中国の植物学者の娘たち 小さな革命 in エキゾチック・チャイナ / ★★★★
『小さな中国のお針子』のダイ・シージエの最新作。「自我や人間性の解放は旧体制から見れば抑圧の対象となる」という主題は前作と共通しているのですが、同性愛を絡めて描かれた本作、非常にロマンチックで耽美的な作品になっています。
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花蓮の夏 永遠のトライアングル / ★★★★☆
少し前に読んだ金城一紀の小説『映画篇』の中に、ビデオ屋さんのアルバイト店員から、毎日おすすめのビデオを借りることになった女性の話があるのですが、ある日貸してもらったのは『ラブ・ゴー・ゴー』という台湾映画。「薦めてもらわなかったら、一生見ることのなかった映画」という彼女のセリフにもあるように、普通の人には遠い存在のようですが、実は私が一番好きなのは台湾映画。一昔前には「侯孝賢と楊徳昌(合掌)の映画があれば、他の映画なんてどうでもええやん」なんて豪語していた時期もあったぐらいで、その後沈滞が続き寂しい思いをしていたのですが、去年あたりから上映本数が増えて喜んでいます。
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転々 そこそこ楽しい。 / ★★★
三木聡の作品は『イン・ザ・プール』を観ただけ。それがあまり好みじゃなかったので、その後はパスしていたのですが、本作は主演のオダギリジョーと三浦友和に興味があって観に行きました。
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この道は母へとつづく 非情の中のリリシズム / ★★★★
久々のロシア映画。ちょっと泣かせ系の映画なのかなと観るのを躊躇していたのですが、お涙頂戴とは無縁のとても気持ちのよい作品でした。
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クローズ ZERO 男気炸裂、熱くて爽快! / ★★★★
原作の漫画は知らないし、前情報もほとんどなしだったのですが、野球少年が甲子園を目指すように、秀才が東大を目指すように、喧嘩に強い男子がその頂点を極める場としての鈴蘭男子高校、そこで男はいかにあるべきかが主題。私なりにそう解釈して観ていたのですが、男気炸裂、熱くて爽快な本作、とても楽しめました。
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オリヲン座からの招待状 前半は○、後半は△。 / ★★★
宮沢りえと加瀬亮が好きで観に行ったので、内容はほとんど知らなかったのですが、ある映画館の衰退を過去の名画を絡めて描くという題材はわたくし的にはまさにツボ。さらに劇中で上映される映画の中には、とても好きな作品もあってうれしくなりました。
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父子 大阪アジアン映画祭で観ました。 / ★★★★☆
もう観る機会がないと思っていた本作、大阪アジアン映画祭で上映されたので観て来ました。パトリック・タムの作品は数年前に『烈火青春(レスリー・チャン 嵐の青春)』を観たことがあるのですが、唐突な展開に場内には失笑が洩れたりして、正直、私もその良さがよく分からなかったのですが、本作は噂通りのとても見応えのある作品でした。
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サイボーグでも大丈夫 保障期間、一生。 / ★★★★☆
オープニングのタイトルバックと音楽に「シザーハンズ」を連想したのですが、作品全体のテイストも、ブキミ可愛い「ビートルジュース」とか、初期のティム・バートンを思わせるものがあります。実はこういうテイストは大好きなもので、映画が始まる前に感じていた眠気(寝不足の上にその日の二本目の鑑賞)も吹っ飛んでしまいました。
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ミリキタニの猫 兄ちゃん、猫の絵を描いて。 / ★★★★☆
ホームレスの画家のドキュメンタリーと聞いて、もっと牧歌的なものを想像していたのですが、あまりに濃い中身に驚きました。「ひとりの人間の数奇な人生」という私的な部分と、「第二次世界大戦から9.11までの歴史的背景」という社会的な部分とが分かちがたく絡み合って、74分という上映時間にぎゅっと詰まっているという感じです。
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めがね たそがれ教!? / ★★★★
予告編の印象が「完璧に二番煎じ」で、少し迷いながら観に行ったのですが、その予想通りだったにもかかわらず、やっぱり心地よい荻上ワールドでした。個性たっぷりの役者陣が醸し出す絶妙の雰囲気に、おいしそうなお料理やゆったりとした音楽、吹き過ぎる風や波の音もあいまって、すっかりリラックスしてしまいました。特に画面いっぱいに広がる海にうっとり・・・・。
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長江哀歌 浪奔浪流 / ★★★★☆
本作は、国家的プロジェクトのダム建設により、破壊されて行く街の相貌を捉えた叙事詩であり、運命を受け入れ、しかしそれでも生きて行く人々を描いた叙情詩でもあります。同時に、映画や流行歌といった大衆文化に彩られた庶民列伝でもあり、市井に生きる人々が忘れられない印象を残します。主人公は人を捜してその街を訪れたひとりの男とひとりの女。彼らと、彼らが出会う人々の間にひととき生まれる温かさにも胸を打たれます。
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包帯クラブ 柳楽ファンです。 / ★★★★
柳楽クン目当てで行ったので、作品そのものにはそれほど期待していなかったのですが、なかなかに愛おしい作品でした。高校生の優しさごっことその成長、物語は多分に予定調和的ですが、軽いユーモアを交えつつ描かれることで清々しい青春映画になったように思います。単なる「ごっこ」ではなくなって行く後半、若いキャストの好演もあり、胸が熱くなりました。
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サッド ヴァケーション 青山真治の女性賛歌!? / ★★★★☆
「EUREKA」が初めて観た青山作品ということで、「Helpless」は未見のまま拝見した本作でしたが、2時間16分という長尺にもかかわらず、すっかり引き込まれました。予測のつかない展開、興味深い人間描写、光石研と斉藤陽一郎の漫才めいたやり取りは今までにない味わいですが、それらを含めた語り口にも魅了され、わたくし的には映画を観る歓びに満ちた作品でした。 |
プラネット・テラー in グラインドハウス B級的感動! / ★★★★
ロバート・ロドリゲスはそれほど好きじゃないし、ゾンビ映画も好んでは観ない。そんな私ではありますが、セットもんの片方を観ないというのは、どうにも落ち着かないし、片足マシンガンのおねえちゃんにはちょっとそそられる(笑)。で、気が進まないながらも観に行ったんですけど、けっこう感動しちゃったんですよ、これが。 |
スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ What's the hell? / ★★★★
題名を聞いただけで思わず笑ってしまう本作、期待していた通りのヘンな映画(笑)で楽しめました。ちょっとヤリすぎのところがなきにしもあらずでしたが、そのデタラメさこそを楽しむ映画、たまにはこういうのもいいんじゃないでしょうか。 |
シッコ 他人事ではなかった。 / ★★★★
ムーア先生、今回はアメリカの医療事情に突撃! ということで、自分には関係のない話でパスしようかなと思ったのですが、評判がよいみたいで観に行きました。 |
ドッグ・バイト・ドッグ 死屍累々の社会派アクション / ★★★★
香港製の異色アクション。主人公はカンボジア人の殺し屋と彼が逃走中に出会う中国人の少女、そして彼らを追う刑事。この言葉の通じない三人の追いつ追われつが、緊張感を伴って描かれます。 |
デス・プルーフ in グラインドハウス 「ごめんなさい」ではすみません(笑) / ★★★★☆
いかがわしいけど、面白い。いやいや、タラちゃんの場合、「いかがわしい」はほめ言葉。「いかがわしくて面白い」と言い直します(笑)。セクシーなおねえちゃん、スリルとサスペンス、そしてユーモアに満ちた本作、とても楽しめました。 |
22才の別れ〜Lycoris葉見ず花見ず物語〜 大林監督の世代論 / ★★★★☆
大分三部作?の第一作「なごり雪」は、私の2002年度ベストワンだったのですが、振り返ってみれば賛否両論だったのでしょうか。本作も賛否両論の気配がありありですね。 |
怪談 見所多し / ★★★★
ホラーは好きじゃないのですが、怪談と来れば懐かしくもあり・・・・。しかし実をいうと、お目当ては菊之助さん。で、女優陣にはさほど期待していなかったのですが、黒木瞳が素晴らしかったです。わたくし的にはあまり馴染みのない女優さんだったのですが、菊之助と質感が似ているというか(変な言い方ですいません)、要するに、とてもお似合いでした。ふたりの出会いの段、背景となる江戸情緒や情感たっぷりの演出もあいまって、とても楽しめました。そこで引き込まれてしまったので、その後の豊志賀さんの嫉妬も身につまされ、最後はもちろん涙々でした(怪談、観に行って、泣いちゃったよお。笑)。 |
プロヴァンスの贈りもの 深みはないけど楽しめる / ★★★★
普通なら観に行かないタイプの映画なのですが、ラッセル・クロウがけっこう好きなもので、同じ映画館でやっている「天然コケッコー」のあと、つい連チャンしてしまいました。しかし、ラッセル・クロウ主演のリドリー・スコット作品がミニシアターで公開なんて、ちょっと寂しい感じ。こういう作品の観客層というのは限定されるのでしょうか。 |
天然コケッコー 和みポイントが一杯 / ★★★☆
四季が移ろう一年という時間、その中で成長する少女を描いた本作、当初は山下監督らしくない題材と思ったのですが、意外や、正攻法でゆったりと描かれる物語は心地よく心に染み込みました。思わずニコニコするエピソードや、はっとするシーンなど、印象に残るところがいくつもありました。ただ、わたくし的には、主役のふたりの初恋にあまり共感できなかったのでちょっと減点です。 |
インランド・エンパイア Where am I ? / ★★★☆
リンチは特に好きな監督というわけでもないのですが、前作「マルホランド・ドライブ」には魅了されました。で、本作も前情報を入れないようにして楽しみにしていたのですが、観に行く直前に上映時間が3時間と知ってビックリ。リンチの3時間は苦痛か快楽か、ちょっとビクビクしながらも(笑)、この目で確かめて来ました。 |
街のあかり ワンちゃんにテヘッ / ★★★☆
カウリスマキの映画は大好きなのですが、今回はちょっと物足りないような気もしました。あまりにもミニマムな描写、あまりにもあっけないラスト。敗者三部作でいえば、「浮き雲」ほどの昂揚感もなく、また、ひとりの女性のために身を犠牲にするという主題に即していえば、「白い花びら」ほどのドラマ性もない。そうはいっても、音楽の使い方や風景の切り取り方が、あいかわらず心地よい作品ではありましたが・・・・。特に気に入ったのは犬の顔。情けない顔のアップには、思わず「テヘッ」と笑いが洩れました。 |
アヒルと鴨のコインロッカー 彼の物語、僕の物語 / ★★★★
予告編から受ける印象を鮮やかに裏切る本作、とても面白かったです。青春映画としても異色、ミステリーとしても異色、一種のオールタナティブと呼んでもいいような、主流から距離を取ろうとしている、その姿勢をまず評価したいと思います。 |
それでも生きる子供たちへ 子供たちの表情に魅せられる / ★★★★☆
普通なら注目されることのない子供たちに光を当てたオムニバス映画。7つの国の監督が自分の国の子供たちを描いています。ユニセフやWFP(国連世界食糧計画)が製作に協力しているということで、問題意識から出発していると思うのですが、同時に各監督の個性的な作風や豊かな表現に、映画を見る喜びが味わえる一作で、とても感激しました。 |
サイドカーに犬 思い出の夏休み / ★★★★
どこかへ出かけて何かと出会う、それが夏休み映画の定番だと思うのですが、本作では、何かが向うから自転車に乗ってやって来る(笑)。その何か、変な女・ヨーコさんが素敵でした。けっこう賛否両論のようで驚いたのですが、久々の竹内結子、今までのイメージと異なる役柄を好演していたと思います。 |
転校生−さよなら あなた− 真正大林映画を堪能 / ★★★★☆
宮部ミステリーを大林流に料理した「理由」も素晴らしい作品でしたが、「転校生」を25年ぶりにリメイクした本作は真正大林映画!という感じ。懐かしくも楽しく、大林ワールド、堪能させていただきました。 |
大日本人 滅び行く種族の矜持と哀しみ / ★★★★
松本人志には関心がなかったのですが、カンヌに招待された作品ということに興味を覚え観に行きました。で、ほとんど白紙状態だったのですが、賛否両論の本作、わたくし的にはとても面白かったです。 |
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力 & 人志 & UA |
監督・ばんざい! 次回は泣かせて / ★★★★
映画はひとりで観に行くことが多いのですが、本作に限っては、誰かと一緒に観たかったかも。ただし、笑いのツボの合う人と・・・・、ふたりで笑えば恐くない(笑)。レディースデイに行ったんですけど、約15名の観客、誰も笑わないんです。静かな場内でひとり爆笑はちょっと恥ずかしい。で、抑えていたのですが、空手道場のところで辛抱たまらんようになってしまいました(笑)。 |
しゃべれどもしゃべれども 雨も風も心地よい / ★★★★
東京の下町を舞台にした落語家のお話に、泣いたり、笑ったり、とても楽しめました。 |
悪い女〜青い門〜 ギドク・マンダラ−4 アンモラルな観音様 / ★★★★☆
ギドク特集、最後に観たのは三作目にあたる「悪い女」。これはわたくし的には傑作でした。私が抱いていたギドク映画のイメージにぴったり合致し、なおかつ、今までに観たどの作品よりも幸福感に満ちていて、大感激でした。 |
リアル・フィクション ギドク・マンダラ−3 白昼の殺人者 / ★★★★
四本目に観たのは五作目にあたる「リアル・フィクション」。公園で似顔絵を描いて暮らす青年が、ある出来事を契機に自分の心に潜む怒りを爆発させ、過去にかかわりのあった人々を次々に殺して行く。殺される人間の日常生活が幾分滑稽なタッチで描写された後、主人公に唐突に殺されるあっ気なさ。その繰り返しはいささか現実離れしていて白日夢めいた感触もあり、呆然とさせられるのですが、しかし、どこか心地よいのは、主人公の怒りに共感している私がいたりするからなのか(笑)。 |
絶対の愛 ギドク・マンダラ−2 処女作と最新作 / ★★★☆
ギドク特集、二本目に観たのは最新作ですが、ちょっと期待はずれ。「永遠の愛」を手に入れるために整形!? それはちょっと違うんちゃう(笑)というわけで、あまり共感できませんでした。邦題の「絶対の愛」にミスリードされたのかもしれませんが、「サマリア」とか「弓」のように、ある種の別世界に連れて行ってもらえると思っていたのでがっかり。 |
ワイルド・アニマル ギドク・マンダラ−1 ギドク流フィルムノワール / ★★★★
東京では殆どの作品が一挙上映されたスーパー・ギドク・マンダラ、大阪では、日本未公開の二作品と劇場未公開の一作品のみの上映ということで、ちょっと残念だったのですが、処女作の「鰐」と最新作の「絶対の愛」も同時公開ということで、ギドク・ワールド、堪能させていただきました。 |
歌謡曲だよ、人生は 企画はホームラン / ★★★☆
昭和歌謡の名曲をモチーフにしたオムニバス、という企画自体はホームラン性の当りだったんですけど、外野フライやファウルになってしまった球もあって、ちょっと残念でした。単に10話を並べて、プロローグとエピローグをつけただけという構成も芸がない感じです。ただ後半に面白いものが並んだので、130分という上映時間も苦になりませんでした。 |
黄色い涙 青春の回り道 / ★★★★
小説家志望が云々する働かない理由に、「それはちょっと違うやろ」と苦笑しつつも、青春貧乏物語に微笑してしまいました。青春映画って好きなもので、青春の夢と挫折というのもウイークポイントなもので、後半は涙々になってしまいました。こういう話だったら、「白紙の原稿用紙」といった記号だけでも泣けてくるんですよね(笑)。 |
黒い眼のオペラ 薄ぼんやりとした幸福感 / ★★★★☆
「楽日」と「西瓜」を観てから半年も立たないうちに、蔡明亮の新作が観られるということで、とても楽しみにしていたのですが、直前に観た「百年恋歌」に大感激してしまい、少し散漫な気分で望んでしまいました。が、それが反ってよかったのか、退屈したという声が多い中、薄ぼんやりとした幸福感を感じながら、面白く観ることができました。 |
百年恋歌 唯一無二の作家性 / ★★★★☆
侯孝賢が日本に紹介された頃から、ずっと彼のファンなのですが、近年の作品にはガッカリするところがなきにしもあらず。で、本作も恐る恐る観に行ったのですが、いゃあ、感激しました。 |
神童 瑞々しくて、愛おしい / ★★★☆
ラストが少し唐突で、どう解釈すればよいのか・・・・。それと、うたのような神童を目の当たりにしたことがないので、コンサートの場面では驚いたのですが、これが神童の神童たる所以であるといわれれば、納得するにやぶさかではありません。わたくし的には、それ以外に特に気になるところはありませんでした。 |
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン 四月の雪 / ★★★★
九州の言葉って温かくていいですよね。私の場合、大学時代、周囲に九州人が多かったので懐かしかったりもします。その九州を舞台にした母と息子、そして父の物語、しみじみと心に染みました。淡々と、しかし丹念に綴られる日常的なエピソードが、静かに情感を高めて行くという感じでした。 |
かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート 龍虎門のモットーは「仁者無敵」 / ★★★★
アナクロとシュールとノスタルジーが合体したカンフー映画(!?)。 |
ママの遺したラブソング The Heart is a Lonely Hunter / ★★★☆
ある出来事のせいで泥沼にはまってしまった二人の男と毎日を無為に過ごしていた少女が出会い、そして最後には三人が輝きを取り戻す。その三人を結びつけたのは、実は死者の思い出である、という物語自体には心ひかれるものがあったのですが、登場人物のセリフから物語を読み取らせるという、その語り口はあまり巧みではなかったように思います。それに過剰な文学趣味にもちょっと辟易。ボビー・ロング元教授が口にする文学からの引用、あまり馴染みがなくて頭にすんなりと入ってこなかったのです。これが映画に出てくる名セリフだったら・・・・、なんて(笑)。でも少女の子供時代を知っている大人たちがそれとなく力を貸したりするところ、とても心に響きました。 |
プロジェクトBB 私がママよ by ルイス・クー / ★★★★
何だかんだいっても、やはりジャッキーの映画は見逃せないわけで、本作も前情報なしに観に行ったのですが、豪華な出演者にビックリ。まず相棒が、最近注目のルイス・クーだったのでニコニコしていたら、次に出て来たおじさんは、えっ、マイケル・ホイ!?。で刑事が、もしかしてユン・ピョウ!?。前に見たのはいつかいな? という感じで、ふたりともすぐには分からなかったですよ。トホホ(笑)。劇中のセリフじゃないですけど、まるで同窓会みたい、懐かしかったですよね。 |
13/ザメッティ 恐怖の運だめし / ★★★☆
ヴェネチアで新人監督賞に輝いたという本作、決して悪くはなかったのですが、期待ほどではなかったかと・・・・。肝心の核になる部分が一種のショッカーなのに、予告編ですでに見ていたため、感興が殺がれてしまいました。何も知らなかったら、もっとドキドキしたかもしれませんね。 |
あかね空 東女に京男 / ★★★☆
夫婦の絆、家族の絆を描く時代劇、いくつか気になる点はあったものの、全体としては好感の持てる作品でした。 |
今宵、フィッツジェラルド劇場で 乗るなら聴くな by 白いコートの女 / ★★★★☆
まるでエドワード・ホッパーの絵画のようなシーンから始まる本作、カントリーミュージックとユーモアにあふれ、久々に古き良きアメリカ映画という感じで、思わずニコニコでした。 |
パリ、ジュテーム 粒ぞろいのオムニバス / ★★★★
パリを舞台にした18話(!)からなるオムニバス。多少のばらつきはありましたが、エスプリの利いた佳品ぞろいでとても楽しめました。と書いてはみたが、「エスプリ」の意味が未だによく分からなかったりして(笑)。 |
蟲師 わび、さび的ファンタジー / ★★★★
原作は知らないのですが、日本昔ばなしのモダン・バージョンの実写化といった本作、余人はいざ知らず、私はすっかり引き込まれてしまいました。観たあと、2時間を越える長尺と知って、ちょっと驚いたぐらいです。 |
松ヶ根乱射事件 人間だもの / ★★★★
「リンダ リンダ リンダ」は好きだったのですが、そのあとテレビで見た「ばかのハコ船」があまり好みじゃなかったので、本作もパスするつもりだったのですが、レディースディに衝動的に観に行ってしまいました(笑)。で、タイトルうろ覚え。冒頭の展開で「松ヶ根殺人事件」かと思ったら・・・・。 |
エレクション 人間悲喜劇風味の「男の世界」 / ★★★★☆
香港黒社会の権力闘争を描くジョニー・トー作品。トーお得意のユーモア、今回は抑え気味ですが、やはりじわっと染み出す可笑しさがあり、濃厚なドラマとあいまって、見応えたっぷりの人間悲喜劇になっていました。スタイリッシュな映像は言わずもがなで、いやほんと、唸りましたわ。 |
叫 怨念系ポストモダン・ホラー / ★★★★
冒頭から何の説明もなしに描かれる、いくつかの殺人事件がそれぞれ異様で、前半すっかり引き込まれてしまいました。ミステリーとしても成功しているのではないでしょうか。その答えが提示されたあとも残る不可解な部分、そこは観客の解釈に任せられているというわけで、なかなか興味深く観ました。 |
世界最速のインディアン グッド・オールド・デイズ / ★★★★☆
アンソニー・ホプキンスは格別好きな俳優さんでもないので、パスするつもりだった本作、ここでの評価が高いので観に行きました。うーん、なるほど、爽快で心温まる、何とも気持ちのよい作品でした。 |
幸福な食卓 勝地涼! / ★★★☆
半月ぐらい前に観て、レビューを書こう、書こう、と思っているうちに今日になってしまいました。観終わった時の印象は決して悪くなかったのですが、だんだんリアリティが足りないような気が・・・・。 |
ユメ十夜 帰り道で・・・・ / ★★★☆
松尾スズキの第6話に抱腹絶倒。ちょっと反則ちゃうのんと思いながらも大笑いでした。でも、こんなになっちゃう前はどんなんだったのかなと、帰りに思わず原作の文庫本を買ってしまいました。各話それぞれ3ページ前後の短い文章なのですが、神経症的な怖さと奇妙なユーモア感を湛えており、なかなか味わい深く、とても面白かったです。 |
魂萌え! 熟年女優の演技を堪能 / ★★★★☆
いゃあ、すごかったですね。風吹ジュンVS三田佳子、本妻対愛人の一本勝負。「年上の愛人に負けられるもんですか」、「十年も愛人がいたことを知らなかったくせに」、二人の意地のぶつかり合い、青い火花が散ってるって感じでした。おふたりの演技がまた出色で、自分と境遇は違っても、どちらにも共感させられましたが、同時に切なかったりもするのは、阪本さんの手腕でしょうか。 |
ディパーテッド ふたつの孤独 / ★★★☆
香港版「インファナル・アフェア」はもちろん好きですが、本作も決して悪くなかったと思います。どなたかも言及していましたが、主人公の年齢の違いがポイント。さらにアイリッシュという出自を絡ませたことで、香港版とは別物のアメリカ映画になっていたと思います。被差別者という環境に選ばれてしまった二人の若者の生き方が壮絶、かつ哀切でした。特にディカプリオ。香港版ではアンディ・ラウの孤独に胸を衝かれましたが、本作ではディカプリオの孤独が胸に沁みました。 |
迷子 久々の蔡明亮−3 / ★★★★
蔡明亮がプロデュースした李康生の監督デビュー作。李康生は蔡作品で主役を演じてきた俳優ですが、今回、蔡作品で自分の母親を演じてきたルー・イーチンを主役にすえて本作を撮りました。 |
西瓜 久々の蔡明亮−2 / ★★★★☆
久々の蔡明亮、二本目は奇妙奇天烈な純愛ラブストーリー。惹かれあっているのに距離を縮められないふたりを、過激なセックスシーンとミュージカルシーンを交えて描くというもの。台湾では興行成績一位を記録したということですが、観客の大半は好き者のオヤジだったのではないかと推測いたします(笑)。しかし、そんなオヤジたち、ガッカリしたんじゃないかしらん。あまりにも即物的なセックスシーン、私は劣情よりも笑いを催してしまいました。でも、笑ったら変な人に思われそうで我慢してたんです。ああ、辛かった(笑)。 |
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藝術大師 蔡明亮 |
楽日 久々の蔡明亮−1 / ★★★★☆
久々の蔡明亮、二本同時公開ということで、チラシを手にした時からとても楽しみにしていました。一本目の本作は、閉館する映画館を舞台に、映画そのものへオマージュを捧げた作品。物語らしい物語はなく、永遠に続くかのような長廻しで切り取られる、映画館のたたずまいこそが主人公。音楽もなく、セリフもほんの数行で、退屈する人の方が多いと思いますが、蔡明亮を観続けて来た私にとってはとても心地よい作品でした。 |
それでもボクはやってない !!!! / ★★★★☆
綿密な調査と緻密な脚本が生み出した面白くてためになる映画。2時間半近い長尺、その半分以上は法廷シーンという地味な作品ですが、さすが周防さん! すっかり引き込まれてしまいました。観ている間ずっと、私の頭の中にはびっくりマークが点滅しっ放し。本当に驚きの連続で、考えさせられることも多々ありましたが、裁判員制度の導入が決まった今、他人事ではなく自分のこととして勉強になりました。 |
悪夢探偵 流血ホラー / ★★★★
ホラーは苦手なのに、松田龍平と安藤政信主演の塚本作品という情報だけで観に行き、たいへん怖い思いをしたうつけ者です(笑)。ああ、怖かった。あのシーン、一度目と二度目は何とか我慢しましたが、三度目には頭がクラッとなって思わず目を閉じてしまいました。いちばん肝心なところを見逃したような・・・・(笑)。 |
犬神家の一族 佐清(スケキヨ)再臨 / ★★★★
三十年前のあのすごい横溝正史ブーム、実は私も担い手の一人だったもので、当然結末が分かっている本作、当初はパスするつもりだったのですが、母のお供で観に行くことになりました。 |
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