作で、トーがプロデュースを担当。香港警察刑事情報課監視班が宝石強奪を繰り返す犯罪組織を追い詰めてゆく物語を、ひとりの新人女性警官の成長を絡めて描いています。
|
映画は映画だ リアル・フィクション / ★★★★
キム・ギドク原案、製作の韓国映画。監督チャン・フンはギドクのお弟子さんということで、どんな変な映画かと期待しましたが(笑)、全然変じゃなくて、でも見応えたっぷりの作品でした。
|
停車 大阪アジアン映画祭で観ました。 / ★★★★☆
大阪アジアン映画祭で上映された台湾映画。路上に車を駐車してケーキを買いに行き戻ってくると、横に二重駐車されていて車が出せなくなった男の一夜の物語。男を中心にして6〜7組の人生が交錯する物語は寓話的ですが、その中に今を生きる人間のさまざまな状況が垣間見える展開が興味深く、寒色系の抑えた色調の映像も素晴らしくて、とても見応えがありました。
|
少年メリケンサック キャストがドンピシャ / ★★★★
「この内容で、この映画を製作し、こんな台本で映画をやっていいと言った東映が一番パンクだと思う」(by 宮藤官九郎)
|
悲夢 痛みは愛の証し / ★★★★☆
夢をモチーフにした奇妙なラブストーリー、ギドクの今までの作品でいうと『うつせみ』の系統でしょうか。どちらかというと『サマリア』や『弓』といった過剰な作品が好みの私、ちょっと物足りないようにも感じました。しかし、「オダジョーが凡庸」と感想を書きかけて、「本当に凡庸だった?」と確信が揺らぎ始め、翌日、もう一度観に行ったのですが、二度目でも全然退屈しませんでした。
|
大阪ハムレット ちょっと残念 / ★★★☆
笑って泣ける大阪人情コメディ。三兄弟がそれぞれの悩みを乗り越えるという物語や、ラストの温かさは心地よかったのですが、前半の笑いが不発気味だったことや、加藤夏希がミスキャストだったこともあり、もどかしさも残る作品でした。
|
ザ・ムーン あれから40年 / ★★★★
宇宙飛行士の証言と当時の映像で綴られるアポロ計画の全容。1969年の月着陸はリアルタイムでテレビで見た世代、『ライトスタッフ』や『アポロ13』も観たことがあるし、立花隆の『宇宙からの帰還』(宇宙飛行士へのインタビュー集)を読んだこともあり、内容的にはあまり期待していなかったのですが、自分が生きてきた時代の追体験、予想以上に感慨深いものがありました。冒頭のアメリカに活力があった頃の映像だけで泣けてきたりして・・・・。
|
英国王 給仕人に乾杯! 少し予想と違った。 / ★★★☆
給仕人ヤンの浮き沈み人生を通してチェコの現代史を描くという本作、私にとっては面白いというよりは興味深い作品でした。チェコの歴史について無知だったので、勉強させていただいたという感じ。ヤンの人生と時代背景を時にシニカルに時にコミカルに、軽妙洒脱な語り口も楽しめます。ただ内容を知らずに観たので、ちょっと戸惑ったのは事実です。
|
エグザイル/絆 カッコいいとは、こういうことさ! / ★★★★☆
キネマ旬報2008年度外国映画ベストテン第8位に輝いたジョニー・トーの新作。多数決の弊害も感じられる(観た人が多い作品ほど上位になりやすい)キネ旬ベストテン、無闇に有り難がる必要もないと思いますが、これで観客が増えてくれれば万々歳。大阪での通り相場、2週間のレイトショーから脱却してほしいと切に願うものであります(今回はお昼の上映もあって助かりました)。
|
悪夢探偵2 人は悲しみが多いほど / ★★★★
松田龍平主演の『悪夢探偵』シリーズ第2弾。前作がすごく怖かったので、ちょっと迷っていたのですが、個性的な作品を創り続ける塚本晋也は応援したい監督のひとり。キャストに韓英恵ちゃん(ずっと注目している女優さん)の名前を見つけたこともあって観に行きました。
|
The ショートフィルムズ みんな、はじめはコドモだった キョンキョンのひとり漫才 / ★★★★
朝日放送(大阪の放送局)が新社屋完成記念事業の一環として製作した、「こども」をテーマにした5編からなるオムニバス映画。最近の日本映画では『ユメ十夜』や『歌謡曲だよ、人生は』も同じような趣向でしたが、作品数が多く退屈なものも混じっていたのに比べ、粒よりの作品がそろい楽しめました。
|
K−20 怪人二十面相・伝 2009年の映画初め / ★★★★
例年なら正月映画にはあまり鑑賞意欲をそそられないのですが、今年は金城クン主演の本作で映画初めと年末から決めていました。小林少年と呼ばれる友達がいたという世代なもので、とにかく怪人二十面相という題材が懐かしい。
|
|
HOME | INDEX |