オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ 瀟洒な吸血鬼映画 / ★★★★
すぐには感想が書けない作品で、年を越してしまいました。画面をおおう闇、ひそやかで慎ましやかな吸血鬼たち。鑑賞中は少し眠気を催したりもして、どこか夢見心地でした。
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ゆるせない、逢いたい 悲しい純愛 / ★★★☆
柳楽優弥と新人の吉倉あおいが主演のラブストーリーですが、社会的な問題も提示した真摯な作品。しかし、若いキャストの好演もあり瑞々しい作品になっていました。
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ジ、エクストリーム、スキヤキ 絶妙の会話劇 / ★★★★
『コールド・ウォー 香港警察二つの正義』と同じ映画館で上映していたのでハシゴしましたが、緊張感で息もつけない『コールド・ウォー』とは対照的な脱力系青春映画ですごーく和めました。15年ぶりに再会した旧友の窪塚洋介と井浦新が、話の成り行きで昔の仲間・市川実日子と窪塚洋介の同棲している恋人・倉科カナを誘い一緒に海を見に行く、それだけの話。
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コールド・ウォー 香港警察 二つの正義 クールな香港アクション / ★★★★
久々に観た香港映画はクールでタイトなサスペンス・アクション。警官5人が車両もろとも誘拐されるという事件に警察内部の次期長官争いを絡め、アクションあり人間ドラマもありで見応えがありました。行動班と管理班というふたつの部署、その長であるふたりの副長官の対立、誘拐された警官のひとりは行動班副長官の息子、消えた身代金を巡って警察内部の汚職事件を捜査する外部機関も介入と、二転三転するストーリーに釘付けでした。登場人物も多く、その所属と氏名が字幕で示されるのですが、あっという間に消えちゃうので油断できなくて、それも緊張の一因でした(笑)。
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かぐや姫の物語 虫愛ずる姫君 / ★★★★★
宮崎作品はいちおう全て観ているのですが、高畑作品は『火垂るの墓』と『おもひでぽろぽろ』だけ。本作もあまり関心がなかったのですが、かぐや姫が疾走する予告編を見て「何じゃこりゃ」と驚嘆。その後、六分間の予告編を目にした時に「絶対観よう」と思いました。
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清須会議 人間百態 / ★★★★
歴史物は苦手ですが、この辺は大河ドラマなどでも何度も取り上げられているので、馴染みがないわけではない。しかし、それほど詳しいわけでもないというスタンスで鑑賞したせいか、とても楽しめました。織田信長の後継者を巡る家臣たちの主導権争いや駆け引き、登場人物それぞれの思惑や心情が巧みに描かれ、現代の人間でも共感できるような人間喜劇になっていたと思います。その人間性の発露を明るい側から捉えているところが秀逸。物語のその後を知っているので、明るいだけでは終わらず、そこはかとない哀愁も感じられるところが人間喜劇と呼ぶ所以です。
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夢と狂気の王国 猫と夕日の王国 / ★★★☆
ジブリについてのドキュメンタリー。情報としては既知のものが多く、それほど新たな発見はなかったのですが、仕事場をうろうろする猫と屋上の庭から見る夕景に魅了されました(緑の梢から差す木洩れ日も素敵)。
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四十九日のレシピ ロリータ・イモ / ★★★☆
タナダユキ作品は『百万円と苦虫女』を観ただけですが、あまり好みじゃなかったので、本作も観るつもりはなかったのです。しかし、テレビで目にした二階堂ふみのインタビューに、俄然興味をひかれて鑑賞しました。継母の死をキッカケに自分を見つめなおす主人公の今を中心に、実父や継母、継母が関わった人々の人生模様を描いています。ちょっと見方を変えれば、今まで見えていなかったものが見えてくるといったポジティブさや、つまづいた人々を包み込む温かい視線が心に染みる作品。登場人物の感情の機微を細やかに描写しているところも好みでした。
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ばしゃ馬さんとビッグマウス 天童よしみ / ★★★☆
シナリオライターになりたいという夢をひたすら追い続けているうちに34歳になってしまった女性、そして大口をたたくばっかりで何もしない青年、この二人が主人公の青春ラブコメディということですが、けっこうリアル、切ないのを通り越してちょっと痛かったりしました。それと吉田監督独特のゆるいテンポは苦手かもです。今までの作品では『純喫茶磯辺』を観ただけですが、あの時も少し馴染めなかったりしたので。でも、浅草あたりで主人公たちがウダウダしている描写には和めたりもしました。
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R100 非日常からの逆襲 / ★★★★
『大日本人』が好きだった松本作品ですが、『しんぼる』はイマイチで『さや侍』はパス。本作も観るつもりはなかったのですが、週刊誌で目にした舞台挨拶の女優陣が豪華かつ個性的で、悪評に逡巡しつつも、やっぱり観に行ってしまいました。
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今日子と修一の場合 今日子の場合、修一の場合 / ★★★★
奥田瑛二が安藤サクラと柄本佑の娘夫婦とともに作り上げた作品。『地獄でなぜ悪い』とはタイプの異なる対照的な作品ですが共通点がいくつかあり、続けて観たので面白く感じました。ふたつの話が並行して語られること、音楽が効果的に使用されていること(本作ではクラッシック)、そしてキャストの演技が素晴らしいことなどが共通点ですが、大きな相違点は本作ではふたつの話は交わらないこと。主人公ふたりの出身地が東北の同じ町で、東北大震災も絡んでくるのですが、あくまでそれは背景。しかし、時に挿入される震災時のニュース映像や震災後の風景にはやはり慄いてしまいます。
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地獄でなぜ悪い みんなキレてる / ★★★★
いろいろテンコ盛りでやりたい放題の超面白い作品でした。映画オタクの青春四人組(クサいセリフを連発するんですけど、そのいちいちに共感してしまう、笑)と娘が主演の映画を作りたいヤクザの親分、そのふたつの話が並行して描かれ、それがひとつにつながったところからシッチャカメッチャカの大死闘。血糊の量が半端ないキルビル風味でしたが、最後はあふれる映画愛に泣けてしまうという、映画ファンなら必見作(!?)じゃなかろうか(自信はないけど、笑)。
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許されざる者 見応えあり / ★★★★☆
オリジナルはもちろん観ていますが、あの辺からイーストウッド作品が好みでなくなってきたという記憶があり(それ以前のB級風味の作品は好きだった)、ほとんど印象に残っていません。というわけで全然別物として鑑賞しましたが、実をいうと、久々の柳楽優弥がお目当てだったりして・・・。
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あの頃、君を追いかけた 有点幼稚 / ★★★
今までも佳作の多かった台湾の青春映画ということで、前情報入れずに楽しみにしていたのですが、開巻5分で「失敗した」と思いました。高校の教室で最後列のふたりの男子生徒が・・・・、何じゃ、こりゃ(笑)。終盤の展開とエンドロールから察するに、人気を博したネット小説の作者が自作を映画化したらしい。ということで、何だかすべてが納得できました。
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共喰い 女性像が秀逸 / ★★★☆
青山作品にしてはセックス描写が多くてちょっとビックリ。全編の二分の一ぐらいがセックスシーンという感じで、それも劇的(エロチック)ではなく、淡々とした描写が続くので、それほど面白いとも思えなかったのですが、最後の最後、女性たちのそれぞれの台詞にいろいろな感慨を覚えました。主人公の母、恋人、そして父の愛人という三人の女性が登場するのですが、その三者三様のたくましさに胸のすく思いもしたりして、『サッド ヴァケイション』に続く「青山真治の女性賛歌」のようにも思えました。
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風立ちぬ 夢を見る人 / ★★★★☆
ただ美しい飛行機を作りたいという夢を一途に追い続けた主人公、そして限りある日々を懸命に生きた恋人たちの物語。数日前に観たのですが、今は頭の中で、久石譲とユーミンのメロディが交互に無限ループ中です。
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嘆きのピエタ 聖と俗、美と残酷 / ★★★★★
俗の極みから聖なる高みへと人間を解放する、この軌跡を見よ! 隠遁生活後の復活を示す、キム・ギドクの最新作は期待通りの素晴らしい作品でした。ギドク、やっぱり面白い、やっぱり大好き!
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リアル〜完全なる首長竜の日〜 疲れるエンタメ / ★★★☆
何度か見かけた予告編には全然興味が湧かなかったのですが、最近、監督が黒沢清と知って観に行きました。久しぶりの黒沢作品はいつも通りやっぱりヘン。でも、けっこう楽しめました。
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はじまりのみち 気持ちのよいオマージュ作 / ★★★★
原恵一による木下惠介生誕100周年記念映画は、若い日のひとつのエピソードを描くことで、木下監督の人となり、そしてそれからの人生を浮き彫りにしようとする作品。
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イノセント・ガーデン 背徳的なお伽話 / ★★★★☆
パク・チャヌクがいつの間にかハリウッドで映画を撮っていたのでビックリしましたが、チャヌクは大好きだし、主演がミア・ワシコウスカというのも魅力で、とても楽しみにしていました。その期待を裏切らない作品でしたが、今までの作品とはやはり若干テイストが異なり、しかし、そこがまた楽しかったりしました。
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グランド・マスター 面影集 / ★★★★
金曜日の初日のみ大き目のスクリーンだったので慌てて観に行きました。大画面に映像美がさく裂する、オープニングの雨中の格闘シーンからうっとり。葉問とルオメイの優雅で華麗な格闘、ルオメイと馬三の鉄道駅での緊張感のある格闘など、カンフーのシーンが素晴らしくて見応えたっぷりでした。
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中学生円山 「ファンです」 / ★★★☆
男子中学生のエッチな妄想の数々に爆笑しつつ、ちょっとクドイような気もしました。テンポもちょっと悪いような気もしましたが、でも、なかなか楽しめる作品でした。大笑いしているうちに、最後はちょっと泣きそうに・・・・。徘徊老人と小学生女子の恋の部分、胸を衝かれる台詞もあって心に染みます。韓流大好き主婦と元スターの部分は、最初のうち大笑いしていたのですが、そのうち身につまされてきました。憧れのスターが身近に現れたら、絶対、自分もあんな風になると自信があります(笑)。傍から見ると滑稽でも本人は真剣、そういう物事の二面性が生み出す切ない人間喜劇がいくつも詰まっていました。
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ビル・カニンガム&ニューヨーク 清貧の人 / ★★★★
驚きが一杯のドキュメンタリーでした。ニューヨーク・タイムズにコラムを連載しトレンドをリードしていると紹介されるファッション・フォトグラファーのビル・カニンガム、しかし、その暮らしぶりは清貧と呼びたいようなシンプルライフで、まずビックリ。部屋には家具ひとつなく、今までに撮りためたフィルムを全て保存しているというキャビネットが林立しているだけ。写真を撮るために街に出かける時は自転車、そして仕事用の上着はパリの道路清掃人と同じもの(でも青色が街に映えてオシャレに見える)。
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セデック・バレ 第一部&第二部 ちょっとあざとい / ★★★
去年の大阪アジアン映画祭で上映された台湾映画。観に行く予定だったのですが、寒い夜間にシヌ・ヌーヴォまで出かけるのが億劫になって結局見逃し、他の作品の整理券を取るために並んでいた時、周囲の人たちが口々に絶賛するので悔しい思いをした作品。でも、実際に観てみると、皆、何であんなに興奮していたのか、ちょっと不可解でした。
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藁の楯 本音と建前 / ★★★☆
「日本全国民が、敵になる」というコピーや予告編の感じから、もっとカオスな映画を予想していたのですが、意外と正統派というか王道のサスペンスアクション。三池監督にしてはちょっと物足りない感もあったのですが、楽しめる娯楽作品、特に前半はハラハラドキドキの連続でした。後半は確かにツッコミ所もありましたが、前半の勢いのまま最後まで押し切られてしまったという感じです(笑)。
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ペタル ダンス 珠玉の女子映画 / ★★★★☆
石川寛監督の作品は初めて。ポスターを目にした2月頃からずっと気になっていたのは、キャストの顔ぶれが魅惑的だったからですが、作品自体も私の好みにぴったりでとても楽しめました。もっとも、ストーリー重視の観客からは「雰囲気映画」と貶されそうな作品。しかし自分的には、その雰囲気の作り込みだけでも感激しました。かすかに青みがかった灰色の空や海の映像、登場人物の衣装や静かな音楽まで、繊細に作り上げられた世界観が素晴らしいです。
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舟を編む 熱が伝わる / ★★★★☆
去年、予告編を初めて目にした時、監督が石井裕也ということに少なからず驚きました。石井監督の個性的な作風を愛するファンとしては、一抹の不安を抱きながらも、実は今年一番の期待作だったのですが、大器の片鱗さえ感じられる秀作に大満足。抜擢に応えた石井監督も見事ですが、石井監督を起用した製作者側の英断も称えたいです。
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千年の愉楽 路地裏の伊達男たち / ★★★★
若松監督にはあまり馴染みがないのですが、美男俳優のPV集のような予告編につられて鑑賞。やはり俳優陣が魅力的でした。高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太の三人に井浦新も加えた四人の、それぞれの美しさや個性が見応えあり。特にイノセント(無知でもある)な高岡蒼佑が愛おしく思えました。染谷クンの出番は短かすぎ、そこはちょっと不満でしたが、作品自体もなかなかに魅惑的でした。
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毒戦 ジョニー・トー・ファン集合 / ★★★★
大阪アジアン映画祭で上映されたジョニー・トーの新作は、中国の麻薬組織と警察の闘いを描いた犯罪映画、全編を中国本土で撮影した初の作品だそうです。「男のロマン」系ではなく、『エレクション』のような実録ものに近いテイスト、ちょっと泥臭い感じもしましたが見応えたっぷりでした。
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ジャンゴ 繋がれざる者 真っ向勝負 / ★★★★☆
上映時間2時間45分、邦画なら絶対パスするのですが、タラちゃんの映画を見逃すわけには行きませんよね。期待通り楽しめる作品でした。マカロニウェスタン風味は、これまでもしばしばうかがわせていましたが、今回は真っ向勝負。しかし、主人公がドイツ人と黒人というのが意表を突いています。南北戦争以前のアメリカ南部、奴隷制を絡めたストーリーにも意表を突かれました。ジャンル・ミックスはタラちゃんのお家芸ですが、その幅広さに、またもやびっくり。人種差別に対するタラの見解がうかがえる展開に、「ふーん、ふーん」と感心しきりでした。
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ももいろそらを インディーズ系ガールズムービー / ★★★★☆
地方都市に住む高校1年生女子が主人公の青春映画なのですが、とーっても気に入りました。主人公いづみの何やら怪しげな表情を捉えたオープニング、いったい何が始まるのかと思ったら、目の前に落ちている財布を拾うのを誰も見ていないか確認する表情だったのです。そこで思わず頬がゆるんでしまったのですが、そのあとも何度も、ふと気づくと自分の頬がゆるんでいる!
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有りがたうさん ありがとーう / ★★★★☆
『蜂の巣の子供たち』に感激したばかりなので、BSプレミアムで放送された清水宏作品を思わず録画してしまいましたが、これも秀作でした。タイトルの「有りがたうさん」は主人公、伊豆の山間を走る路線バスの運転手のニックネームだったことに、まず意表をつかれます。狭い山道、道を譲ってくれた通行人に「ありがとーう」と感謝の言葉をかけることに由来する呼び名。若くてハンサムで気の好い青年は、その地方のいわばアイドルのような存在で、演じる若き日の上原謙が素敵。また空軍のパイロットのような制服も素敵で、びっくりしてしまいました。
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脳男 トリオ・ザ・エキセントリック / ★★★
斗真熱もちょっと冷めかけている私ですが、染谷将太クンも出ているということで、やっぱりこれは必見作。このふたりに二階堂ふみちゃんも加えた三人の役柄がエキセントリックで楽しめました。斗真クンはやっぱり美しい。登場シーンからうっとりでした。松雪さんも好演で、このふたりの冷たいやりとりにゾクゾクさせられました。
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奪命金 お金の世界 / ★★★☆
今回のジョニー・トーは「男の世界」ならぬ「お金の世界」。金融危機の起こりそうなある一日の三つのエピソードを、時制を行きつ戻りつさせながら描く脚本が秀逸だったのですが、自分的にはいまいち乗り切れない素材でもありました。ジョニー・トー映画のアイコン、ラム・シューも出演してなくて、キャストにもちょっと不満あり。リッチー・レンはあまり好きじゃない。ラウ・チンワンは嫌いじゃないけど、今回はちょっとやり過ぎかなあと(目パチパチが気になって、気になって、笑)。しかし、お金にまつわるサスペンス、充分ドキドキさせてもらいました。特にリストラ寸前の女性銀行員と年金暮らしの老婦人のやり取りが、どちらにも身につまされる部分があってヒヤヒヤもんでした。
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蜂の巣の子供たち 初清水宏 / ★★★★☆
近場のホール上映で清水宏作品を初めて鑑賞しました。噂には聞いていたので、その確認ということになってしまうのですが、それでも素晴らしい作品でした。終戦からまもない頃、下関駅で偶然出会った復員兵、戦災孤児たち、孤児たちを束ねる親分(傷痍軍人)、そして広島の家族と連絡の取れない若い娘が、別れと出会いを繰り返すロードムービー。復員兵と戦災孤児たちは、日雇いや住込みの肉体労働で金を稼ぎながら、山口から広島、四国、そして東京へと移動し、先に上京していた若い娘と再会すると・・・・。
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ムーンライズ・キングダム ジンジャー風味のスイーツ / ★★★★
互いに居場所を見つけられない幼い恋人たちが、この世界に温かく抱きとめられるまでの物語。鑑賞中にふと頭に浮かんだ言葉は「ヘタウマ」。キャストのちょっと現実離れした演技から思い浮かんだ言葉ですが、物語を効率的に語ることは度外視し、世界観の豊かさこそを目指すところにもその感があります。とにかく、核心となるテーマの周りにいろいろ詰め込まれている何やかやがとても楽しいのです。時は1965年ということで、まず衣装や音楽が懐かしくて素敵。ヒロインの家や小物も可愛くて素敵。アナクロ気味のCGの使い方も好ましい。
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かぞくのくに 言えない想い / ★★★★
見逃していた作品がアンコール上映されたので観に行きました。個人の力ではどうすることもできない体制の壁によって引き裂かれた、家族のつかのまの再会を描いていますが、観客の感情や情緒に訴えることによって、その不条理性をいっそう際立たせる脚本が見事でした。
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みなさん、さようなら この世界に打ち勝つために / ★★★★☆
ある出来事のせいで一生を団地で過ごすと決めた中学生の物語。佳作ぞろいの中村義洋×濱田岳作品は今回も見応ありです。原作は数年前に読んだのですが、いい具合に忘れていて、また新鮮な気持ちで楽しめました。
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5windows 記憶の中の彼女 / ★★★★
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の瀬田なつきの40分の短編です。前作は不思議可愛いラブストーリーでしたが、本作もまるで一編の詩のようなちょっと不思議な作品でした。横浜の黄金町を舞台に、2011年8月27日14時50分にそこですれ違った四人の男女を描いています。まるで詩の一行のような断片的な映像が、時間軸を行きつ戻りつしながら綴られ、登場人物のそれぞれの時間を見せて行きます。
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ブラッド・ウェポン 熱すぎる香港アクション / ★★★☆
ますますパワーアップするダンテ・ラム作品。今回はヨルダンとマレーシアを舞台に、国際テロ組織の細菌兵器を巡る闘いに巻き込まれる、幼い頃に生き別れた兄弟の運命を描いています。オープニングからヨルダン軍の協力を得たという迫力のある市街戦がこれでもかと・・・・。実は自分的にはこういうの余り好みじゃなくて、銀行強盗とか宝石的襲撃といった身近(?)なアクションのほうが好きなんです。舞台がマレーシアに移ってからもアクションのつるべ打ちは続き、お腹一杯を通り越してヘトヘトになってしまいました。
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ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝 中国四千年の荒唐無稽 / ★★★☆
ツイ・ハークの3D武侠映画かあ、とちょっとニヤニヤしながら観に行きましたが、その予想通りトゥーマッチ感の漂うアクション・ファンタジーでした。特に終盤の竜巻の中での死闘は「中国四千年の荒唐無稽」という感じで、やりたい放題のツイ・ハークに微笑んでしまいます。しかし、この世界観に馴染みのない観客にはトンデモ映画と分類される恐れあり。まぁ、楽しんだもん勝ちといったところでしょうか(笑)。
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サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ フィルムとデジタルをめぐる、私なりの雑感 / ★★★★
去年、『北のカナリアたち』を観に行った時、スクリーンがシネスコサイズになっていて、「ビスタじゃなかったの」とちょっと慌てました。「シネスコならもっと後ろの席にしたのに」と思っているうちに上映開始。すると、やはりビスタで一安心。ところが、両脇の薄明るい余白がそのままで、「幕閉め忘れてるよ」と思ったのですが、シネコンには幕なんてなかったのですね。
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