第20回  5月18日    「婚礼の夜」
真剣に隠れん坊をする家定の姿を見つけてしまった篤姫。
自分の夫は“うつけ”なのか、と危惧を覚えてしまう。
その家定の奇行は遠く薩摩にも聞こえていて、大久保正助からその噂を聞いた尚五郎は「篤姫が政略闘争の道具にされているのではないか」と案じてしまう。

そんな周辺の危惧をよそに、家定との婚礼を迎えた篤姫。
「3度目の婚儀だから」と面倒臭がる家定。
家「何度目だ?」
篤「・・・・初めてです」
何かおかしかったよ、この会話。

儀礼的に初夜を迎えた新郎新婦だけれど、家定はさっさと床に入ってしまい、手持ちぶさたの新婦はどうしたものやら分からない。
そこでいっそ昔話を、と話し始めたところで長い婚礼の疲れからか先に眠ってしまった篤姫に
家「えええええええ????」
お、おかしい。。。。。

「花嫁が先に寝た・・・・・」と卒倒しそうな本寿院。

夫は果たして本当にうつけなのか、と悩む篤姫に、幾島は
「実はうつけでは無いのではないか」と斉彬でさえ疑っていたことを打ち明ける幾島。
養父の眼力を知っている篤姫は夫がうつけを装っているのかどうか知ろうとする。
それにはまず夫に近付かなければ、と思い立った篤姫がほんの一瞬、垣間見た家定の目はとても真っ当な人間の目だった。

「上様はうつけではない」
ほらほら、好奇心旺盛な篤姫の目がチラチラ輝いているゾ。

第19回  5月11日    「大奥入城」
大奥総取締・滝山(稲森いずみ)
菅野美穂が篤姫を演じた「大奥」ではこの役は浅野ゆう子が演じていたっけ。
化粧のせいか、えらく陰のあるきつそうな印象の滝山になっているのがちょっと驚き。
原作でも最初は幾島となにかにつけブツかってばかりいたけれど、やがて後年は篤姫に従って大奥最後の総取締として江戸城明け渡しに至るまで徳川家に一身を捧げた人物として描かれる。

さて、大奥での一日。
朝起きて夜寝るまでなにもかもしきたりと奇妙な習慣がいっぱい。
やれ、声がかかるまで起きるな、寝たまま髪を梳け、食事は一口箸を付けたらお代わり(もったいない)。日に何回も着替えないとダメ。
封建時代の貴人の暮らしって、こういうもんなんだろうなぁ。現代人に生まれてヨカッタ。
最初は「ヘンなの〜」と思いながらも大奥の慣習に従っていた篤姫だけれど、そのうち
「不合理なことは変えちゃえばいいんじゃない!」といつもの篤姫節を発揮。

「ヘンなお姫様」とすぐ噂になってしまうけれど、きっと当人はそんな噂など歯牙にもかけないに違いない。そのあたりの合理主義といい、きっぱりはっきり自己主張できるアタリ、なんか羨ましいくらい。

その篤姫より前に、大奥には家定(堺雅人)の側室・お志賀(鶴田真由)がいた。
なんだか無邪気に優しい笑顔をふりまく彼女に始めは好意を抱いた篤姫だけれど、側室とあっては心が騒がないはずがない。

そんな後宮をよそに、いよいよ政治は急を要し、下田のハリスは将軍との謁見を求めて幕閣に詰め寄る始末。いつまでたっても次期将軍が決まらないままでは心許ない、と斉彬や阿部正弘は慶喜擁立へと画策するが、一方の譜代大名・井伊直弼(中村梅雀)は警戒を抱く。

大奥に入ったものの、未だ夫となる家定と対面できない篤姫の前に、真剣に隠れん坊をしている大人の男性が現れる。何者?と訝しむ篤姫に

「あれが家定さまです」

「・・・・・あれが?」

第18回  5月4日     「斉彬の密命」
大地震によって一時、輿入れが延期になってしまう篤姫。
幾島は焦りを隠せないが、「こういうときこそ」とばかりにすっかり落ち着き払っている篤姫の態度に幾島でさえ感銘を受ける。

一方、薩摩に戻った尚五郎を待っていたのは小松お近との縁談。
7歳も年上のお近(ともさかりえ)は年上だし、体も弱いし、と自分から縁談を断って欲しいと言い出す。しかし尚五郎はそんな謙虚なお近だからこそ、と縁談を承知し、篤姫よりも一足早く華燭の典をあげる。
なんだかだと、一時は腐っていた尚五郎を叱咤してくれたのもお近だし、尚五郎が篤姫へ想いを寄せていたことも知っているし、尚五郎にとっては理想の姉さん女房なんじゃないかな。
ここに肝付尚五郎改め、小松帯刀がようやく誕生。

江戸の篤姫はというと、婚約してから2年を経てようやく大奥入りが決定。
すでにもう20歳。
この時代のお姫様にしては晩婚になるはず。

さて、大奥へと入る前夜。
養父・斉彬は篤姫を呼んで重大事を告げる。

「この国は未曾有の混乱期にある。次期将軍は一橋慶喜こそがふさわしい」
篤姫に課せられた密命は

次期将軍に慶喜を据えるよう工作すること。

反水戸派が大勢を占める大奥で、これは並大抵のことではない。
斉彬は、篤姫だからこそできる、と究極の殺し文句を。

「おまかせ下さい!」
と啖呵を切った篤姫に女傑の兆しを見た!

第17回   4月27日   「予期せぬ縁組」
いよいよ篤姫の輿入れが決まり、嫁入り道具の選定を任された西郷吉之助はてんやわんやになりながらも姫様のために良い品を、と一生懸命。しかしそんな西郷の意気込みは幾島の前にあってはまだまだ不満足なもので、「もっと良い物を!お金はいくら使っても構わない!」と一蹴されてしまう。

さて、一方の尚五郎はようやく江戸表にやってくるが、篤姫入輿の準備で大忙しの西郷や、薩摩の片田舎とは違って蘭学などの学問を学べる土壌が揃っている江戸は目を瞠るばかりの大都会。若者にとって刺激されることこの上なく、今でいえば日本の田舎に住む高校生がニューヨークの大学に受かって初渡米したようなモンと思えば近いかも。

一方、篤姫は輿入れが決まって「御台所」になる自覚が芽生え始め、すっかり肝を据えて「ドンと来い!」状態。
尚五郎はますます自分と篤姫とが隔たっていくことを感じるが、そんな矢先、赴任先の琉球で師匠筋の小松清猶が急死したという訃報を聞く。
ところが斉彬はそんな尚五郎にさらに驚くようなことを言い出す。

「小松清猶の妹と結婚して小松家の養子になれ」

まだ篤姫に心を残している尚五郎にとって、藩主の命とはいえすぐには頷けないこと。
躊躇しているのを斉彬に悟られたか、その斉彬の計らいで久々に篤姫と対面することになった尚五郎だが、すっかり落ち着いている篤姫を前にして
「自分ばかり迷っているわけにはいかない」
と小松家を継ぐ決意を固める。

さて、冒頭の西郷の奔走によって、ようやく幾島も納得のいく嫁入り道具が揃った薩摩藩邸。
ところがそこへ大地震が襲う!
安政の天変地異。

まるで篤姫の波瀾万丈の未来を占っているかのよう。

第16回   4月20日   「波乱の花見」
煎餅がうまく焼けないことを口実に縁談をそらし続ける家定。。。。
この人、本気で暗愚なのかそうでないのか分からない。
くせ者役者・堺雅人が演じているだけに、絶対に見かけ通りの暗君とは思えない節がチラホラ。

さて、篤姫の縁談はというと、家定がなかなか首を縦に振らないばかりか、水戸の斉昭までもが猛反対で暗礁に乗り上げる寸前。
こうなりゃ賭けだ、斉昭公を篤姫に会わせちゃえ!とばかりに斉彬は花見を口実にして薩摩屋敷に斉昭を招き、篤姫と対面させる。

どんなに偉い人を前にしても物怖じしないきっぱりしたしゃべり方をするのが、この型破りなお姫様のいいところ。
「攘夷が本当に日本のために良いことなのですか?」
猛烈な攘夷論者である斉昭にこのセリフを吐く。
まるでローマ法王に「イスラム教のいいところを述べよ」って言ってるようなもの。
あんまり恐れを知らない篤姫の真っ直ぐな問いに
「気に入った!」と膝を打ってしまうあたり、斉昭サマも単なる堅物ではないようで。

一方、そのころ薩摩ではせっかく鶴丸城に出仕がかなった尚五郎(瑛太)だけれど、肝心のお殿様が江戸に上っているのでマトモに仕事がない。
方や西郷吉之助は斉彬の側に在って江戸在勤の他国の志士論客とも会い、人物に磨きをかける。置いていかれた感のある尚五郎はお近(ともさかりえ)を前に愚痴ってばかり。
そんな尚五郎の情けない姿を一喝したお近。
お近に浴びせかけられた叱咤にようやく目が覚めた尚五郎は、自分が置かれている立場を悟り、今できることを模索し始める。

さて、そのころ江戸城では家定が相変わらず下手な手つきで煎餅を焼いている。
家定の生母・本寿院(高畑淳子)の取りなしでようやく縁談が動き始める。

第15回   4月13日   「姫、出陣」
西郷吉之助は斉彬の側近に取り立てられ、ますます忠勤に励む。
その斉彬の思うままにはなかなか進まない篤姫の入輿。
水戸斉昭が猛反対するのも当然のことで、斉彬の嫡男の虎寿丸は公家の近衛家と早々に縁組を進め、将軍家と摂関家に近付こうとする斉彬の腹が胡散臭くてならない、というのが斉昭の思い。
そんな折りもおり、虎寿丸が急死してしまう。
4人もの男児に先立たれた斉彬は床に伏してしまうが、それも含めてお由羅(涼風真世)の呪詛かという噂がまことしやかにささやかれ始める。

お由羅打倒の声が薩摩にも江戸でもあがるなか、ようよう床から上がった斉彬はお由羅討伐の急先鋒たる西郷を召しだして諫める。

自分の身は一人のものではない。世界を見るために今は堪えるべきを堪えろ。
父親のごとく熱い主君の言葉に、涙をこらえきれない西郷。
後に斉彬が病死した際、殉死を謀ろうとすらした西郷の、主君への思いがいかに篤かったかが分かる伏線でもある。

篤姫は、呪詛だなんだと物騒な噂の根幹を絶つためにも、噂の大本である斉興(長門祐介)とお由羅に直に対面して「噂になるならまだしも、藩を分かつ気がないのなら今は大人しくしていろ」とばかりにお由羅に釘を差す。
その篤姫の大胆な行動に舌を巻く西郷吉之助。
同じように、思いがけない篤姫の行動力に思うところを感じた英姫。
皆の思いが通じたのか、斉彬の病は穏やかな春の訪れと共に回復の兆しを見せる。

そして薩摩では尚五郎がいよいよ斉彬付きの小姓へと抜擢されることになり、さらには大久保正助の父が遠島から帰ってくる。

安政元(1854)年。
疾風怒濤の時代はようやく幕を開けたばかり。

第14回   4月6日    「父の願い」
新たに江戸薩摩藩邸に仕える老女の小の島(佐藤藍子)が登場。
英姫と篤姫の間に立って、「英姫に会わせろ!」と迫る篤姫にほとほと手を焼く小の島。
篤姫は何としても英姫にもう一度会いたいと押しかけるが、格式高い徳川一門出身の英姫にしてみれば、島津の分家出身の小娘が御台所になれるなどと思っていることすら片腹痛いってことらしく、入輿を画策する斉彬に対しても冷たく「無謀なこと」と言い放つ。

嘉永6(1853)年10月。
家祥(堺雅人)は正式に第13代将軍徳川家定となり、と同時に空席である正室を早く娶るようにと生母の本寿院(高畑淳子)からも暗にせかされるが、当人は無視。
翌年の嘉永7(1854)年、正月。浦賀には再びペリーが来航し、開国を迫る。
老中首座の阿部正弘(草刈正雄)は鎖国攘夷を主張する水戸斉昭を制して日米和親条約の締結を譜代の名家である井伊直弼(中村梅雀)らとともに押し進め、斉昭の憤懣はやるかたない。
ここに初登場した井伊直弼。
知ってのごとく、安政の大獄の立て役者。
水戸斉昭を向こうに回して一歩も譲らない大物ぶり。
ここにきて幕末史を賑わす人物が続々と登場してくる。

嘉永7年は安政元年と改元され、この年の2月に薩摩では島津忠剛(長塚京三)が病死。
忠剛から娘の篤姫には告げないでくれ、と言われた斉彬。
しかしいざ篤姫の顔を見ると、実父の死を告げずにおくというのは罪なようで、気丈な篤姫ならば父の死も乗り越えられるはず、と篤姫に忠剛の死を打ち明ける。

自分を思いやってくれる2人の父の想いを受け止めた篤姫。

死の直前、小さな於一がまだそこにいるかのように優しい目を向ける父・忠剛。
間違いなく、今和泉家の中心は於一だった、と今さらながら思う父。
父の目に映る娘の姿は、いつであっても子供の頃の小さなお転婆娘。

第13回   3月30日   「江戸の母君」
荒れた太平洋を船は往く。
まっすぐ江戸に向かうのかと思いきや、ちょっと京へ寄り道。
これがけっこう重要な寄り道で、将軍家の御台所になるためにはまず公家の名家でもある近衛家と懇意にしておかなければならないという事情もあって、近衛忠熙(春風亭小朝)に挨拶。
ここで幾島が出会ったのが村岡(星由里子)。
幾島の大奥入りを後押ししてくれる、という村岡から聞いたのは、家祥(堺雅人)の御台所には公家の娘を、という噂。
この村岡、実は後に篤姫とも深く関わってくる人物で、幕末史でも「安政の大獄」の折りに名前があがってくる女性。・・・それはまた別のお話。

江戸に入った篤姫一行は斉彬の正室である英姫(余貴美子)から歓待を受けると思いきや、なかなか英姫と対面できない。何日かを無為に過ごし、ようやく英姫との対面が叶ったものの、御簾越しにほとんど英姫の顔も見えないという状況での対面。しかも篤姫を「分家の娘」とカンペキに侮った言動を隠しもせず、「御台所になぞなれるはずもない」と言い捨てる。

折りもおり、江戸城では水戸斉昭(江守徹)が篤姫の大奥入りに公然と反意を示し、いよいよ篤姫入輿の雲行きが怪しくなってきた。
斉彬はそんな江戸での情勢をなんとか好転させるため、通常よりも早く江戸へと参勤に上ることに。その斉彬のお供に抜擢されたのが西郷吉之助。意気消沈する尚五郎には悪いと思いつつ、藩主の抜擢に大喜びする西郷。
実は西郷吉之助という人物が幕末史に登場してくるのはこのときから、と言っていい。

一方の篤姫は英姫の思いがけない冷たさに納得がいかない。
それにしても今回より初登場の英姫。すっごい存在感あるよね〜。
さすがというべきか。。。。。

第12回   3月23日   「さらば桜島」
ちょっとウルっと来てしまった。。。。。

とうとう篤姫が江戸に立つ日が近づき、いよいよ故郷ともお別れ。
たとえ実の両親といえども今や藩主の養女という身分である篤姫にとって、今和泉家の面々は家臣の一人。最後のお別れであっても通り一遍の挨拶しかできない。
幾島(松阪慶子)も、篤姫の想いは分かってはいるけれど、これからの事を思えばこれしきのことで寂しがってもらっては困る。キツイ言葉で叱咤するけれど、篤姫の気持ちは素直には抑えられない。
養父の斉彬(高橋英樹)はちゃんとそんな篤姫の情実を分かってくれていて、最後に家族を城に呼んでささやかな一家団欒の時をプレゼント。
なんか、娘を嫁に出す父親っていう感じの忠剛(長塚京三)が、結婚式で号泣する新婦の父親そのものに見えて、ちょっと涙が。。。

さて、翌日、いよいよ篤姫が薩摩を旅立つ日。
尚五郎(瑛太)や西郷吉之助(小澤征悦)、大久保正助(原田泰造)らが見送る中、篤姫は桜島に最後の挨拶。生まれてこのかた17年間、自分を育んでくれた故郷とも最後のお別れ。おそらくもう二度と帰ってくることは無い土地。
万感の思いで桜島に語りかける篤姫。

幾島に「薩摩を思って泣くのはもうこれが最後」と誓うその横顔に、女の一本道を往く覚悟が見える。

第11回   3月16日   「七夕の再会」
将軍家に嫁ぐ、という覚悟を決めた篤姫はこれまでとは一転して厳しい幾島の教育にもがぜんやる気を見せ、事情を知らない周囲から訝しがられる。

一方の実父・忠剛(長塚京三)は斉彬(高橋英樹)から篤姫を将軍家に嫁がせる、という話を聞かされ、あまりのことに卒倒しそうな勢い。
案外、「ありえるかも・・・」と受け止めたお幸(樋口可南子)。
我が娘ながら、その器の大きさには「タダモノにはならない」と思っていただけに、篤姫が江戸へ行くということを案じつつも「これも定めなのかも」とどこか納得。

忠剛から御台所の一件を聞いて驚いたのは兄の忠敬(岡田義徳)だけでなく、肝付尚五郎(瑛太)も同じで、もうこれで篤姫が自分の手の届かないところに行ってしまうのは確実。
ならばせめて距離だけでも側にいたい、という男心の一心でか、小松清猶(沢村一樹)に江戸行きを希望する。

嘉永6年7月7日。
広く藩内に意見収集を募っていた斉彬からお召しを受けた尚五郎は、この希望を申し上げる。その話の流れから尚五郎が篤姫とは幼なじみであること、尚五郎が一方的に篤姫に想いを寄せていたことを知った斉彬は粋な計らいを見せて尚五郎と篤姫の再会をお膳立てする。

久々に碁盤を挟んで勝負をする2人。
江戸へ行く、という篤姫に
「あなたは本当に大きくなったのですね」
と、彼女の器がすでに薩摩という片田舎に治まりきらない器量となっていることを思い知らされる。おそらくそれまで、尚五郎はただ篤姫の側近くに侍りたい一心で江戸行きを希望していたのだろうけれど、
「薩摩を頼みます」
という彼女の一言で、自分が何を成すべきかをようやく悟ることになったはず。

自分が恋した女性に負けないほど、自分もまた大きな人物にならなければ。
そのためには自分は薩摩藩を率いる立場の人間と成るべく、学ぶべき事、知るべき事はたくさんある。

恋は、時として少年を大人へと変える。

篤姫、このとき19歳。
第13代将軍・徳川家定の御台所となるまでには、まだあと3年の歳月を要する。







篤姫

2008年NHK大河ドラマ