1 期待は裏切られたんですけど・・・・
悪ガキが散々おイタをしたあげく、ママに助けを求めてるような映画、というのは冗談ですが、Vol.2 はさながらタラの××賛歌(ネタばれになりそうなので伏字にします)といった趣き。
正直、もう一度 Vol.1 のような興奮を期待していた観客には、やはり肩透かしの感は免れませんが、観終ったあとのしみじみ感には、意外や、滋味深いものがあります。
しかしわたくし的には、「キル・ビル」全体のクライマックスは、やはり「青葉屋の死闘」。というわけで、Vol.2 単独では80点。前後編あわせて90点というところでしょうか。Vol.1 と Vol.2、一度に観たいですね。
(4.25)
2 ××さんに同感
>個人的には VOL.1 も気持ちがサイコーに盛り上がって大好きな作品でしたけど、VOL.2 も全然違った意味ですごい映画だなーと思いました。
同感です。先週観たときは、ちょっと肩透かしだなあと思ったんですけど、昨日また観に行って、泣きながら帰って来ました(笑)。
>ビルが最期に血をぬぐって「俺はどうだい?(かっこよく死ねるか?)」とブライドに微笑むところなど、泣いてしまったですよ〜〜。
この場面、私もこみあげてしまいましたねえ。世間的に見れば悪いヤツばっかりですけど、彼らなりのおとしまえの着け方にシビレました(笑)。
エンド・ロールがまたいいですよね。スクリーンに次々現れる、Vol.1、Vol.2 の出演者の姿を見ながら、思わず「楽しい時間をありがとう」と心の中でつぶやいてしまいました。
(5.2)
3 本当にラブ・ストーリーだったんだ!
ちょっとマユツバで観に行ったんですけど、本当にラブス・トーリーだったんですね。ただし、かなり屈折してますが・・・・。実は、その屈折してるところに泣けるんですよね。
Vol.1 の流れからすると意外な展開でしたが、やっぱりタランティーノ、納得です!
あと、エンドロールのキャスト紹介が楽しかったです。本編とは別テイクのクレイジー88のスローモーションが、またまたカッコよかったですねえ。フェラーリのお兄さんにもまたお会いできてうれしかった(この方、妙に好きなんです!)。
(5.4)
4 「キル・ビル」感情編
おふたりのコメント、興味深く拝見いたしました。
私も Vol.2 は、Vol.1 的世界がさらに発展し、そのうえで思わぬ地点に着地するという展開を期待していたので、いささか拍子抜けした観客のひとりです。しかし、エンドロールのキャスト紹介にニコニコしちゃって(いゃあ、実は泣いてしまった)、一週間後にまた観に行ったんですよね(笑)。で、二回目は映画に引き込まれました。
私は「キル・ビル」のテーマは「ビルとブライドの本音と建前の相克」及び「好敵手物語」ではないかと思います。それが行動編(Vol.1)と感情編(Vol.2)というパートを持つ「毒ヘビ暗殺団衰亡史(その結果としての、母性の勝利)」というひとつの物語になっていると思うのです。ですので、やはり二本の映画はひとつの物事の裏と表、切り離すことはできないと思うんですよね。
組織を維持するためには本音を出すべきではなかったビルが、嫉妬のあまり本音を出してしまった。しかし、それは本音を覆い隠すために過剰反応となってしまったというのが、この物語の発端。そして、ブライドの心もずっと揺れています。女として、母として・・・・。Vol.2 におけるふたりの心のゆらぎ、私はけっこう共感しながら観てしまいました。その場、その場においてどちらに転んでもおかしくない「愛の一触即発」状態、Vol.1 のアクションにも劣らずスリリングです。そしてそのゆらぎの帰結たるラスト、これはもう涙々でした。
そして大きな見せ場となっている Vol.1 でのオーレン・イシイとの死闘、Vol.2 でのエル・ドライバーとの決闘は、かっては仲間であり、またよきライバルでもあった者どうしの、雌雄を決する必然の闘いであり、私はそこに好敵手たちが全力を尽くしあった爽快感を感じました。これは「キル・ビル」の大きな魅力だと思います。
今まで作品は好きでも、監督自身についてはそれほど興味はなかったのですが、Vol.1 を観たあと、熱に浮かされ色々資料を読みました。で、××さんの「監督自身の人生」が反映されているというご意見には同感です。
Vol.1 の掲示板で、「これは日本映画へのラブレター」と書いておられる方がいらっしゃいましたが、私は Vol.2 のラストを観ながら、「ああ、お母さんにラブレター書いているんだなあ」と思いました。甘いといえば甘い結論です。でも、私はそんなタランティーノが大好きです。
ひとつ不満なのは、衣装なんですよね。エルの黒いスーツ姿はカッコよかったのに、ブライドの衣装がイマイチしっくり来ないんです。××さんのおっしゃるように、Vol.1 では超キュートだっただけに、何か隠された意図でもあるのかと、思案しているところでございます。
(5.15)
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