恨情歌
君たちの歓心を買おうとして
僕はいつも自分を忘れていた
感情というものは気違いじみているから
多ければいいと言うものじゃない
僕はいいかげんな気持ちで
楽しく軽やかに歌ったりはできないのさ
みんなラブソングが好きだと言う
それで心の中の苦しみを軽くするんだって
いたずらっ子のようなまねはやめて
自分のためにラブソングを歌えとよく言われるけれど
夜ひとりになるといつも
自分を見失うんじゃないかと心配だった
それに元々僕はどんな事でも好きな道楽者だ
もし僕がラブソングをやめてしまうような日がきたら
君たちは僕から離れていってしまうかい
じゃ、僕はラブソングなんて嫌いだと叫ぼう
全然平気なふりをして
あるいはもう君たちの歓心を買おうとはしない
僕はそんな自分が好きなんだ
じゃ、僕はラブソングなんて嫌いだと叫ぼう
全然平気なふりをして
君たちだって言わなかっただけかもしれないね
そう、僕はもっといろんな事を考えているんだよ
Vivien's note :
原詞の「Ni」を「君たち」と訳すのは腑に落ちないと、何度か質問されたことがあるので、一言、説明をしておきます。この詞を初めて訳したのは、1995年の夏、中国語を学び始めて一年ぐらいの時でしたが、「Ni」を「君」と訳すと、どうしてもこの詞の意味がとれませんでした。そこでふと思いついたのが、英語の「You」が二人称複数を意味するという用法。中日辞典を引いてみると、案の定「時としてNi們の意に用いる事もある」とありました。
これ以外にも、私の訳したような意味が暗喩としてあるのは理解できるけれど、「我」と「Ni」で書かれたラブソングである以上、そのように訳すべきではないか、という異議を唱えられたこともあります。しかし、この詞はラブソングであるという見方には、Vivien はどうしても頷くことができません。ただし、様々な解釈があっても当然だとは思いますが・・・・・。
以上のことは、Vivien の考えたこの歌の主題とともに、陳昇にも詳しく伝えました。何も言ってこないところを見ると、Vivien の見方、訳が陳昇の意図に添っているのではないかと思います。
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