「アニス、大丈夫ですか?」

「うぅぅ・・・大丈夫です・・・」


そう言いながらも、どうしても震えてしまう。
やはり仕事とはいえ、制服じゃない服を着てくればよかった。


「・・・嘘を言うものではありません。唇が紫色になってますよ。」
「だって、仕方ないですよぅ・・・さ、寒いんですもん・・・」
「すみません、貴方を巻き込むつもりは無かったのですが・・・」
「違いますよ!私が、その、勝手についていきたいって言ったから・・・」


そんなに申し訳なさそうにしないで。
私が望んだ事なのに、貴方が気に病むなんて・・・やっぱりワガママだったかな・・・


「まさかこの時期に吹雪くとは思いませんでした。」
「私も・・・もう春なのに、やっぱり山の天気は分からないですね・・・」
「岩へは明日にならないと行けないでしょう。今晩はここで過ごさないといけませんね。
 ま、運良く洞窟が見つかってよかったという所でしょうか。」
「そうですよね、外で過ごさない分マシですよね。」



くよくよしても始まらない!せっかく超久しぶりに大佐に会えたんだもの!



・・・でも、久しぶり過ぎて・・・思うようにいかないよ・・・







「さてアニス、こちらへいらっしゃい。」

「こちらって・・・」

「こちらですよ。」

「あの・・・そこ、大佐の膝の上に見えるんですけど・・・」

「えぇ、膝の上ですね。」

「あの、いえ、隣でいいですよ・・・」

「何照れてるんですか。何もしませんよ。」

「でも、隣でもちゃんとあったかいから・・・」

「アニス。」

「はい・・・」

「私の言う事は聞きなさい。」

「うっ・・・そんな怖い目で見ないで下さいよぅ・・・分かりましたってば!」



半分脅されたカタチで、オドオドと大佐の膝の上に・・・ちょこん・・・と座る。



「・・・あのぅ・・・やっぱその、恥ずかしいんですけど・・・」

「おや?それだけですか?じゃあこれでどうです?」

「ひゃあっ!!!も、もう!いきなり抱きしめないで下さいよ!びっくりするじゃないですか!!」



突然伸ばされた腕に抱きとめられ、ビックリした以上に心臓がバクバクいってる気がする。



「風邪を引くよりはいいんじゃないですか?」

「心の準備ってものがあるんですよ!」

「ワガママですねぇ。じゃあ予告すればいいんですね?」

「まぁ・・・ハイ。」



ニヤリと笑みを浮かべた大佐は、さらにきつく抱きしめ引き寄せる。



「アニス、久しぶりに会えたのですから名前で呼んで下さい。」

「っ!!いっ、今、お仕事中ですよ!!?」

「今は休憩時間ですので。あとアニス。」

「な、何ですか・・・?」

「少しよそよそしくて傷ついてるのですが。」

「へっ!?そっ、そんな事ないですよぅ!!」

「では態度で示して下さい。」

「うっ!!!・・・大佐・・・私を苛めて楽しんでるでしょう・・・」

「ジェイドです。そんな事はありません。」

「嘘ですよ!顔が笑ってますって!」

「・・・そうですか?」

「ほら!」

「まぁ、仕方ありません。私は貴方の反応が好きですからね。」

「くぅぅぅ・・・そうやって何年私をからかえば気が済むんですか!」

「ふむ、そうですねぇ・・・・・・





          ――――― ずっと、でしょうか?」





「・・・・・・・・・・・・・ず・・・ずっと・・・?」



「おや?お嫌ですか?」



「え・・・っと、あの・・・」



その言葉は都合いいように解釈していいのか・・・それとも、ただのカラカイの種なのか・・・?
でも、自然と熱を帯びる顔をどうしても隠せなくって、下を向いてしまう。



「っくっくっく・・・」

――――― っっっ!!!!笑ってる!!??悔しい!!


「またカラかったんですか!!??」

「いえいえ、紛れもない本心ですが、あまりにも予想通りでしたので。


       ――――― アニス。」


「な、何ですか!」


――――― 今度は騙されないんだから!!


「体はどうですか?まだ寒いですか?」

「へ・・・?あ・・・いえ、寒くないです・・・」



心配してくれてた・・・の・・・・?



「それはよかった。
 ・・・しかし、まだ唇は紫色のままですね。こちらを向いて下さい。」

「はい?」

「あぁ、予告しないといけないんでしたね。




                   ――――― キスしますよ?」



――――― っっっっ!!!!!




――――― ズルい・・・・ズルいですよ・・・・・・・・・・




――――― 断れないじゃないですか・・・・




「・・・・・・・・・ぅ・・・・・・・・・・・・・・・ハイ・・・・・・・・・・・・・」









――――― 断りたくないですもん・・・・・







恥ずかしいけれど、自分の欲求には逆らえない。





――――― 瞳を閉じて・・・・・・・・・・・





「・・・?」



            ――――――― あれ??



そろり・・・と瞳を開けてみると、目の前のニヤリとした紅い瞳と眼が合った。



「っ!!!!???なっ!!何眺めてるんですかっ!!」



「いえ、可愛いなぁと。」



「こっちは超恥ずかしいですよっ!!!」



「これは失礼しました。
 こんなに頬を染めて頂けるくらいに期待されてるとは思ってもいなかったもので?」


「んもうっっ!!!!!!本当イジワルなんですからっ!!!!!」


「おや、お姫様のご機嫌を損ねてしまいましたか。これは駄目ですね。


                                    ――――― では姫君。」



そう言って顎を上に向かせられる


それだけでさっきまでの怒りはどこへ行ったのか


自然と落ちる瞼







「ん・・・・・ジェイ、ド・・・・・」







久しぶりの感触にお互いが夢中になるまでそう時間はかからない。









     ――――― 会えて嬉しいよ



                                            寂しかった ―――――






     ――――― 大好き



                                           愛しています ―――――











                   ――――― 放さないで ―――――









――――― 06.1102

同じネタでお話を書かれてる方がいらっしゃいました!!
ジェイアニ愛で超振動です☆
個人的に萌え観点が同じで超嬉しかったり(笑)
ご迷惑をおかけしました!
そして、ありがとうございました!