ハピネス 恋愛映画の巨匠? / ★★★★☆
「恋愛映画の巨匠」(いつの間にか、そう呼ばれているらしい)ホ・ジノの新作。あまり話題になっていなかったので、危うく見逃すところでした。とりあえず劇場に駆けつけて、鑑賞後に劇場にあったチラシを見ると、ヒロインはイム・スジョン・・・、いゃあ、全然気づかなった。『箪笥』、『サイボーグでも大丈夫』、そして本作と、見るたびに別人になっている彼女にビックリ。童顔を生かした今までの少女役もピッタリでしたが、今回は実年齢に近い役柄で新境地といった感じです。
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ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト 必死のスコセッシ / ★★★★
ローリング・ストーンズについては、昔も今も特にファンではありませんが、ミック・ジャガーのパフォーマンスが千円で観られるなら安いもんと、レディースディに足を運びました。
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夢のまにまに 夢か現か幻か / ★★★★
『東京流れ者』など鈴木清順とのコラボや、林海象のデビュー作『夢みるように眠りたい』など若手監督への協力でも知られる、映画美術の巨匠・木村威夫の長編映画第一作。Wikipediaによると「長編映画監督デビューとしては世界最高齢(90歳)であるとして、ギネスブックに登録された」とのこと。先日観た『石内尋常高等小学校 花は散れども』の新藤兼人の95歳もすごいですけど、90歳というのも充分すぎるほどすごいですよね。そのエネルギーに敬服です。
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練習曲 台湾シネマ・コレクション3 / ★★★★
台湾シネマ・コレクション2008、三本目に観た本作は、NHKの朝のニュース番組でも「台湾に自転車ブームを巻き起こした映画」として紹介されていましたが、昔、NHKの番組で、冨田勲のテーマ曲が印象的な「新日本紀行」というのがありました。日本各地の風物や生活を紹介する番組ですが、青森編で三上寛が取り上げたられことがあって、半裸で歌うシーン(何分にもずいぶん前のことなので記憶を捏造している可能性あり)もあり、一緒に見ていた家族はいつもと違う内容に首をひねっていたのですが、当時はもう映画ファンだった私は『行く行くマイトガイ 性春の悶々』に主演したフォーク歌手・三上寛を知っていて、NHKだっただけに「よくこんな企画が通ったな」と内心ひそかに感心したりしました。
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Tattoo−刺青 台湾シネマ・コレクション2 / ★★★☆
お目当ての『遠い道のり』のあと、ついでに観たので予備知識ゼロ。ネットアイドル小緑と日台混血の刺青師竹子のレズビアンラブを描いた作品で、そのトンデモ設定にピックリ。しかし現代の風俗を巧みに取り入れた展開で飽きさせません。竹子の過去や現在に不幸がテンコ盛りで、ちょっと話を作り過ぎの感はあったのですが、竹子に刺青をいれてもらうチンピラ、小緑のサイトを内偵する警官という準主役の男子たちも含めて、それぞれの孤独が身にしみる切ない青春映画、観終わった印象は悪くなかったです。
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遠い道のり 台湾シネマ・コレクション1 / ★★★
台湾シネマ・コレクション2008の一本。ベネチア映画祭批評家週間最優秀作品賞を受賞ということで楽しみにしていたのですが、ちょっと期待はずれでした。
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石内尋常高等小学校 花は散れども オープニングから涙 / ★★★★
27歳の新人監督の『東南角部屋二階の女』を観たあと、ちょうど時間的に都合がよかったのでハシゴしました。新藤監督は95歳で、その年齢差は何と68歳!
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東南角部屋二階の女 心地よい空気感 / ★★★★
新人女性監督の作品。心が温かくなるような話をさり気なくも繊細に描写した気持ちのよい作品でした。特に心ひかれたのは登場人物の距離感。スタンダード・サイズのこじんまりとした画面に、ひとり、ふたり、あるいは三人、登場人物がさまざまに配置される時の、それぞれの空気感が何とも心地よくて見入ってしまいました。
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僕は君のために蝶になる ヒロインが素敵 / ★★★☆
脚本が『ラブソング』などを書いたアイヴィ・ホーだということは、ジョニー・トーの自前の企画ではなさそうですね。頼まれた仕事を手堅くまとめたというところでしょうか。ミスマッチとも思えるジャンルですが、随所にトーらしさを散りばめつつ、けっこう楽しめる作品になっていたと思います。内容は全然知らずに観たので、ちょっとビックリ。大甘のタイトルが、実は意味深だったのですね。
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その土曜日、7時58分 悪事魔多し / ★★★★☆
シドニー・ルメットの作品では『旅立ちの時』が好きでした。社会派的な視点から描かれた青春映画で、リバー・フェニックスの瑞々しさが強く印象に残っています。それから約20年、ルメット84歳で撮った本作は、やはり社会の諸問題に目を向けながらも、サスペンスに満ちた犯罪ドラマになっており、その年齢を感じさせません。
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レッドクリフ PartT ジョン・ウーの男祭り / ★★★★
いゃあ、面白かった。ずっと「ジョン・ウーのあかかべ」と呼んでいたぐらいで、三国志については無知な私ですが、後半の男たちの熱い闘いに血湧き肉躍る思い。「ちょっとやり過ぎ」というシーンも二ヶ所ほどありましたが、すごい迫力にすぐにまたのめり込んで・・・・。いってみれぱ「ジョン・ウーの男祭り」、魅力的な男たちの勇姿にワクワクでした。
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その日のまえに 花火の夜に / ★★★★
大林テイストが全開で、またまた好き嫌いが分かれそうな作品ですが、ファンの私はもちろん楽しめました。非リアルの中に存在するリアルな感情に胸を打たれるといえばいいでしょうか。雨も雪も作り物のまるで舞台劇のような背景の中で(音楽も終始鳴り続けているので音楽劇と呼ぶべきか)、その日までを懸命に生きる人々の心情の切実さに涙々でした。
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チャウ・シンチーの熱血弁護士 アニタ・ムイが大暴れ / ★★★★
七本の未公開作品を日替わりで上映する香港レジェンド・シネマ・フェスティバルの一本。主演がチャウ・シンチーとアニタ・ムイ(惜しくも数年前に亡くなった香港の国民的女優兼歌手)、監督がジョニー・トーという珍しい組合せで、苦手なレイトショーに足を運びました。鑑賞後に YouTube で見つけた予告編に「香港影壇三大至尊破天荒首次携手合作」とあって、この三人の初顔合わせがセールスポイントだったようです(香港では1992年の興行収入第一位)。
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フェリーニの8 1/2 フェリーニの監督・ぱんざい! / ★★★★☆
映画史に残る傑作、恥ずかしながら今回初めて観たのですが、やはり素晴らしい作品でした。スランプに陥った映画監督の心象風景を綴り、「フェリーニの監督・ぱんざい!」といった趣きです。
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グーグーだって猫である 40過ぎにして乙女 / ★★★★
ちょっと予想と違って、漫画家の麻子さんと愛猫をめぐる「群像劇」でした。エラソーな口を利く謎の青年とか、英語で吉祥寺を案内するヘンな外人とか、動物園の飼育員さん(二人)とか、井の頭公園にタムロする女子高生とか、ワンシーンだけ登場するリリィと鷲尾真知子とか、さらには通行人のおじさんまで登場人物がウン十人(?!)。で、脇の登場人物も重要な役目を果たしたりするので目が離せませんでした。
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トウキョウソナタ アンバランスのバランス / ★★★★☆
「こんな実も葉もない映画ってあっていいものか」という某評論家のお言葉にのけぞってしまいましたが、わたくし的には「花も実もある映画」でした。今までの黒沢作品では不可解なことも多かった「実」の部分が、今回は明快で、また共感もできるということで高得点でした。でも、やっぱりヘンなところも健在。「三時間前」という字幕から始まるクライマックス、「さあ、始まるでえ」と、ワクワクしてしまいましたが(笑)、思いっきり虚構に見えて、映画的なリアリティは湛えており、すっかり引き込まれてしまいました。そのエピソードの収束点も意外ながらもストンと腑に落ちる快感。撮り方によっては陳腐になりかねないラストも、そこに差し込む希望の光に感動の涙があふれました。「花」の部分は相変わらず素晴らしいですね。オープニングから「むむっ」って感じで、何度か息を呑むショットもありましたが、室内シーンの心地よさがまた格別でした。
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イントゥ・ザ・ワイルド ヘラジカのエピソードが圧倒的。 / ★★★★
ショーン・ペンの監督作は初めてです。題材に興味を引かれて観に行きました。恵まれた家庭環境にありながら、あえて物質的な成功に背を向け、放浪の旅に出た青年を描くロードムービー。青臭いけれど真摯で純粋な主人公への共感に満ちた、とても瑞々しい作品で、私も少なからず共感しました。
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アキレスと亀 涙、笑い、共感。 / ★★★★☆
『TAKESHIS’』、『監督・ぱんざい!』と、「訳分からんけど何か面白い」という作品が続いた後の北野作品、「今度は一体どんな映画!?」と、ワクワクしながら観に行きましたが、涙あり、笑いあり、訳も分かる作品でとても楽しめました。
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おくりびと 万人向けの良心作 / ★★★★
企画の発案者はモックンのようですが、面白いところに目をつけましたね。誰もが無関係ではないけれどよく知らない職業、納棺師という異色の題材が最大の勝因。題材は異色ですが、涙あり笑いありの観客を選ばない作品。平日でもけっこう混んでいた客席、終映後は、そこここで「私の場合は・・・・」とお喋りに花が咲いているようでした。
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言えない秘密 放課後の恋人たち / ★★★★
俳優ジェイ・チョウは結構好きなのですが、今回は監督、脚本、音楽、主演の四役を兼ねた作品、見逃すわけには行きません。今までのトボけた役柄とは違って、ピアノの才能にあふれてはいても普通の学生の役。それを普通に演じていたので、個性だけの人じゃなかったんだとちょっと驚きでした。もちろん初監督作とは思えない作品自体にもびっくり。
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ジェイ、うっとりの図 |
ダークナイト 倫理の紊乱者 / ★★★☆
わたくし的には、『バットマン ビギンズ』が可もなし不可もなしだったので、本作もパスするつもりだったのですが、あまりにみんなが「凄い、凄い!」と言うので、思わず観に行ってしまいました。
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それぞれのシネマ 至福の映画体験 / ★★★★
カンヌ映画祭60周年記念企画ということで、カンヌにかかわりの深い33組の監督によるオムニバス。東京フィルメックスやユナイテッド・シネマ豊洲での上映は地方在住者には縁がなく、もう映画館では観られないと思っていたので、一般上映のニュースに接した時からとても楽しみにしていました。オフィス北野にスペシャル・サンクスです。
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ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン 侯孝賢のパリ / ★★★★☆
「珈琲時光・パリバージョン」といった趣きの本作、オルセー美術館の開館20周年事業として製作されたようですが、外国人を起用するなんて太っ腹ですね。フランスでは侯孝賢は人気があるのかな、それともその芸術性に重きを置いた選択なのかな。ともかく、ファンの私はさっそく観て来ましたが、公開二日目の日曜日というのに空いてました。小津生誕100年を記念した『珈琲時光』はけっこうヒットしたみたいで、文句を言う人が一杯いましたが、今回は大丈夫そうですね。って、喜んでいいのかな(笑)。
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カンフー・ダンク! ジェイ・チョウ全開! / ★★★☆
ジェイ・チョウといっても、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、中華圏で一番人気のある歌手。私も当初は知らなかったのですが、初主演の『頭文字D THE MOVIE』を観て、その面白い個性が気に入ってしまいました。
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インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 懐かし劇場 / ★★★★
このシリーズ、もちろん人並みに好きでしたが、二十年ぶりの新作といっても、それほど鑑賞意欲はわかず、見逃したら見逃してもいいやと思ってたんですけど、時間がちょうど都合よくて他の映画と連チャンで観ました。
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きみの友だち 心に染みる思春期群像映画 / ★★★★☆
ポスターの北浦愛と石橋杏奈の空を見上げる表情に魅かれて鑑賞。中学生のさまざまな友情を、成人したヒロイン恵美の回想で描く本作、瑞々しくて切なくて、とても心に響きました。
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崖の上のポニョ 恥ずかしながら、大興奮! / ★★★★☆
宮崎駿の待望の新作、賛否両論盛り上がってますが、わたくし的にはとても楽しめました。母と一緒に行ったのですが、ふたりとも大満足。満席で子供さんが多くて、煩いのは覚悟の上だったんですけど、もしかしたら私たちの方が煩かったかも(笑)。
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ドラゴン・キングダム 出たあ、酔拳! / ★★★★
「奇跡の競演」、観て来ました。わたくし的にはハリウッド映画というのは不安材料だったのですが、いやいやどうして、カンフー映画や香港映画への「愛と敬意」が詰まった作品で感激してしまいました。カンフー映画のポスターをうまくコラージュしたオープニング・タイトルからニコニコ。
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歩いても 歩いても 光、風、緑、海。 / ★★★★☆
「あの坂は大変よね」。終映後のトイレで他人の会話が耳に入ってきました。湘南の高台にある家。建てた時には自分が老人になることを想像もしなかったのでしょう。もちろん息子が海で死ぬことも・・・・。
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カメレオン アクションスター藤原竜也!! / ★★★★
アクションというよりは活劇、平成というよりは昭和、そういうレトロな雰囲気、イマドキの映画ファンには受けないようですが、わたくし的には大満足でした。今の邦画界において、ありそうでなかった作品、もっとヒットしてほしかったですねえ。
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純喫茶磯辺 仲里依紗に魅せられた。 / ★★★☆
小ネタで笑わせる作品は食傷気味だったのですが、そういうものに頼らない本作はわりと正統派(?)のコメディで好感が持てました。でも、登場人物はみんなちょっとヘン。ヘンだけど共感するところもなきにしもあらずという感じで、なかなか面白かったです。家族を描いたホームドラマでもありますが、崩壊した家族が再生する話かと思っていたら、そうでもなくて、でも最後はちょっとハッピーな気持ちにもなれるという、きわめて今日的な作品でした。
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パーク アンド ラブホテル 美香の話が好き。 / ★★★
緑と青がボケた背景に銀髪の少女のアップ、いったい何が始まるのかと思わせるオープニングにワクワク。しかし、全体としてはちょっと期待はずれでした。
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イースタン・プロミス 怖いけれど魅惑的 / ★★★★
予告編のただならぬ緊迫感に心ひかれたものの、監督がクローネンバーグということでちょっとグロイかもとドキドキしながら観に行きました。クローネンバーグ作品は『エム・パタフライ』以来です。
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1978年、冬。 ここより他の場所 / ★★★★
初日に観てすごく気に入った『ミラクル7号』をレディースディにも再見したところ、そのあと頭の中がすっかり香港映画のコメディ・モードになってしまい、久々の中国映画、最初の十分間ほどはちょっと違和感(笑)。
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ぐるりのこと。 コミュニケーションについての映画 / ★★★★☆
春先ぐらいから、どのミニシアターへ行っても本作の予告編が流れ、結局10回近く見かけたような気がします。橋口亮輔の6年ぶりの新作、なるべく白紙状態で観たかったので、見ないようにしていたのですが、音声だけはいやでも聞こえてくる。で、加瀬亮のセリフが耳にこびりついてしまいました。
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ミラクル7号 チープなSF? 実は感動作! / ★★★★☆
前情報入れないで楽しみにしていたチャウ・シンチーの新作。いかにも香港映画らしいコメディ、おまけにサプライズも一杯で、とても楽しめました。
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シークレット・サンシャイン 青い空と陽だまりと。 / ★★★★
理不尽な不幸に見舞われたヒロインが精神的に破綻して行く様を追った作品。正直、序盤の淡々とした日常描写には眠気を誘われたし、キリスト教に入信したあとの描写には、観に来たことを後悔しそうになったのですが、中盤から以降、さりげなく提示されていた伏線が収束されるラストまではぐいぐいと引きこまれました。容易には答えの出ない問題を扱っており、また上映時間も2時間22分と長く、観客にある種の忍耐を強いる作品ですが、その忍耐のあとに報われるものがあるのも確か。これだけ暗く重い物語が、かすかではあっても確かな温かみの中に着地した時、涙を抑えることができませんでした。
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ザ・マジックアワー 柳沢慎一! / ★★★☆
映画作りをネタにした三谷作品、充分に楽しかったし、実は三谷さんご本人も好きなので、あまり文句は言いたくないんですけど、この内容で2時間超は長い感じがしました。中盤まではとても楽しめたのですが、そのあとちょっとテンポが悪くなり、少々飽きてきたりして。終盤も拍子抜けの上に若干クドかったような・・・・。
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ブレス ギドク流奇想 / ★★★★☆
いゃあ、爆笑でした。って、声は出さなかったけど、心の中で大笑い。ますます独自の道を行くキム・ギドク、ファンとしてはうれしい限りです。それまでの作品との落差にちょっとガッカリだった前作『絶対の愛』も、本作を観た今なら違う見方ができるかも。
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山のあなた 徳市の恋 走る女 / ★★★★☆
幸か不幸か、清水宏のオリジナルは観たことがなく、予備知識なしで望んだ本作、懐かしくも新鮮で、とても楽しめました。鑑賞後に読んだ解説では、リメイクというよりは完全カヴァーを目指したそうで、オリジナルの素晴らしさが伺えます。
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愛おしき隣人 A day in the life / ★★★☆
しりとりコント・・・・!?、ロイ・アンダーソンは初めて観ましたが、何とも独特な映画でした。予告編の感触からカウリスマキ風の作品を予想していたのですが、もっと取り留めがないというか・・・・(笑)。でも、観終わってみると、ひとつの世界観が感じられるという、技ありの一本でした。
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 21世紀の古典になりうる作品 / ★★★★
現代につながる骨太のテーマ、デモーニッシュな主人公、そして神話的なストーリーと、PTAの五年ぶりの新作は21世紀の古典を目指したかのような意欲作。アメリカの荒野を捉えた撮影やキャストの演技も素晴らしく、ほぼその意図通りの作品になっていると思いますが、好きかと尋ねられると、答えに窮します。わたくし的には、主人公の「家族を作ろうとして果たせなかった男」という側面を、もう少し強調してほしかったと思います。
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アイム・ノット・ゼア 万華鏡で見るボブ・ディラン像 / ★★★★
ボブ・ディランをモチーフにした六つのパラレルワールドがシャッフルされて、ディランの曲をバックに展開される本作、「ヒップでクール」と、死語まで持ち出したくなるような、とにかくカッコいい映画でした。「ディランの世界へようこそ」という感じのオープニングからワクワク。
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軍鶏 Shamo お目当ては呉鎮宇 / ★★★☆
『ドッグ・バイト・ドッグ』の監督ソイ・チェンの新作。前作はけっこう好きだったのに、監督の名前をすぐに忘れてしまい、それとは知らずに、久々のフランシス・ンを目当てに観に行きました。
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パラノイドパーク 青春スケッチ・ダーク篇 / ★★★★☆
ガス・ヴァン・サントは苦手なので、本作もパスするつもりだったのですが、予告編を見ると、撮影がクリストファー・ドイルということで、ちょっと観てみようかなという気になりました。
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王妃の紋章 見所は美術と衣裳とコン・リー / ★★★☆
昔の作品と比べれば貶したくもなりますが、まあ、これはこれで楽しめる張芸謀の娯楽映画でした。冒頭の、ほしのあきちゃんみたいにオッパイを露出した女官の群れに始まり、次から次へと繰り出される物量作戦、わたくし的にはちょっとツーマッチな印象も受けましたが、まあ、見世物としては一見の価値ありかも。
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マイ・ブルーベリー・ナイツ ウォン・カーウァイ映画というジャンル / ★★★★☆
前作の『2046』はそれまでの作品の集大成という感がありましたが、アメリカを舞台にした本作は意外や、今一度、原点に帰ったという趣き。『欲望の翼』から『恋する惑星』、そして『天使の涙』といった初期の作品を彷彿させます(ジュード・ロウが金城クンに見えちゃった)。で、今だにこんなことしてるのか、と文句をつける人もいるかもしれませんが、これはもう王家衛映画という「ひとつのジャンル」になっているのかも。
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ダージリン急行 重荷を捨てる心の旅 / ★★★★
ヴィトンの特注品か何か知らないけど、「心の旅」に荷物はいらんやろ、と思っていたら・・・・。
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ノーカントリー 暗くて重いノンストップ・アクション / ★★★★☆
アカデミー作品賞を受賞したコーエン兄弟の映画。どちらか一方だけだとさほどでもないですが、この二つのカプリングに、一体どんな映画なのかとワクワク。前情報入れないで鑑賞しましたが、冒頭から唖然としたまま、ハラハラドキドキの2時間でした。
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胡同の理髪師 黒猫も好演 / ★★★★
急激な社会の変化と人間の生死というドラマチックな出来事を、極力ドラマ性を排して描き出した佳作。急な流れの中でも自分を見失わずに生きる人間の姿に胸を打たれます。
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潜水服は蝶の夢を見る 詩的で美しい難病映画 / ★★★★
難病映画に「詩的で美しい」という形容詞がつくなんて、私も予想もしませんでしたが、感動的な実話を元にしたユニークな作品、とても楽しめました。
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ラスト、コーション 好みに合いませんでした。 / ★★★
2月は観たい映画が他にもいくつかあり、後回しにしているうちに鑑賞意欲も失せてきたのですが、いやいや、ヴェネチア・グランプリを見逃すわけには行かないと、近所のシネコンの最終日に滑り込み。
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人のセックスを笑うな 赤子の手を捻るような恋 / ★★★★☆
「観ているあいだ、小さな共感に満たされて、頬がゆるみっぱなしでした。時々、ほんの小さな笑い声も立てたりしながら・・・・」。これは井口監督の前作『犬猫』の感想からの抜粋なのですが、本作にもぴたりと当てはまります。切なさと可笑しさがそれぞれ10パーセント、そして共感は80パーセントの心地よい作品。あの長廻しがダメな人が多いようですが、現在の主流となっている、物語を効率的に語ろうとする映画の対極にあるような作品で、わたくし的にはそれだけでも高得点です。
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陰日向に咲く 原作とは別物 / ★★★
原作がとても好きだったので観に行きましたが、確かに泣ける映画でした。特に「親の期待を裏切った息子の話」というのは私のウイークポイントで、中盤からラストまで大泣きだったんですけど、あまり後に残るような感動はなかったです。
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L change the WorLd L の成長物語 / ★★★★
松山ケンイチの演じるLの大ファンです。とにかくLというキャラが好きなので、スピンオフが作られると聞いて、「LはいかにしてLになったのか」という成長物語のようなものを期待したのですが・・・・。『DEATH NOTE デスノート』シリーズと同工異曲の本作、しかし、ある意味では成長物語といえなくもなく、ちょっと感動してしまいました。
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母べえ 山ちゃんにニコニコ。 / ★★★☆
母と一緒に観に行ったのですが、冒頭から泣き出してしまって・・・・。一体どうなることかとヒヤヒヤしつつ、私はといえば、山ちゃんの登場場面で大笑い。山ちゃん、好きやあ。浅野クン、最高だあ。鶴瓶が演じる奈良の叔父さんも面白かったし、山田監督の久々の喜劇タッチが予想外で楽しめました。
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アメリカン・ギャングスター 人それぞれにドラマあり。 / ★★★★☆
ラッセル・クロウ、役作りのために体重を増やしたのでしょうか。去年観た「プロヴァンスの贈りもの」では仕立ての良いスーツがいちおう(笑)サマになっていたのに、今回は三つ揃えのスーツが見事に似合っていない。でも、すごーく男くさい役にドキドキしたし、自分の置かれた環境に逆らう天邪鬼(なんじゃないかな、多分)的性格にも共感するところがありました。
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子猫の涙 オリンピック銅メダル・ボクサーの第二章 / ★★★☆
メキシコオリンピックで銅メダルを獲得しプロに転向したボクサー、森岡栄治の引退後の人生を描いた本作、作品の出来はまずまずだと思うのですが、素材の面白さに魅せられました。
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ジェシー・ジェームズの暗殺 今年の映画初め / ★★★★☆
今年は1月も半ばを過ぎての映画初めでちょっと面目ない気分。しかし、年末に見た予告編の映像と音楽に心を奪われ、公開を心待ちにしていた本作、期待通りの秀作で良い年明けになりました。
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