ねえ、ちょっと聞いてるの!?
聞いてるよ。
じゃあ何か答えなさいよ!
だからゼシカちゃんだって。
もぅ、だからそれ以外でって言ってるでしょ!?
はぁ・・・・・・・そう言われても、ゼシカがいいんだよ。
そ、それは・・・・・・・・その・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今は駄目なの!
それ、いったい何回目か覚えてる?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・6回目。
へぇー、覚えてるのにまだ言うんだ?少しは俺の事も考えて欲しいよな。
考えてるわよ。
考えてないよ。考えてたら断らない。
っ!それはっ、そうかもしれないけど!
・・・・・・ 今日は世界に平和が訪れた日。
毎年トロデーンで行われる、今ではささやかになってし まった宴に皆呼ばれている。
「かれこれ3年も経つと皆の記憶から薄れていきやすね。」
「まぁ確かに俺たち自身も平和になれてきたから、周りの人は必然的にそうなるだろうね。」
「それにしても・・・・・・久しぶりに会ったってえのに、あの二人は何をケンカしてるんでやすか?」
「あぁ、きっと毎年恒例ってやつだね。俺的には、いいかげんゼシカが折れてあげればと思
うんだけど。
・・・・・・・ククールも不憫だよなぁ・・・・・・・」
「何がでやすか?」
「んー・・・色々。」
―――3年前―――
「ククール・・・?どうしたの、その花束? 」
「あぁ、世界を救った英雄様への贈り物だとさ。
エイトが本来なら貰うはずなんだが、アイ ツ姫様と消えやがったから俺に代わりにってトロデのおっさんがさ。」
「そうなんだ。」
「はい、ゼシカにあげるよ。」
「 えっ!?ダメよ、エイトのなんでしょ?」
「いーんだよ。どーせアイツしばらく帰ってこないだろうし、男に花束やる趣味は俺にはねぇ。」
「もう!」
「はい、ゼシカ。俺のこの溢れる愛と一緒に受け取って♪」
「何言ってるのよ!!」
「はい♪」
「もっ・・・もう・・・・・・・・・ありがと・・・・・・・・」
「どういたしまして♪あ、そうだ。ゼシカも頂戴?」
「何を?」
「溢れんばかりの愛♪」
「いつも上げてるでしょ!?」
「グレードアップ希望。」
「グレードアップ?」
「うん、ゼシカが欲しい♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はっ・・・・・・・はぁ――――!?な、何言ってるのよ!?このエロバカ僧侶!!!!!」
「やっと平和になったんだぜ?俺たち頑張ったよなー。
神様は優しいからご褒美ねだってもバチあたんねーよ♪」
「何都合のいい事言ってるのよ!!」
「駄目?」
「い、今はダメっ!!!!」
「じゃあ、いつならいいの?」
「・・・・・・・・・・・・・・わ、私がいいって言ったら・・・・・」
「・・・・・わかったよ。待ちますぅー。・・・・・チェ。」
「というような内容の会話が、かれこれこの日とククールの誕生日に毎年繰り広げられてるらしい。」
「・・・・・・なんか・・・・・確かにあの二人らしいっすね・・・・・」
「でも、よくあのククールが我慢してると思うよ。」
「それは思いやすけど・・・・・・・・・・
そろそろゼシカの姉ちゃん危ないんじゃないでがすか?」
「やっぱりヤンガスもそう思う?ククールのヤツ明らかに段々すさんできてるんだよね。
今まであれだけゼシカを大切にしてきたんだから、それがブチ壊れなきゃいいんだけど・・・・・・・・・・」
「・・・もっと違うものじゃ駄目なの?」
「他のは本当に欲しいものじゃないから意味ないだろ。
だいたいゼシカが言ったんだぜ?いつも私ばっかりで悪いから何かプレゼントさせてって。」
「そうだけど・・・・・・・・・・こ、心の準備が必要でしょ?」
「もう何年たってんだよ。で?あと何年待ちゃいいんだよ?」
「そ、それは・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・気分悪りぃ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・部屋に戻る。」
「ちょっ、ククール!!」
「あ、ククールが部屋に戻っていきやすよ。」
「今回もやっぱり拒否されたみたいだね。」
「姉ちゃんはどうするんでやしょ?」
「さぁ?どうするんだろうね?・・・あ、追い掛けて行った。」
「あー・・・・あーあ、止めやす?」
「いや、いーんじゃない?俺どっちかって言うとククール寄りだから。」
「・・・・・・・・・・・兄貴・・・・・・・たまにそういう所があっしは怖いでやすよ・・・・・・・・・・・・」
「 く、ククール?
・・・・・・・・・・・・ 入ってもいい?」
「 ・・・・・・・・・・・・」
ガチャ
「・・・・・・ククール?」
「何しに来たんだよ。」
「あの、えっと・・・・・謝りに・・・・」
「謝ってもらわなくてもいいよ。」
「・・・・・・・・・・ねぇ、こっち向いて?」
「 ・・・・ここ、座れよ。」
「 うっ、うん・・・・・・・・・・・・・・ククール?」
「お前。」
「え?
ちょっ、っっっ!!!キャッ!!!」
「お前よくここに来れたよな。こうなること考えなかったわけ?」
「や、やめてっ!!」
「浮気はするな、自分には触るな、じゃあ俺はどうしたらいいんだよ?
俺は、・・・・・・・・っゼシカが好きでおかしくなりそうだってのに!!」
「く、ククール・・・・」
「・・・・・・ゼシカは・・・・・・・・?」
「・・・私も・・・・好き・・・・・・・・・だけど・・・・・・・・・」
「じゃあ問題ねぇよ。」
「やっ、やめてククール!!」
「嫌だ。」
「やだ、こんなの嫌だよっ!」
「理性が効く限りは優しくしてやるよ。」
「やだっ、イヤ、やめてっ!」
「暴れるなよ。あと、そんな大声出してるとバレバレだぜ?」
「 っ!!! 」
「・・・・・・・・・・・だいたいゼシカが悪いんだからな。」
「何がよ・・・・?」
「俺を虜にさせたお前と、この体が悪い。」
「そんなの知らないわよ!」
「クッ・・・・・そんな顔しても無駄だから、諦めろ。」
「や、んっっ!
――――――――――っっっ!!」
「あ、ククール。ゼシカは?」
「寝てる。」
「プレゼントは貰えたの?」
「奪った。」
「泣いてなかった?」
「半分だけ。」
「泊まっていくでしょ?」
「あぁ。」
「・・・・・?大丈夫?」
「んー・・・・・・・・・・・・・・・多分。」
「ヤンガスはもう帰ったよ。」
「そっか。」
「何か飲む?」
「水欲しい。」
「分かった。2つ用意してくるよ。
あ、あとついでに、ゼシカんちに連絡飛ばしておくからゆっくりしてって言っておいて。」
「あぁ、さんきゅ。」
・・・・・・・・・・俺・・・・・・・よく考えたら、始めから理性なんてブッ飛んでたよな・・・・・・
・・・・・・・・・・・また拒否されなきゃいいけど・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・んっ・・・・・・・」
「おはよ。」
「・・・・・・・・・・・・ククール・・・・・・・・・・・・」
「水飲む?」
「うん・・・・・」
「怒ってる?
・・・・・・・・・・・・ゼシカ?」
「・・・・・・痛かった。」
「え?」
「全然優しくなかった。」
「あー・・・・・・・・・・・・・・・ゴメン・・・・・・・・・・」
「・・・ククールは・・・・満足したの?」
「・・・・・・まぁ、少し。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも・・・・後悔と、反省中。」
「そう。」
「でも、・・・・俺幸せ。・・・・・ゼシカは?」
「・・・・・・分からない。」
「次はちゃんと優しくして、幸せを感じてもらえるようにするよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ゼシカ?」
「触らないで。」
「っ!」
「・・・・・・・・ウソ。・・・・・・・・・・・・・・・優しくなら、触ってもいいわ。」
「・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――――――っっっっ〜〜〜〜〜〜カワイイっ!!!!!!!」
「きゃあ!?ちょっと!?離しなさいよ!」
「イヤ。だって優しくなら触っていいって言っただろ?」
「だからって、まだする気!?」
「ちゃんとゼシカにも幸せを感じてもらわなきゃ♪」
「私はまた今度でいいわよ!」
「だって、次いつ会えるか分からないだろ?
それまでゼシカに幸せを分かってもらえないなんて・・・・・・・・・・やっぱりダメだ!!」
「だっ、大丈夫よっ、そんな心配不要だから!!!」
「無理。こんな可愛いゼシカちゃんを前にしてるんだから。」
「・・・・・・・・・・・・〜〜〜あーもうっ!!要はククールがまだしたいだけじゃない!!」
「ご名答。」
「・・・・・・このっ・・・・ケダモノっ!!!!」
「俺の3年分を取り返さなきゃ♪」
「優しくしなかったら、また3年待たせるからね!!!!!」
「了解♪じゃあ朝まで寝かせないから、そのつもりで。」
「なっっっ!!何言ってんのよ!!このっ・・・・エロバカ僧侶!!!」
「俺に惚れたゼシカちゃんが悪い♪」
「んもうっっっ!!!!バカッ!!!!!!」
――――――――――――――――――――――――その後の展開希望。
「ちょっとっっ!!ククール!!ストップ、ストップしてってばっ!!」
「なんだよ、優しくするってば。」
「違う、違うって!!!後ろっ!!」
「は?後ろ?」
「やぁ、お茶菓子持って来たよ♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」