「何?どうかしたの、みんな集まって?」
「おぉ、メルティーナ!ちょうど良い所に来たの!聞きたい事があるのじゃが・・・」
「何?」
「あの眼鏡の御仁、あやつはエインフェリアじゃないとヴァルキリーから聞いたのじゃが・・・」
「そうよ。変態だけど、一応人間ね。」
「友達だったのですか?」
「ロウファ、言っていい事と駄目な事があるって教わらなかったのかしら?」
「ひっ!こ、怖いですよ、メルティーナさんっ!!」
「アンタが馬鹿なこと言うからでしょ?」
「同じ学校だったのは確かなんだろ?じゃあロウファがそう思うのも仕方ないってもんだ。」
「・・・それもそうね・・・・・・・・・・
・・・・・・・悪かったわ。で?レザードがどうかしたの?」
「それがの、魔術師のわらわ達は分かるのじゃ。眼鏡の御仁も魔術師だからヴァルキリーは交代で呼び出すじゃろうし。」
「・・・・・?」
「しかしの、アリューゼやロウファまで見た事がないと言うのじゃ!他にもエイミとかカシェルとかジェイルとかラウリィとかルシオとか・・・」
「あの、とにかく他のエインフェリアの皆さんにも聞いてみたのですが、誰も見た事がないと言うのですよ。」
「・・・何を?」
「寝てるとこ、だな。」
「っ!!!」
「何か知ってるみてぇだな?」
「・・・・・どうしてそんな事知りたがるの?」
「俺は興味本位だな。」
「僕は心配で・・・」
「わらわはいつも夜になれば眠くなったのに、どうして起きてられるのか気になるではないか!」
「・・・そうね、たまに寝てるんじゃない?」
「なんだそりゃ?いつ寝てるか知ってるんじゃないのか?」
「知りたくもないわ!!!」
「おや皆さん、お揃いで。」
「レ、レザード!!」
「ちょうど良い所に来たの!今そなたの話をしていた所じゃ!」
「えぇ、聞こえていましたよ。私の睡眠の話でしょう?」
(どれだけ地獄耳なんだ、コイツは・・・)
「私で良ければお答えしますが?」
「ちょ、ちょっと、レザード!!」
「本当か!聞きたい事がいっぱいあるのじゃ!」
「僕も聞いてもいいでしょうか?」
「おや、なんでしょう?」
「お主、いつ寝てるのじゃ?それとも寝てないのか?」
「いえいえ、ちゃんと寝てますよ。人間、睡眠を取らないと腑抜けになるようですからねぇ、メル?」
「・・・そうね。」
「あの、いつ寝てらっしゃるんですか?僕達これまで一度も見た事ないんですが・・・」
「あぁ、私は人目があったら寝れませんので皆さんがいない時に。ヴァルキュリアにはキチンとお伝えしてますよ。」
「ちゃんと毎日寝ておるのか?」
「・・・そうですねぇ・・・枕が拒否さえしなければ毎日寝たいのですが、たいがい2日置きくらいでしょうか。」
「レザード・・・」
「は?枕が拒否・・・?」
「えぇ。」
「レザードっ!!!」
「何ですか、メル?」
「それ以上言ったら殺すわよっ!!」
「おやおや、怖いですねぇ?」
「のぅ!まだ聞きたいのじゃが、よいか?」
「なんでしょう?」
「お主、寝相はどうなのじゃ?わらわはまっすぐ眠る方法が知りたいのじゃ!」
「・・・・・さて、こればかりは私自身は分かりかねますが・・・・・・
メル、どうなのですか?」
「・・・・・?どうしてメルティーナさんに聞くのですか?」
「知らないわよっ!!」
「おやおや、嘘はいけませんねぇ?」
「も、もしかしてお主達、付き合っておるのか!?」
「ジェラード・・・そんな冗談は言わないでよね。貴女に怪我はさせたくないわ。」
「じゃあどうしてお前に振ったんだ?何か理由があるんだろ?」
「あ・・・あの、メルティーナさん?大丈夫ですか・・・?」
「お願いだから、もう止めてくれないかしら・・・?」
「くっくっくっ・・・」
「レザードっ!!!」
「探究心大勢な貴方達にお教えしましょう?」
「レザードっ!!黙りなさいよっ!!」
「おいおい、どうしたってんだ?」
「メルティーナ?どうしたのじゃ?何を怒っておるのじゃ?」
「それはメルが」
「イグニートジャベリンっ!!!」
「リフレクトソーサリー」
「あぁぁぁ!コイツっ!ムカつく!!ムカつく!!超ムカつくわっ!!!」
「くっくっくっ、今日の私は以前とは違って腑抜けではありませんからねぇ?」
「うるっさいわね!それ以上言ったら殺すって言ってるでしょう!?」
「殺せるもんならどうぞ?学院主席だったお力を是非拝見しようじゃありませんか?」
「っっっこいっつっ・・・・!!!!!」
「メッ、メルティーナ!!落ち着くのじゃ!!」
「抱き枕の分際で主人に勝てるとでも?」
「・・・だ・・・抱き枕・・・?」
「っっ!!!レザァァァァァァァァド!!!!!!
イグニートジャベリン!!
ジャベリン!!
ジャベリン!!
ジャベリンっ!!!」
「ふはははは、頭に血が上っては勝てる戦も勝てませんよ?ふはははは!!!」
「こんの、変態がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「あ・・・アリューゼさん・・・」
「なんだ。」
「あの、止めなくていいのでしょうか・・・?」
「お前、あの間に仲裁に入って生き残れるか?」
「絶対無理だと思います・・・」
「ジェラード、お前魔術師だろ。どうだ?」
「あんなに凄い魔法のやり取りは初めて見たのじゃ・・・わらわとはレベルが違いすぎる。」
「まぁ、俺も初めて見たぜ。明らかにいつもの戦闘以上だな。」
「という事は、お二人とも普段は手を抜いてらっしゃる・・・?」
「もともとあんまりやる気なさそうだしな、二人とも。」
「実はとっても凄かったのじゃな・・・その辺の敵など消し炭にしてしまいそうじゃ・・・」
「ま、確かに俺達の出番はなくなりそうだな。」
「お前達、何をしている。」
「ヴァルキリー!」
「これはこれは愛しの女神殿。」
「メルティーナ、気持ちは分からぬでもないが、その辺にしてくれないとレベル上げが出来ない。」
「ヴァルキリーっ!!だって、コイツ!!」
「まぁ、落ち着け。あと、言いにくいのだが・・・」
「なにっ!?」
「・・・・・・・私の中で他の者にも聞こえてしまっていた・・・・
・・・・・・・・・・・・・もう隠しても無駄だという事だ。」
「む・・・・・・・・・・・・・・・だ・・・・・・・・・・・・?」
「あぁ。」
「いっ・・・・・・・・・・・・・・
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「メルティーナっ!どこへ行くのじゃ!?メルティーナ!!」
「レザード・ヴァレス・・・」
「なんでしょう?ヴァルキュリア殿?」
「お前、ワザとやっているだろう?」
「おや、人聞きの悪い。」
「メルティーナがお気に入りなのもいいが、きちんと連れ戻しておくように。」
「お気に入りとはこれはこれは・・・そうですね、玩具としては確かにお気に入りに違いありませんが、貴女が思ってらっしゃるお気に入りとは違いますよ。」
「どうだか。」
「その発言、気に入りませんね。貴女は私の求愛をきちんと聞いて下さっているのか?」
「聞こえんな。」
「くくっ・・・これは手厳しい・・・」
「メルティーナを連れ戻しておけよ。」
「女神殿の仰せとあらば仕方ないでしょう。では、失礼。」
「おい、ヴァルキリー。」
「なんだ。」
「結局レザードの言ってた事は本当なのか・・・?」
「・・・紛れもない事実だ。」
「よくあの高飛車女が大人しくしてるな?」
「・・・執着というものが最終的にどういう風に変貌するか・・・・・・これは、一つの例だな。」
「はぁ?もっと分かりやすい言葉を使えよ?」
「ふっ・・・自分で考えろ。」