雨季 「雨季」(95.12)
窓の外はしとしとと糸のような雨
あなたは雨の中をやって来た
心のこもった眼差しを優しく向けて
僕を引き留めていたのは雨ではないと言った
まるでいじめられた子供のように
目にはほんの少し雨水が
雨なのか涙なのかあいまいなままに
あの年の春の小雨だった
窓の外は今も糸のような雨
だけどあなたの姿は見えない
遠方からもたらされたひとつの便り
あなたは以前と変わらず無事でいると
雨の中を歩いていると悲しくなってくる
あなたは今でも私のことを覚えているだろうか
あなたを引き留めている場所はとても遠いと聞いた
そこで華やかな暮らしをしていると
雨の中を歩いていると悲しくなってくる
あなたは今でも私のことを覚えているだろうか
もしも待つことが甘美な試練であるならば
私は永遠にあなたを待ち続けよう
窓の外は今も糸のような雨
だけどあなたの姿は見えない
遠方からあなたに送る一通の便り
私はあなたを懐かしく想っていると
私はあなたを永遠に待っていると
Vivien's note :
陳昇の心の中には確かにひとりの少年が住んでいますが、少女も住んでいるのでしょうか。そんなことを思わせる、とてもリリカルな詞。雨、少女、手紙・・・・・。Vivien がもし自分の映画を撮るなら、この三点セットは必ず取り入れましょう(笑)。
|